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マンガ家Mの日常
北欧の俳優に馴染みが薄くて、あまり知らないのだけど、
レベルの高に作品には、やはりレベルの高い俳優が出演している。

ニッキー役のエスベン・スメド。

童顔なので、もっと若いかと思っていたら、
シーズン1の撮影時で既に30代に入っている。
今作で、デンマーク国内の映画賞を受賞している。
1、2で、不良青年が組織の下っ端として働かされてる様子だったのが、
3では、密売組織の大物にのし上がっていた設定で、
役柄の若者ニッキーの成長と共に、
エスベン・スメド本人も俳優として成長して行った。

アルフ同様、困難な状況下で、哀愁を滲ませる。
貧しい出身ながらも機知に富んだ青年で、学ぶ事の重要さを知っている。
資金洗浄で能力を示したアナには、褒賞も忘れない。
身体のあちこちに刻んだタトゥーを全部消したのは、
タトゥーによる身バレを防ぐだけではなく、
昆虫が脱皮して成虫になるような、気持ちの生まれ変わりも表している。
密売組織で地位を固め、大金を掴むが、
それと相反するように、ささやかな家庭は崩壊していく。
ニッキーの成長について行けなくなった妻の転落や、
相棒の筈だったララの突然の裏切りに翻弄される。
犯罪の世界での成功は、孤独で脆い。

デンマーク本国では順調にキャリアを積んで行っているようだけど、
如何せん、情報が少ない。
もっと出演作を観てみたい。
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シーズン1、2で、主要キャラクターが去り、3はどうなるのか?
すると、「対組織犯罪特殊部隊」という、物々しいタイトルに変更。
アクションものになるのかと思っていたら、重厚な人間ドラマだった。

1、2も良かったけど、
3は、viaplay作品の中でも、傑作と言える。


1、2で、感情的なマッツの補佐役だった冷静なアルフが、
瀕死の重傷を負ったトラウマから立ち直れず、薬と不倫に没入。
不倫相手は、上司に当たる女性で、アルフよりも年上のように見える。
傷ついた心を癒して貰える、母性としての意味合いも強かった。
でも、なんだかね、
年上男がやたらと若い女性と関係を持ちたがる、日本やアメリカと違って、
キャリアのある女性が尊ばれるのは、見ていて安心感がある。
不倫なんで、アルフが彼女に夢中になっても、思い通りには進まない。
孤独に陥り、嘆く姿が、極上の艶めかしさを発している。

アルフ役のトーマス・フアンは、元は韓国人で、
幼い頃、デンマーク人家庭に養子として引き取られたらしい。
詳細な経緯はわからなけど、
北欧では昔から他の人種の子供達を積極的に養子に迎え入れている。
デンマーク人俳優達の中で、アジアのエキゾチックな顔立ちと複雑な表情が、
ドラマに奥行きを与えている。

人生をボロボロにして、何とか事件解決に至ったものの、
政府は、サクッと大麻を合法化。
部隊による今までの必死の取り締まりは何だったのか。
生活感の無い荒んだ自室で、1人でベッドに寝転がるアルフの失望が滲む。

(続く。)

ネタバレ注意


ストーリーの続き。

警察の長官がアルフに接近し、マルコの組織の摘発を辞めるよう促す。
麻薬密売組織がマルコの組織1つに限定されれば、
組織同士の暴力的な抗争が無くなるという説明だったが、
裏で長官はマルコの組織と結託していた。
摘発を続けようとするアルフに対して、ドラッグ購入と不倫ネタで脅す。
停職処分になったアルフは単独で捜査を続け、組織に迫ると、
上司から一時的に復職の許可が下りる。
街灯の監視カメラを丹念に見て、ニッキーがマルコであると気づく。

アルフ達は組織の資金の流れを掴み、口座を凍結させる。
焦った密売組織はアナに何とかするよう迫る。
アナは新米支店長に口座開設の片棒を担がせ、脅していたが、
警察の追求に恐れをなした支店長は、自首して、アナを解雇しようとした。
銀行にいられなくなると、資金洗浄が出来なくなる。
アナは深夜、支店長を襲って、意識不明の状態に陥らせる。
アルフ達はアナにも目を付けていたが、追求しきれない。

ニッキーは手下のララに組織を譲る準備を進めていたが、
密売相手の部下がボスを殺害して組織を乗っ取ると、ララをそそのかし、
不満が蓄積していたララはニッキーを刺し殺そうとする。
瀕死の状態で恋人に助けを求めたニッキーは、病院で手術を受け、
一命を取り留めた後、ミラスを連れてスペインへ逃亡するべく病院を抜け出す。
しかし、自分の状況を振り返り、逃亡を諦め、
ミラスを里親の元に返し、アルフの自宅を訪れて自首を申し出る。

ニッキーの証言から、アルフは長官が組織に関与している証拠を掴む。
ニッキーは組織に拉致されるが、無事救出される。

その後、

ニッキーは警察車両で移送中に、接近して来たバイクの同乗者に射殺される。

意識不明の支店長の病室に見舞いに行ったアナは、深く反省し、
処分を覚悟して本社に出向いて事の次第を告白するが、
逆に、資金洗浄を防ぐ部門のトップとして、本社勤務へと出世する。
(銀行の落ち度を世間から隠す為?)

