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マンガ家Mの日常
感想。

個人的に、
自分が恋愛体質ではない事を思い知らされたね。
韓国(米韓合作)のロマンス映画の緩いムードにも合わなかった。

2人共、恋愛感情を引きずりながら、はっきりとは踏み出さない。
恋愛(相手)より、自分の方が大事。
だったら、キッチリ踏ん切り付けとけよと思う。

夫アダムの立場に立ったら、嫌でしょ。
ノラとヘソンが、自分の目の前で、自分にはわからない韓国語で話してる。
映画を観てる観客には、それが恋愛の話だとわかるので、
アーサーが一層気の毒だし、
なんか、気持ち悪いし、狡いし。

で、「縁」がどうのって、
自分達だけ運命的な恋愛をしてるかのように浸ってる。
ハイハイ、どうぞお好きに。

前世で何かあったのか、
今世では結ばれない運命らしい、
来世でまた出会うかもしれないし、また破局するかもしれない。
輪廻転生で、運命は何千回も回り続ける。
そう結論づける。

そこでちょっと怖くなるのは、
12歳で初恋、
24歳で連絡、
36歳で再会、
という、12年周期のペース。
これは既に、ある種の輪廻転生を示唆しているようで、
48歳で再再会からの不倫をやらかすのかも?
でも、この2人はそんな根性無さそうだな。
いや、踏ん切りを付けられないからこそ、「不倫」があるかも。

どっちにしろ気の毒なのはアーサーで、
結婚して正式な夫ではあるけど、自分は2番手で、運命の相手には勝てない。
どんなに愛しても、ノラの心に生まれながらに染み付いた韓国文化のように、
ヘソンの面影は消える事はない。
だって、「縁」の相手だもの。
フツーの男性だったら、嫉妬して、離婚。

ノラが、仕事での成功に重心を置いて、ヘソンを追わないってのが、
恋愛よりも仕事を優先する新時代のヒロインだなんて言う考察もあったけど、
そんなの、女性をバカにし過ぎ。
これまでだって、仕事に重心を置いて来た女性達は大勢いる。
そう言う女性達は、男性に対しても礼節を持って、
別れるなら別れるで、キッチリけじめを付けてきた。
相手にだって人生があるでしょ。

ラストシーン、
ヘソンが韓国に帰るのを見送った後、
ノラは号泣してアーサーに抱きかかえられる。
要するに、ノラは12歳の頃から、自意識優先で、
うまくいかない事があっても、グズグズ泣いたら男が支えてくれる、
そう言う立ち位置にいた女性って事。
そんな状況を許すアーサー、マゾなのかな。

ヘソン、36歳にもなって独身で、これからどうする?
アーサーは妻の実質的「元カレ」ヘソンに会って、
ちょっと爽やか好青年だったから、ヤバイと思っただろうな。
でも、仕事面ではボチボチな感じだし、優柔不断なのは見え見え。
もしヘソンが様変わりして、こ汚い田舎のおっさん風だったら、
ノラは何も気にせず、サクッと切ったかも?
もしヘソンが大成功して、パリッとしたスーツを着こなしていたら、
ノラは、自分の後ろ盾としてヘソンをゲットしようとしたかも?


観客の立場では、仕事に対する姿勢や恋愛遍歴の違いで、
意見が割れそうな映画でした。
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第96回アカデミー賞作品賞、脚本賞ノミネート作品。
韓国人カップルの出会いと別れを描いたロマンス映画。


2000年、韓国ソウル。
12歳で同級生のナヨンとヘソンは幼くも淡い初恋関係。
成績優秀で気が強いが泣き虫の少女ナヨンを、
穏やかな性格の少年ヘソンがなだめ、支えている。
ナヨンの父親の仕事の都合で、一家はアメリカに移住。
ナヨンはアメリカ式にノラと名乗るようになる。

12年後、徴兵を終えて一息ついたヘソンは
SNSでノラの父親の仕事関係から連絡先を調べ、連絡する。
暫くの間スカイプで熱心にやり取りするが、
NYで脚本を勉強中のノラと、やはり大学で勉強中のヘソンは、
それぞれ自分の都合優先で、お互いに相手に自分の所に来るよう言うばかりで、
自ら相手を訪ねようとはしない。
間も無くやり取りは途切れる。

