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マンガ家Mの日常
イタリアの実話を基にしたヒューマンドラマ映画。


イタリアの小都市。
2人の姉を持つ5歳の少年ジャックは、両親から弟が出来ると聞いて大喜び。
生まれて来る子供がダウン症だとわかると、
両親はジャックに、弟は特別な子供だと伝える。
アニメのスーパーヒーローのような弟を期待したジャックだったが、
弟ジョーが生まれると、期待はしぼみ、世話も面倒に感じるようになる。

高校入学時、同級生のアリアンナに一目惚れして、接近を試みる。
社会活動に熱心な快活な少女で、すぐに仲良くなるが、
ジャックは弟についてクラスでも公言出来ず、死んだと嘘をついてしまう。
幼馴染の友人ヴィットーリオは困惑して距離を取るようになる。

アリアンナがバンドをやってる上級生に憧れているらしいと知ると、
実際にバンド活動をしている叔母にファッション等のレクチャーを受け、
欠員補充のドラマーとして上級生のバンドの仲間入りを果たす。

幼い頃から音楽好きのジョーはスマホで動画投稿を始めると、
少しずつ視聴者が増える。
SNSで弟についての嘘が知られるのを恐れたジャックは、動画を削除。
更には、ネオナチを騙って、動画をやめるよう脅迫文を届ける。

両親はジョーの為に奮起して、デモを企画。
そこにアリアンナも加わる。
事態が大きくなって焦ったジャックは、デモの場で真実を告白するが、
アリアンナを含め、あらゆる人達から軽蔑され、皆遠ざかって行く。

自己嫌悪に陥るジャックだったが、
兄を慕うジョーの屈託のない笑顔に慰められる。
家族と話し合いを重ねて自分の考え方を探り、
ヴィットーリオやアリアンナとも少しずつ信頼関係を再構築して行く。

その後、兄弟で撮影した動画がバズり、広く知られるところとなる。


時代が変わって障がい者への理解が進みつつあるとは言え、依然偏見も多い。
地元から少し離れた地域で高校デビューして、
素敵な子をガールフレンドにしたいと願ってる、
どこにでもいるティーンエイジャー。
気の迷いで弟について嘘をついたとしても、責められるだろうか。
個人的経験から言うと、(ダウン症ではないが)
フィリップや、他の友人でも、自閉症の子供がいる家庭は、まず隠したがった。
遺伝の問題もあり、結婚に支障が出るケースもある。

ジャックの場合は、嘘の積み重ねがマズかった。
小さくても嘘を通し続けようとすると、嘘に嘘の塗り重ねとなって、
いずれ破綻する。
1番の親友ヴィットーリオによく相談すれば良かったのかも。
他の人達は、よその家庭に障がい者がいても、そんなに気にしない。
14、5歳という多感な時期故の失敗。
苦しかっただろう。
障がい者へのケアとともに、障がい者家族へのケアも重要。
同年代で正義感が強いアリアンナは露骨にジャックを責めるが、
それも幼い反応であるように思える。

実際の家族同様、映画でも、最後は無事に幸せを取り戻した。
このような作品が広く認知されるよう願う。

5歳のジャックのヒーローは「ドラゴンボール」の悟空。
弟の名前も悟空にしたがった。


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