時間節約、経費節約、等々の事情から、
背景を描く(主にアシスタントさんに頼む)場合、
写真のトレースやコピーの貼り付け等は行っていたので、
今更デジタル背景にどうこう言える立場でもないかもしれないのだけど。
結局のところ、デジタルというツールをどう使いこなすか、による。
コロナ禍でのリモートワーク。
加工、修正のし易さ。
これらの点においては圧倒的優位性を発揮する。
問題なのは、
安易な写真の流用。
写真をペン画に変換するアプリもあるとか?
そうなると、緻密な背景も大幅に時間短縮できる。
ただし、その場合おそらく、
著作権が指定されている素材の無断使用も増えるだろう。
ベテランの劇画作家さん達は、デジタル以前から、
写真を利用しての画面作りが行われていた。
劇画という性質上、よりリアルな画面が求められるので、
まず資料として多くの写真が集められ、忠実に再現されるようになった。
しかし、以前にも書いた記憶があるが、
写真はカメラのレンズを通して映し出されたものなので、
そのままマンガの画面にすると、人間の目で見ると歪んで見える。
なので、私個人としては、そのような写真の使用を良しとしない。
加えて、やはり、緻密に描けるだけに、画面がうるさくなりがち。
デジタルは「絵画」ではなく、「記号」だと感じる所以。
(続く。)
背景を描く(主にアシスタントさんに頼む)場合、
写真のトレースやコピーの貼り付け等は行っていたので、
今更デジタル背景にどうこう言える立場でもないかもしれないのだけど。
結局のところ、デジタルというツールをどう使いこなすか、による。
コロナ禍でのリモートワーク。
加工、修正のし易さ。
これらの点においては圧倒的優位性を発揮する。
問題なのは、
安易な写真の流用。
写真をペン画に変換するアプリもあるとか?
そうなると、緻密な背景も大幅に時間短縮できる。
ただし、その場合おそらく、
著作権が指定されている素材の無断使用も増えるだろう。
ベテランの劇画作家さん達は、デジタル以前から、
写真を利用しての画面作りが行われていた。
劇画という性質上、よりリアルな画面が求められるので、
まず資料として多くの写真が集められ、忠実に再現されるようになった。
しかし、以前にも書いた記憶があるが、
写真はカメラのレンズを通して映し出されたものなので、
そのままマンガの画面にすると、人間の目で見ると歪んで見える。
なので、私個人としては、そのような写真の使用を良しとしない。
加えて、やはり、緻密に描けるだけに、画面がうるさくなりがち。
デジタルは「絵画」ではなく、「記号」だと感じる所以。
(続く。)
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あくまでも、私個人の感覚。
...ではあるけど、
絵画とマンガの世界で生きてきた、本職の見方として。
それは、大元を手繰れば、
マンガ作品の定義にも関わる事なのだけど。
果たして、
デジタル背景は是か非か。
昔からよく言われてきた事で、
マンガと小説の違いとか、漫画と映画の違いとか。
結局は、
表現したい事、読者や視聴者に伝えたい事、
そういう本筋がしっかりしていれば、
あとは表現形式の違いに過ぎない。
だったら、
ツールは何だって構わない。
でも、本当にそうだろうか?
栄養さえ摂れれば、謎肉でも良いのか?
可愛らしくて、一緒にいてくれれば、ペットはロボットで良いのか?
遺跡も絵画も、ヴァーチャルで体験したと言えるのか?
食べ物の食感、生きていた動植物との生命の交感。
ペットの存在感、世話の煩わしさと命の尊さ。
歴史の欠片の中に立つ実感。
そうした重みが、
生原稿とデジタルでは、
まだ数段階の溝がある。
「まだ」と書いたのは、
いつかはその溝が埋まる時が来るかもしれないから。
でも、
やっぱり違う。
(続く。)
...ではあるけど、
絵画とマンガの世界で生きてきた、本職の見方として。
それは、大元を手繰れば、
マンガ作品の定義にも関わる事なのだけど。
果たして、
デジタル背景は是か非か。
昔からよく言われてきた事で、
マンガと小説の違いとか、漫画と映画の違いとか。
結局は、
表現したい事、読者や視聴者に伝えたい事、
そういう本筋がしっかりしていれば、
あとは表現形式の違いに過ぎない。
だったら、
ツールは何だって構わない。
でも、本当にそうだろうか?
栄養さえ摂れれば、謎肉でも良いのか?
可愛らしくて、一緒にいてくれれば、ペットはロボットで良いのか?
遺跡も絵画も、ヴァーチャルで体験したと言えるのか?