ヘソンは仕事先で女性と出会い、付き合うが、破局。
ナヨンはワークショップで知り合ったユダヤ系男性脚本家アーサーと結婚。

12年後、ヘソンは再びナヨンに連絡を取り、
結婚している事を承知の上でNYまで会いに来る。
アーサーも交えて3人で食事に行ったりするが、気まずい空気が流れる。
韓国の「縁」の思想で、結ばれない運命を悟り、静かに別れる。


ちょっと時間が無くて、
感想は後日。

イタリアの実話を基にしたヒューマンドラマ映画。


イタリアの小都市。
2人の姉を持つ5歳の少年ジャックは、両親から弟が出来ると聞いて大喜び。
生まれて来る子供がダウン症だとわかると、
両親はジャックに、弟は特別な子供だと伝える。
アニメのスーパーヒーローのような弟を期待したジャックだったが、
弟ジョーが生まれると、期待はしぼみ、世話も面倒に感じるようになる。

高校入学時、同級生のアリアンナに一目惚れして、接近を試みる。
社会活動に熱心な快活な少女で、すぐに仲良くなるが、
ジャックは弟についてクラスでも公言出来ず、死んだと嘘をついてしまう。
幼馴染の友人ヴィットーリオは困惑して距離を取るようになる。

アリアンナがバンドをやってる上級生に憧れているらしいと知ると、
実際にバンド活動をしている叔母にファッション等のレクチャーを受け、
欠員補充のドラマーとして上級生のバンドの仲間入りを果たす。

幼い頃から音楽好きのジョーはスマホで動画投稿を始めると、
少しずつ視聴者が増える。
SNSで弟についての嘘が知られるのを恐れたジャックは、動画を削除。
更には、ネオナチを騙って、動画をやめるよう脅迫文を届ける。

両親はジョーの為に奮起して、デモを企画。
そこにアリアンナも加わる。
事態が大きくなって焦ったジャックは、デモの場で真実を告白するが、
アリアンナを含め、あらゆる人達から軽蔑され、皆遠ざかって行く。

自己嫌悪に陥るジャックだったが、
兄を慕うジョーの屈託のない笑顔に慰められる。
家族と話し合いを重ねて自分の考え方を探り、
ヴィットーリオやアリアンナとも少しずつ信頼関係を再構築して行く。

その後、兄弟で撮影した動画がバズり、広く知られるところとなる。


時代が変わって障がい者への理解が進みつつあるとは言え、依然偏見も多い。
地元から少し離れた地域で高校デビューして、
素敵な子をガールフレンドにしたいと願ってる、
どこにでもいるティーンエイジャー。
気の迷いで弟について嘘をついたとしても、責められるだろうか。
個人的経験から言うと、(ダウン症ではないが)
フィリップや、他の友人でも、自閉症の子供がいる家庭は、まず隠したがった。
遺伝の問題もあり、結婚に支障が出るケースもある。

ジャックの場合は、嘘の積み重ねがマズかった。
小さくても嘘を通し続けようとすると、嘘に嘘の塗り重ねとなって、
いずれ破綻する。
1番の親友ヴィットーリオによく相談すれば良かったのかも。
他の人達は、よその家庭に障がい者がいても、そんなに気にしない。
14、5歳という多感な時期故の失敗。
苦しかっただろう。
障がい者へのケアとともに、障がい者家族へのケアも重要。
同年代で正義感が強いアリアンナは露骨にジャックを責めるが、
それも幼い反応であるように思える。

実際の家族同様、映画でも、最後は無事に幸せを取り戻した。
このような作品が広く認知されるよう願う。

5歳のジャックのヒーローは「ドラゴンボール」の悟空。
弟の名前も悟空にしたがった。



パリ最大の観光名所の一つ、エッフェル塔建設の背景を描いた映画。


フランス革命100周年を記念して1889年に開催されるパリ万博。
そのシンボルとして建築作品のコンクールが行われた。
自由の女神像の骨組みの設計等で名声を高めつつあった
建築家ギュスターヴ・エッフェルは最初のうち参加を躊躇していたが、
友人の新聞記者アントワーヌの応援もあり、見事応募作が選ばれた。

