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マンガ家Mの日常
危うく見逃すところだった。

今までずっと、授賞式は字幕版による再放送で観ていた。
同時通訳の音声が原語と被って聴き苦しいので。
流石にまだ同時字幕ってとこまでは進化してないよね。
字幕版の方は、現地のCMをカットしてくれているから、その点でも観やすい。

ふと番組表を見ると、
NHKBSで生中継するとある。
え?
改めてWOWOWのプログラムガイドを確認すると、
字幕版をオンデマンドで配信するとなっている。
え?
TV枠での放送が無い!

NHKに横取りされたんだろうか。
酷い!

横取りするならするで、字幕版もスムーズに放送してくれなきゃ困る。
オンデマンドは観るのが面倒。
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英国ミステリードラマのミニシリーズ、全6話。


医師マシューは中国北京で開催された医学会に同僚と共に出席。
帰国前夜、中国人女性シェン・ジャオに誘われてクラブに遊びに行くと、
酒に薬物を混入され、酩酊。
更に、騒ぎに巻き込まれ、横腹を切られる。
逃げるようにしてクラブを出て、車を運転して帰る途中、事故る。

英国に帰国するも、シェン・ジャオ殺害容疑で空港で逮捕され、
同僚と共に北京へ戻る便に乗せられると、
機内で同僚が次々と殺害される。
マシューを護送する役目のロンドン警視庁刑事ハナは、
次第にマシューの無実を信じるようになり、協力して犯人を探し始める。
格納庫に潜んでいた暗殺犯と、その協力者の刑事を倒す。

ハナは警視庁の上司マデリンと連絡を密にして調査を進めると、
英国と中国との間で締結されようとしている原子力発電所建設との関連が浮上。
将軍の娘ジェン・シャオは、機密文書を英国人医師の誰かに渡したと見られ、
CIAとの関連も疑われる。

マシューは切られた横腹の傷の中に仕込まれていたメモリーカードに気づく。
そのメモリーカードには、
原子力発電所をハッキングする為のデータが入っていた。
データがCIAに奪われれば、アメリカによって原発事故を起こされかねない。
事件にはマデリンの愛人マクスウェルも関与していた。

旅客機の機長は当初マシューを疑っていたが、事件の詳細が分かるにつれ、
マシューとハナを信頼して、旅客機を英国に引き返させる。

英国に到着したマシューとハナはマデリンに保護される。
冷静に任務を遂行するマデリンは、マクスウェルの陰謀を暴く。


全体としては、まあまあ可も無く不可も無く。
主人公の医師マシューがやたらと熱血なのが微妙〜。
まぁ、ドラマだからね。
旅客機の内部が色々見れたのが興味深かった。

スパイものって、やっぱりちょっと苦手。
国際的陰謀の仕組みが分かり難い。
頭が悪いって言われればそれまでなんだけど、
ドラマのミスリードに流されて、主軸を見失ってしまう。
もう一度全体を俯瞰する感じで見直せば、面白さが伝わるかもしれない。




ノルウェーのサスペンスドラマのミニシリーズ、全8話。
WOWOWで放送されるViaplayのドラマを楽しみにしているが、
多発されると、やはり玉石混合になって来る。


ロビンはギャングの一員として麻薬密売に関わっていた兄マリウスに同行するが、
警察の摘発を受け、逮捕され、マリウスは射殺される。

6年後、仮釈放され、マリウスのギャング仲間達に会うと、
当時押収されたドラッグと大金が消えた事を知らされる。
警察内部の不正を疑い、事件の担当警察官らを調べ始めると、
地元の開発業者との癒着等が次々と明らかになって来る。
貧困地域で犯罪が増加すると、土地の値段が下がる。
そこで警察が取り締まりを強化して、犯罪を撲滅し、
安全になったところで、まだ価格が安い土地を業者が買い上げる。
地域を移動するようにして、次々と土地の買収を進めていた。

一方で、マリウスは実は警察側のスパイだった可能性も浮上し、
その為、ボスのペーテルに射殺されたとわかる。

ロビンはギャング仲間達と警察の不正の調査を進めつつも、
将来を考えて、大物弁護士である父の事務所で下働きを始める。
父親も警察と癒着しており、ロビン自身も警察のスパイになるよう要請される。

マリウスの元恋人エリカは、ロビンの両親の関与の実態を暴く。
既に離婚していた母親は、罪の意識に耐えきれず告発しようとしたところ、
警察関係者に毒殺される。
母親を殺されたと知ったロビンは、父親と警察長官に証拠を突きつけ、
警察長官辞任に追い込む。
父親はロビンに事務所のパートナーの座を譲り、服毒自殺する。


イマイチ、スッキリしない展開。
無駄が多くて、話の主軸がブレている。
主人公のロビンが魅力に欠け、何をしたいのかもハッキリしない。
そして、主要な登場人物がサラッと殺害されたり自殺したり。

邦題の「ボーダーライン」「正義の悪党」という表現で、
「どっちが良い人?悪い人?」的な単純な括りでは語れないとしたのだろうけど、
それにしても、エンタメとしてスッキリしなさ過ぎる。

国によって法律は違うのだろうけど、
犯罪歴があっても弁護士になれるのかな?
刑務所で勉強したと言っても、実務経験が全く無いロビンが
いきなりパートナーにされちゃって、大丈夫なの?



