忍者ブログ
マンガ家Mの日常
実話にヒントを得たコメディ映画。


麻薬密売人が小型機で大量のコカインを輸送。
コカイン入りの多数のバッグを山中に落とし、
自身もパラシュートで降りてコカインを回収する手はずだったが、
降下に失敗して死亡。
コカイン入りバッグは山中に放置された。
国立公園内で、コカインを口にした熊が興奮してハイカーを襲撃し始めた。

コカインを受け取る筈だったマフィアのボス、シドは、
息子エディと部下ダヴィードに回収を命じる。
マフィアから足を洗って普通の生活に戻りたいエディは、
これが最後の仕事として渋々引き受ける。

地元の子供達ディーディーとヘンリーが絵を描く為に山に入り、熊に遭遇。
危険を察知したディーディーの母親サリは警察に通報し、自らも山に入る。

熊は公園の管理所に押し入り、レンジャー達を殺害。
助けに来た救急隊員達も、次々と殺害される。

しびれを切らしたシドはエディ達の後を追って来て、刑事を射殺。
バッグの行方を知っていると思われるディーディー達を追い詰める。
洞窟に入り、バッグを発見するが、シドは熊に襲われて死亡。
サリ達はかろうじて警官達に救助される。


もうちょっと面白いかと思ったけど、微妙。
イマイチ笑えない。
逆に、スプラッターであっても、グロさも低く、どっちつかず。

コカイン・ベアは母グマで、2頭の子供達を連れている。
2人の子供達を助けに向かうサリと似た立場。
エディは妻をなくしたばかりで、残された一人息子との生活を
大事にしたいと考えている。
一方、シドは冷酷なマフィアのボスで、
金儲けの為なら、実の息子のエディの命さえ顧みない。
親子関係の対比が描かれている。

マフィアのボス、シド役は、少し前に亡くなったレイ・リオッタ。
今作の次の次の映画の撮影中に亡くなっている。
これが遺作にも近いというのは、良い感じとは言えない。残念。
レイ・リオッタの無駄遣い。

サリ役は「フェリシティの青春」のケリー・ラッセル。
懐かしいドラマ。
冒頭のパラシュート事故で死ぬ密売人役は「ブラザース&シスターズ」の
マシュー・リース。
この2人、実生活で交際していて、子供がいるけど、結婚はしていないって。

このように、一応ちゃんとした俳優が固めている筈なんだけど、
やっぱりイマイチな映画でした。

熊は映画の中ではその後もコカイン貪ってハイになってるけど、
いくら巨体の熊でも、大量のコカインに耐えられるわけがない。
実際の熊は過剰摂取で、亡くなった状態で発見され、剥製にされた。
悲劇だよね。

PR

(ストーリーの続きから)

捜査の途中で、帰還兵仲間が犯人と疑われ、レンナーが射殺する。
ペルクは「後方(ヒンターラント )から撃った。」のを卑怯だと責める。

セヴェリンの兄はペルクの妻子をも巻き込み、復讐を果たそうとする。
ペルクは鐘楼に誘い込まれ、対峙する。
兄が戦争の英雄だと信じたかったセヴェリンに真実を知らせまいとするが、
追い詰められる中で、セヴェリンと警官隊も駆けつけ、
セヴェリンの兄は射殺される。

ペルクは気を取り直して、妻子の待つ自宅に向かう。


悲惨な第一次事世界大戦の爪痕。
戦時中の出来事と猟奇的殺人事件を絡めた設定は興味深く、
犯行現場の様子のヴィジュアルも、映画的に冴えている。
犯人を推理して追い詰める展開にもう少し工夫があれば、更に良かったかな。
ペルク役のムラタン・ムスルも存在感があって良い。
ただ、ネットではまだ殆ど情報が無いのが残念。

捕虜収容所の人権問題は、少しずつ改善されていっているのだろうけど、
アブグレイブの状況等が明るみになると、
密閉空間では何が行われているか、検証しようが無いと思い知らされる。

タイトルの「ヒンターラント 」が、テーマとどのように関係してくるのかが
やや分かり難い。
前線で死に直面して来た兵士達と、銃後のレンナー達との
戦時下での人間性の差を表しているのかな。

背景は全てブルーバックで撮影されたそうで、街中も室内も歪んでいる。
戦地から帰還した兵士達の不安定な精神状態を暗示しているらしい。

戦闘で顔を大きく損傷した兵士の整形、修復の実際の写真等も出てくる。
ルメートルの「天国でまた会おう」や、
ドラマ「ボードウォーク・エンパイア」を思い出した。

ハリウッドでもっと予算をかけてリメイクしたら、名作になりそうなんだけど、
誰か製作しないかなぁ。

(完了。)

他意は無いので、固有名詞は伏せます。

今WOWOWで放送中の海外ドラマで、
前シリーズの時から、とある女性キャラクターが苦手だったり
なんか、カワイコぶっていながら、上から目線的な。

最近スタートした別のドラマでも、とある女性キャラクターがウザいと思っていたら、
2つのドラマの2人の女性キャラクターの声の吹き替えが同じ声優さんだった。

ここまで書くと、WOWOWの視聴者にはわかるだろうな。

上手く説明出来ないのだけど、
発声の問題なのかな。
変に力んだ抑揚。

元のキャラクターには合っているのかもしれないけど。

だとしたら、私は、
そのキャラクターと、声優、どっちが苦手なんだろう?