着工当初、土台部分で困難に見舞われ、資金難に陥る。
アントワーヌの妻アドリエンヌは名家の令嬢で、
エッフェルと恋人同士だったが、親に反対され別れさせられた過去があった。
既に妻を亡くしていたエッフェルは、アドリエンヌとの再会に心が揺れ、
2人は密かに愛し合うようになる。
しかし、アントワーヌの知るところとなり、
アントワーヌはエッフェルの建築に不利な記事を書き、
エッフェルを破滅に追いやろうと画策する。
最終的に、不倫愛か塔の建設続行かを選ばせると、
アドリエンヌはエッフェルの成功の為に身を引き、結婚生活を続ける。

無事エッフェル塔が完成し、落成式を迎える。
アドリエンヌは賛辞を受けるエッフェルを見守り、そっと去って行く。


エッフェル塔というパリのシンボルを題材にしたのは、
パリ五輪にも合わせたのかな。

歴史ドラマかと思って観始めたけど、思ったより恋愛ドラマの分量多め。
フランスだし、そういう不倫愛にもロマンがあった時代なのかな。
この恋愛ドラマ部分は、果たしてどの程度事実に近いのか、見当がつかない。
ネットで検索すると、実際に若い頃恋人同士で、
アドリエンヌの両親から結婚を破棄された史実があるとか。
ついでに、エッフェルの息子がアドリエンヌの姪と結婚してるそうで、
そうなると、別れた後も連絡を取り合ったりしていたのかも?

主演はロマン・デュリス。
役柄上、濃い髭を蓄えている。
つい最近、デビュー作「青春シンドローム」を観たばかりで、
キュートな印象はそのままながら、やはり年月は経った。
顔に深い皺も刻まれ、大人の俳優の風格。

ネタバレ注意。


1、2話の進み方がゆっくりで、やや退屈な感じがしたけど、
3、4話の急展開との比較として有効だったのかな。

ベスは貧しい暮らしの出身。
母親はDV夫から逃げ出して、幼い娘のベスと共にキャンピングカー生活。
ベスが大人になって玉の輿婚してからは、母親は時々お金をせびりに来る。
不遇なだけで、悪い母親ではないんだけど、
セレブの仲間入りしたベスは、母親を隠そうとする。
でも、事件でマジ困ると、やっぱり頼るのは母親。
ちょっと切ない。

果たしてベスは玉の輿狙いでセックスクラブに行ったのか。
トム役の俳優が、ティム・ロス似で、
セレブ気取りの傲慢さはよく出てるけど、イマイチ物足りない。
で、一番犯人っぽいのはやっぱり犯人ではなくて、
ちょいちょい近くをウロつく友人アダムが怪しいと思ってたら、ズバリ。
ベスと結婚して、元のアダムの邸宅に住みたがったのは、
アダムを憎んでいたのではなく、憧れが募って、成り代わりたかったから。

地元警察の女性の部長刑事が怯まず丹念に捜査を続けたわけだけど、
最初のドラッグ売人男性は殺人は無実だったのに、
警官が撃ったテーザー銃が強力過ぎて、
意識失って転倒して、ボートの係留具か何かに頭ぶつけて死んじゃうし、
その後も粘って捜査続けて逮捕したトムも実は誤認逮捕。
刑事さん、優秀なんだか、無能なんだか。
冤罪2名。怖いね。
下手したらトムは死刑だよ。

ベスは、夫のトムを助けたら、元の生活に戻れて安泰な筈なんだけど、
散々浮気されて、憎しみが募ってたんだね。
見殺しにする事にした。
刑務所に面会に来た時、キャリアウーマン風の服装だったから、
今後はビジネス展開を目指すのかな。

ラストで、シーズン2に続きそうな流れ。
次は、トムからベスへの復讐か?
ベスの母親とかも、もっと絡んで来るのかな。
そうでなければ、出て来た意味が無いしね。

(完了。)