食べ物の食感、生きていた動植物との生命の交感。
ペットの存在感、世話の煩わしさと命の尊さ。
歴史の欠片の中に立つ実感。
そうした重みが、
生原稿とデジタルでは、
まだ数段階の溝がある。
「まだ」と書いたのは、
いつかはその溝が埋まる時が来るかもしれないから。
でも、
やっぱり違う。
(続く。)
記事を書くタイミングを逸していた。
先月(おそらく)、マツコさんの番組に、
マンガ背景のベテランアシスタントさんが出演するとあったので、
録画して見てみた。
元はマンガ家志望だったのだけど、鳴かず飛ばず。
あちこちの先生方でアシスタントをする中で、ある先生から
「君の描く背景には個性が無い。」といったような事を言われ、
逆に、だったらどの先生の作品にでも合わせられる、と奮起し、プロアシの道を選択。
名だたる人気マンガ家さん達に重宝され、高収入をゲット。
番組内では、作画の様子と共に、昨今のデジタル背景についても語っておられた。
コロナ禍でのリモートワークの問題の他に、経費縮小の大命題もあって、
特に若い世代はデジタル化が加速している。
それは時代の趨勢で、仕方ない事だと思う。
「仕方ない事」と、どちらかと言えばネガティブな言い回しで書いてしまったのは、
あくまで私個人の感覚なのだけど、
デジタル主体の作画を、どうしても好ましく思えない。
それは、ペンによる原画の美しさをどこまで認識しているかという事でもある。
描き手も、読者も。
(続く。)
先月(おそらく)、マツコさんの番組に、
マンガ背景のベテランアシスタントさんが出演するとあったので、
録画して見てみた。
元はマンガ家志望だったのだけど、鳴かず飛ばず。
あちこちの先生方でアシスタントをする中で、ある先生から
「君の描く背景には個性が無い。」といったような事を言われ、
逆に、だったらどの先生の作品にでも合わせられる、と奮起し、プロアシの道を選択。
名だたる人気マンガ家さん達に重宝され、高収入をゲット。
番組内では、作画の様子と共に、昨今のデジタル背景についても語っておられた。
コロナ禍でのリモートワークの問題の他に、経費縮小の大命題もあって、
特に若い世代はデジタル化が加速している。
それは時代の趨勢で、仕方ない事だと思う。
「仕方ない事」と、どちらかと言えばネガティブな言い回しで書いてしまったのは、
あくまで私個人の感覚なのだけど、
デジタル主体の作画を、どうしても好ましく思えない。
それは、ペンによる原画の美しさをどこまで認識しているかという事でもある。
描き手も、読者も。
(続く。)
今に始まった事ではなくて。
ネットニュースの狭間に見かける様々なマンガの断片。
おそらく皆さんも目にされた事があるであろう、
自サバ女を主人公にしたオフィス・ストーリー。
こんなに長い間バナーで出て来るというのは、出版社も余程力を入れているのだろう。
男勝りでサバサバした性格だと自負している女性会社員が、
空気を読まず、周囲との軋轢も意に介さない。
鬱陶しく見える時もあれば、小気味良く見える時もある。
主人公は自分を「男脳」だと思っている。
しかし!
そこが根本的に間違っている。
「男」は決してサバサバとなんてしていない。
むしろ、おしゃべりでネチッこく、嫉妬深い。
それは会社での争いの様に現れている。
シェークスピアの「オセロー」然り。
サバサバしてるかどうかも、
性差ではなく、個人差。
ネットニュースの狭間に見かける様々なマンガの断片。
おそらく皆さんも目にされた事があるであろう、
自サバ女を主人公にしたオフィス・ストーリー。
こんなに長い間バナーで出て来るというのは、出版社も余程力を入れているのだろう。
男勝りでサバサバした性格だと自負している女性会社員が、
空気を読まず、周囲との軋轢も意に介さない。
鬱陶しく見える時もあれば、小気味良く見える時もある。
主人公は自分を「男脳」だと思っている。
しかし!
そこが根本的に間違っている。
「男」は決してサバサバとなんてしていない。
むしろ、おしゃべりでネチッこく、嫉妬深い。
それは会社での争いの様に現れている。
シェークスピアの「オセロー」然り。
サバサバしてるかどうかも、
性差ではなく、個人差。
コーヒーとかチョコレートの話ではなくて、
カカオトークとかを配信している韓国のメッセージアプリ会社。
日本で展開しているカカオピッコマとか、マンガアプリの会社が上場するとか。
その昔、出版社というのは、言論の自由を守る為に、株式公開しなかった。
大株主とかからあれやこれや指図されないようにね。
でも、メディアミックスとかが進んだ頃、株式公開するようになって来ていたのかな。
出版不況と言われて久しく、色々な雑誌が廃刊になり、
メジャー誌もガクッと部数を落とし続けて来ていた。
ところが、デジタル配信が進んで、デジタル版が紙ベースを追い越しつつあり、
ここに来て新たなマンガブーム到来。
で、カカオの上場と繋がる。
既存の出版社でも、コミックの範囲を広げて、事業を拡大するとか。
そういうのはマンガ家にとっても嬉しい話のようではあるけど…。
どうも、
マンガが好きなのではなく、
お金が好きなのかなと思えて仕方ない。
ウェブトゥーンとかも…
見てガッカリするようなレベルだったり…。
マンガも多様化していってるのは確か。
そのうち厳選され、淘汰されていくだろう。
カカオトークとかを配信している韓国のメッセージアプリ会社。
日本で展開しているカカオピッコマとか、マンガアプリの会社が上場するとか。
その昔、出版社というのは、言論の自由を守る為に、株式公開しなかった。
大株主とかからあれやこれや指図されないようにね。
でも、メディアミックスとかが進んだ頃、株式公開するようになって来ていたのかな。
出版不況と言われて久しく、色々な雑誌が廃刊になり、
メジャー誌もガクッと部数を落とし続けて来ていた。
ところが、デジタル配信が進んで、デジタル版が紙ベースを追い越しつつあり、
ここに来て新たなマンガブーム到来。
で、カカオの上場と繋がる。
既存の出版社でも、コミックの範囲を広げて、事業を拡大するとか。
そういうのはマンガ家にとっても嬉しい話のようではあるけど…。
どうも、
マンガが好きなのではなく、
お金が好きなのかなと思えて仕方ない。
ウェブトゥーンとかも…
見てガッカリするようなレベルだったり…。
マンガも多様化していってるのは確か。
そのうち厳選され、淘汰されていくだろう。