ウディ・アレン監督・脚本のロマコメ映画。


大学の映画学教授モートは、小説の執筆に行き詰まっていた。

映画会社の広報担当である妻スーに付き添って、
スペイン、サン・セバスチャン国際映画祭にやって来る。
スーは担当する若手有望映画監督フィリップと終始ベタベタしている。
フィリップは数々の映画賞に輝くが、
クラシック映画に造詣が深いモートの目には軽薄に写る。

スーとフィリップの中が深まるのを見て、体調を崩したモートは、
友人達に地元の医師を紹介してもらい、診察を受けに行く。
ジョーという名前から、男性だと思っていた医師は、若い美女だった。
モートはジョーに夢中になり、その後は仮病を使って会いに行く。

ジョーは画家である夫の浮気に悩まされていたが、離婚には至らず。
モートはNYに来るよう誘うが、断られる。
一方、スーはフィリップと真剣交際に至り、離婚を切り出す。

モートは結婚も恋も失ったが、我が身を見つめ直せたとしてNYに帰る。


映画通でスノッブで、実は恋愛体質という、貧弱な体型の初老の男性は、
まさしくウディ・アレンの分身。
初期のウディ・アレン作品から、脇を固める役として出演している
ウォーレス・ショーンが演じている。
2020年の公開当時、ショーンは70代後半、ウディ・アレンは80代半ば。
立派な後期高齢者だけど、仕事に恋愛に、熱い。

いつものウディ・アレン節。
驚きは薄いけれど、安定感がある。
敬愛するクラシックの巨匠監督達へのオマージュとして、
モートが映画の一場面に溶け込むような幻想を見る。
フェリーニ、ゴダール、ブニュエル、ベルイマン等々。
映画通のウディ・アレン作品ファンにはたまらない仕掛け。

ウディ・アレン、現在89歳。
クリント・イーストウッドに次ぐ高齢監督?
元気だなぁ。
興行成績とか評価とか、面倒な事は気にせず、好きに撮って欲しい。
でも、そういう事を気にしているからこそ、勢力的に映画作りが出来るのかな。
もう1本、日本未公開の作品が控えている。

ウディ・アレンの映画が観られない人生は寂しい。

ジェーン・バーキン主演の恋愛映画。
監督は当時のパートナーのセルジュ・ゲンズブール。


クラスキーとパドヴァンは産業廃棄物運搬処理の仕事で転々としている。
立ち寄ったカフェバーで、クラスキーはバーテンをナンパしようと声をかけるが、
振り向くと、ショートヘアでスレンダーな女性ジョニーだった。
ジョニーは若くてイケメンのクラスキーに一目惚れして夢中になるが、
実は、クラスキーとパドヴァンはゲイカップルだった。
魅力的なジョニーに惹かれてクラスキーはデートを重ねるが、
本質的にゲイなので、ジョニーの身体を受け付けない。
ジョニーは自分を男性として扱うよう求めて性行為するが、正直痛くてたまらない。

パドヴァンはゲイを毛嫌いする若い男性達にボコられる。
クラスキーとの仲も不安定になり、
嫉妬に狂ったパドヴァンはジョニーを窒息死させようとする。
危ういところでクラスキーが現れ、ジョニーは助かるが、
クラスキーが真のパートナーとして選んだのはパドヴァンだった。
2人はジョニーを置いて町を去る。

「ジュ・テーム(愛してる)」
「モワ・ノン・プリュ(自分は全然そうじゃない)」


1976年の作品。
今からほぼ半世紀前。
元はゲンズブールが不倫関係にあったブリジット・バルドーの為に書いた歌で、
かなり強烈なエロティックな内容だったらしい。
その後、ゲンズブールはジェーン・バーキンと付き合うようになって、
2人のデュエットで発表されたとある。
映画のストーリーは歌とは別物なのかな。

何れにしても、歌同様、映画もかなりの問題作。
当時のフランスで、同性愛カップルがどう見られていたのかはわからないけど、
クラスキーがポーランド人、パドヴァンがイタリア人という設定で、
フランス人男性ではなかったところに、批判を避ける意図が見えるような。
とは言え、
直後に大作「1900年」の主演を控えたジェラール・ドパルデューが
ゲイの青年として登場するあたり、やはり色々勝負をかけてたんだろうな。

ジェーン・バーキンが一糸纒わぬ姿で性行為のシーンを演じている。
単純に考えると、
自分のパートナーにそこまで演じさせたいか、とも思うけど、
互いに信頼出来るパートナーで、作品に対する信念を共有出来たからこそ、
撮影に取り組めたのだろう。

何にせよ、これが半世紀前の作品というのが衝撃。
むしろ、70年代のヒッピーカルチャーの時代だったから実現したのかな。

時代は進行しているようでいて、後退もしている。