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マンガ家Mの日常
白土三平先生、誤嚥性肺炎で逝去された。
89歳。

江戸時代、非人として生まれ、忍者になった少年カムイを通して、
壮絶な農民一揆を描いた大作「カムイ伝」が心に残る。

子供の頃、TVアニメの「カムイ外伝」から入り、
その後文庫版で「カムイ外伝」を読む。
昭和の戦後のマンガのヒーローの1人として、貧しさに抗い、孤独の中で彷徨する。

中高生の頃は限られたお小遣いで細々とマンガを買い集めていたので、
多くは買えず、「カムイ伝」は中学時代に友人から借りて読んだ。
こちらは長期に渡って執筆された作品で、絵柄が次第に重くなり、
ストーリーも凄みを増していった。
当時はまだ内容を受け止めきれず、
一揆を起こした農民達が捕らえられ、残忍な仕打ちを受けるシーンばかりが
印象に刻まれている。
高度経済成長を経て、豊かさを享受し始めた時代に生まれ育った身には、
過ぎ去った時代の話としてしか捉えられなかったのだろう。
今読み直せれば、違う印象を抱くかもしれない。

亡くなられる間際まで、「カムイ伝」の先の構想を練っておられたとか。

ご冥福をお祈りします。
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バンクシー作「風船と少女」

オークション会場で競り落とされた瞬間に、
額縁に仕掛けられていたシュレッダーが作動し、絵の下半分が切り刻まれた。
裁断が途中になったのは、シュレッダーの故障。

その作品の落札価格はおよそ1億5千万円。

それが、タイトルも新たにオークションにかけられ、29億円で落札された。

何だか馬鹿馬鹿しい。
所詮、ステンシルでしょ。

落札者は、美術の歴史の一部としての価値を見たのだろうけど、
こんな物、安い手品でしかない。

バンクシーという虚構に、何を求めるのか。

ネットニュースで、増山法恵氏の訃報を知る。

竹宮惠子先生による通達の形となった。


かねてより、喘息等の複数の持病を抱えて療養中で、
状態は安定していた筈が、6月30日に突然亡くなられた。
訃報が自然に伝わるのを望んでいたが、
竹宮先生のところに頻繁に問い合わせがあり、
タイミングを計って、竹宮先生からの発表となった。

短い記事だったので、それ以上の詳細は分からない。


何とも言い難いけれど、

竹宮先生としては、この数年間の増山氏の容態を見て、この日を予期し、
増山氏の心残りを少しでも軽減させようと、若き日の問題を見つめ直し、
今作を手がけたのではなかろうか。

願いが叶ったとは言えない運びになってしまい、残念だったけど、
それも一つの区切りなのかもしれない。


ご冥福をお祈りします。


巨星堕つ。
  
84歳、膵臓がん。

「ゴルゴ13」は、さいとう先生の遺志もあって、
ご本人抜きで、現在の分業体制により継続されるとの事。



個人的には…、

「ゴルゴ13」に限らず、
作者が亡くなられて、スタッフによる継続となると、
作品がマニュアルになってしまい、
進化も変化もしなくなる(出来なくなる)ので、
作品は作者と共に完了とするのが妥当なように思える。

スタッフのお給料の事とかあって、
継続せざるを得ない事情もあるんだろうな。



麻生太郎さん、
総裁選で超多忙とは思われるけど、
追悼を伝えられるのかな。

先日の佐伯先生の訃報で、
共通の知り合いである先輩のマンガ家さんにメールしてみた。
その方とは毎年の年賀状のやり取りはしているが、
もう10年以上、直接の連絡は取っていなかった。
メルアドが変更になってはいないかと危惧しつつ、メールしてみると、
ちゃんと送信されたようだった。
翌日には返信をいただいた。

ご家族の事情で、地元に帰っておられたが、
メールの文明は、当時の朗らかなお人柄のままだった。

葬儀のように、誰かの死が、人の再会を促す。