デンマークでは大麻が合法化されるというニュースがTVで流れている。
アルフは荒れた自室でTVを眺める。

(感想は後日。)

デンマークの金融サスペンスドラマのミニシリーズ、第3シーズン。
1、2シーズンの中心キャラクターだったマッツとクラウディアが退き、
アルフとニッキーを主軸にドラマが展開される。


アルフは、第2シーズンで撃たれて瀕死の状態に陥った体験から、
精神的なトラウマによる不眠と、鎮痛剤の依存症に陥り、
さらに、法務部のイーサと不倫関係にハマっていた。
詐欺対策班から対組織犯罪特殊部隊に転属され、
新しい同僚との信頼関係の構築に悩まされる中、
麻薬密輸組織摘発のリーダーに指名される。

スペインに逃亡していたニッキーは、組織の中で地位を築く。
ボスのマルコからデンマークの市場を任され、一時帰国。
ビジネススクールに通って経済の基礎を学びつつ、市場拡大を狙う。
大掛かりな資金洗浄が必要になり、銀行員アナと手を組む。

ベテラン銀行員アナは、申し分ない成績を上げながらも、
同僚男性や若い美人に昇進の機会を奪われ続け、自暴自棄になっていた。
結婚生活でも、夫セーアンからの関心が薄れて、孤独な状況。
ところが、セーアンの事業の問題から、資金洗浄に手を出してしまうと、
事業相手から次々と資金洗浄の仕事を紹介され、深みにはまる。

ニッキーは逃亡前に、妻のリーナに大金を渡して、
息子のミラスと十分な生活が出来るよう取り計らっていた筈だったが、
大金に恐れをなしたリーナは、全額警察に提出してしまった。
生活が苦しくなり、頼れる夫のいない心労から精神的に不安定になり、
ミラスは叔父叔母夫妻に里子に出していた。
里子の剣を知らされたニッキーは夫妻に会い、ミラスの引き取りを申し出て、
福祉の担当者の指示に従って手続きを進める。
ミラスとの落ち着いた生活を希望して、組織犯罪から抜ける決意をする。

(続く。)

ネタバレ注意。


ベン・アフレック主演のSFサスペンス映画。


数年前、ローク刑事の幼い娘ミニーが誘拐された。
犯人は逮捕されたが、何故か犯行の記憶が全く無く、
ミニーは行方不明のまま。

現場復帰したロークは今から銀行強盗が発生するという匿名の通報を受け取る。
現場付近を監視していると、見覚えのある男がいて、
その男デルレーンは、警備員達に瞬間催眠術をかけて銀行に押し入る。
ロークは先に銀行の貸金庫に入り、デルレーンが狙っていた貸金庫を開けると、
「レブ・出るレーンを見つけろ」と走り書きされたミニーの写真が入っていた。

ロークは匿名の通報者を訪ね当てると、催眠術師ダイアナに出会い、
ある組織について知らされる。
強力な催眠術の力を持った超能力者を集め、軍事利用を図る。
彼らは「構築現実」を作り出し、人々を自由に操る。
ダイアナはその能力者の1人で、デルレーンは最強と言われている。
ミニーもまた最強レベルの能力者で、組織はミニーを捕まえようとしていた。

ロークとダイアナは協力してミニーを探すが、組織に狙われ、
デルレーンが作り出す「構築現実」の世界に囚われていく。

次第に明らかにされる仕掛け。

ロークもまた能力者で、ダイアナと夫婦だった。
軍事利用されるようになるミニーを組織から守るべく、
ロークがダイアナにも「構築現実」を仕掛けていたのだった。
ミニーが成長して自己判断出来るようになるまで祖父母の家に預け、
組織の能力者全員がミニーを捕まえに集合したところで、
ロークが仕掛けた「構築現実」で一網打尽にし、組織を潰すのが目的だった。
ロークとミニーの力によって、能力者達は互いに撃ち合い、自滅する。

無事揃った家族でヘリコプターに乗り込み、その場を離れるが、
祖父だけが後始末の為にその場に残る。
しかし...、その祖父はデルレーンが姿を移し替えたものだった。


最初、サスペンス映画だと思って見始めたら、
強力な催眠術の話になって、
実は、ほぼ超能力者が戦うSF映画だった。

「構築現実」の設定は「インセプション」みたいで、それなりに興味深いけど、
あれもこれも超能力となると、逆に収まりがつかなくて、
ご都合主義と思えなくもない。
その辺、賛否両論あるだろうな。