でも、海外ドラマの吹き替えは、声優の演技力でも違ってくる。
別の声優だったら、別の印象だっただろう。

第一次世界大戦後のウィーンを舞台にした、
オーストリアとルクセンブルク製作のサスペンス映画。


第一次世界大戦が終結し、ロシアで抑留されていたペルク達も帰還する。
ウィーンは荒廃し、帰還兵達は大きな怪我やトラウマを抱えて、
頼るあてもなく途方にくれていた。

ペルクと共に帰還したクライナー中尉が、何者かに拷問、殺害された。
クライナーがペルクの住所のメモを持っていた事から、
ペルクは警察署に連行され、かつての同僚レンナーと再会する。
レンナーは警視に昇格しており、
戦時中は援助を餌にペルクの妻と関係を持っていた。
それを知ったペルクは妻と子供が待つ自宅に帰れずにいた。

元警部のペルクはクライナー殺害の捜査に参加。
若手刑事セヴェリンと組まされる。
続けざまに第2、第3の殺人事件も発生し、ペルク自身も何者かに襲われる。
監察医テレーザは、学生時代にペルクに命を救われた過去があり、
ペルクを敬愛している。
テレーザからの情報と合わせて、ペルクは、
殺人事件とロシアの捕虜収容所との関係性に気づく。

捕虜収容所では、脱走を企てた兵士は残酷な拷問で殺され、
連帯責任として、無関係の捕虜も射殺されていた。
大勢の捕虜の命を守るべく、脱走をやめさせるよう、監督委員会が設置され、
数名の委員が指名された中に、クライナーやペルクもいた。
ある時20名が脱走計画を実行し、捕まって、拷問死させられた。
今回の殺害事件の手法が、ロシアでの拷問と同じやり方だった。

20名死んだと思われていたが、1名だけ生き残っていた。
それは、戦死したと思われていた、セヴェリンの実の兄だった。

(続く。)


続いてアキ・カウリスマキ監督作品。
1957年生まれで、高く評価された初監督作品「罪と罰」公開が1983年、
カウリスマキ25〜6歳の頃だから、早熟の天才。


マッチ工場の検品の仕事をして、淡々と日々を過ごすイリス。
給料は母親と継父に横取りされ、家事まで全部やらされている。
時々ダンスホールに行くが、地味な格好なので、誰からも誘われない。
次の給料日に、ショーウィンドーで見かけた華やかなドレスを衝動買いする。
金の使い道を咎められ、継父に殴られるも、返品せず、
足りない分は、独立している兄に借りて継父に渡す。

ドレスを着てダンスホールに行くと、リッチな男性アールネに声をかけられ、
誘われるがままに自宅に行き、一夜を過ごす。
翌朝アールネはまだ寝ているイリスの枕元にお札を置いて出勤する。

イリスは再度アールネに会おうと連絡するが、
ただの一夜の遊びのつもりだったアールネはなかなか応じない。
何とかデートにこぎつけるが、はっきりと別れを告げられてしまう。

その後、妊娠が発覚。
アールネに知らせると、「始末してくれ。」という短いメモと小切手が届く。
絶望したイリスはフラフラと外に出ると、車にはねられ流産してしまう。

イリスは薬局で殺鼠剤を購入し、水に溶かして毒薬を作る。
最後の別れを伝えると言ってアールネ宅を訪問すると、
彼のグラスに殺鼠剤入りの毒薬を入れて殺害する。
帰り際に立ち寄ったバーで、ナンパして来た男のグラスにも毒を注ぐ。
自宅に戻り、夕食を作り、母親と継父のグラスにも毒薬を入れて殺害する。

その後、工場勤務中に刑事が来て連行される。


カウリスマキにしては珍しく、最後まで救いがない話。
同様の実際の事件があったりしたのかなぁ。

イリス役のカティ・オウティネンはカウリスマキ監督作の常連で、
「浮き雲」でも主演している。
知的でシャープな雰囲気で、美人の一歩手前といった感じが良いのかな。

シンプルなストーリーだから展開はわかるけど、全編、台詞が極端に少ない。
台詞が少ない分、観客は登場人物の心情により深く寄り添える。
演出、上手いよね。

アールネにフラれて流産した後のイリスは、
それまでのあらゆる我慢が完全崩壊。
声をかけて来ただけのナンパ男さえ、殺すのに躊躇いがない。
犯行が発覚して刑事に連行される時も、不敵な表情。

真面目に働いて来た女性が殺人犯になってしまうのは
悲劇以外の何でもないのだけど、
人に恵まれなかったのか、どこか臆病で世間知らずのままだったのか。
母親の支配が強かったのかな。
でも、兄は継父に反抗して家を出ていて、イリスにも優しい。
そういう人との出会いはもっとあった筈なのに。
「枯れ葉」や「浮き雲」では、ヒロインには良い友達がいて、
お互い貧乏だから特に何か役に立つというわけでもなかったけど、
良い話し相手になっていた。
今作のイリスはひたすら孤独だった。

悲惨な体験をしたけど、ある意味では成長出来たって事かな。

英語のタイトルは「The Match Factory Girl」で、
直訳して「マッチ工場の少女」で間違いはないんだけど、
工場で働いているくらいだから、「少女」って言う程幼くはないし、
カティ自身はこの時28歳くらい。
「マッチ売りの少女」にイメージを被せたんだろうなぁと思う。

オートメーション化されたマッチ工場の映像が面白い。
検品するだけのイリスの仕事は、さぞ退屈でシンドイだろうな。
心が固まってしまいそう。
そして、マッチ自体も近い将来廃れる運命にあって、
労働者達の先行きも見えない。
「枯れ葉」ではロシアのウクライナ進行のニュースがラジオから流れ、
今作では中国の天安門事件の報道がTVで流されている。
社会不安がはびこる世界で、貧しい労働者達が懸命に日々を生き抜いている。