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マンガ家Mの日常
マッシュルームと合い挽き肉が安かったので、ミートソースの作り置きをする。
何も考えずにサクッと作れるのが良い。
冷ましてから、小分けにして冷凍。

トマトソースも、安いトマト缶を使う。
簡単にゆすいだけど、トマトの汚れはシツコイので、スポンジで洗う。
缶の中にスポンジを入れて回すように拭き取った時、小指に違和感を覚えた。
缶の切り口に指が当たった。
あまり深く気にせず、もう一度、今度はちょっと気をつけてスポンジを回したが、
今度は薬指に違和感。
まずいのかなと思って手を出したら、指から血が出ていた。
そんなに痛いと思わなかったのに、両方の指の付け根近くが数mm切れていた。

痛みを感じなかったのは、神経が鈍ってきたからなのだろうか。ヤバイ。
手塚治虫先生の名作「どろろ」を思い出す。
身体を悪鬼に奪われた百鬼丸は、痛みを感じない。
しかし、痛みを感じないという事は、
傷を負ってヤバイ状態だとしても気付かず、生命の危険に繋がる。
医師免許を持つ手塚治虫先生らしい作品のエピソード。

とりあえず、絆創膏を巻いて、夜、シャワーの後で外したら、まあまあ治っていた。
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近所のスーパーでキュウリの特売。
半値くらい。
行かねば。

昼過ぎに行くと、売り場のキュウリの箱はやや荒れている。
既に大勢が漁った後。
少しでも新鮮なキュウリを吟味せねばと、
スーパーのカゴを足元に置いて、ビニール袋片手に箱を覗く。
その瞬間、後から来た女性客に声をかけられた。
「キュウリを買うから、カゴをどかして下さい。」

えっ?
私、今来たばかりだし。
カゴを足元に置いてあっても、横から十分箱に手が届くでしょ。
要は、その方も、箱の前に陣取ってキュウリを吟味したいのだ。
でも、私が邪魔だから、どいて欲しいと。
慌てて「私もキュウリ買うんですけど。」と、それだけ返した。

女性は大きなマスクで顔を覆っていたから、はっきりとはわからなかったけど、
どうも知り合いの方のように見えた。
私が普段とはちょっと違うワンピースを着ていたから、
その女性も、私だとわからなかったのかもしれない。

それにしても、いきなり他人に、上から叩きつけるような物言いをするものだろうか。

私が知っている人だとして、勿論、悪い人ではない。
でも、どこか独善的な態度は、他の人からも時々嫌がられていた。

デザインの仕事で成功して、それなりの年齢になって、引退。
色々な悩みを抱える中、近所の教会に出向いて、信仰に目覚め、
社会人学習で大学に通い、神学を学び、牧師の資格を取ろうとしていた。
ところが、大学内で教授連からいじめのような対応を受け、裁判に発展していた。
その後の事はまだ聞いていない。

ただ、ご本人が「いじめ」だと思っていても、
これまでや、今回の態度を見ると、相手方にも言い分があるだろうと思われる。

まぁ、チラホラとそういう人はいるのだけど、
街中で偶然会って立ち話をすると、もう、ご自身の事ばかり延々と話し続ける。
こちらに「最近どう?」なんて、ひと言も尋ねやしない。
自分にしか関心が無い。
そういう人が、果たして牧師としての適正を備えているだろうか。
人を助ける手助けをするのが牧師の役目の筈。
特売のキュウリも、先に来た客が買うのをちょっと待てば良いだけの事なのに、
それが出来ない。
だから、嫌われる。
仕事で成功したのは、妥協が無いからだろうけど、
人付き合いは、妥協も譲歩も必要。

たかがキュウリ、
されどキュウリの出来事。

続けて、アキ・カウリスマキ監督作品。
不況に苦しむ中年男女の設定が「枯れ葉」と少し被る。


レストランの給仕長イロナと市電運転手ラウリ夫婦は、時同じくして失職。
不況で再就職しても、二転三転。
イロナが働き始めた安食堂は税務調査が入って、給料未払いのまま終わる。
ラウリは運転手として再就職出来そうだったが、
寸前で耳の障害が見つかって、不採用となってしまう。
生活の支払いも滞るようになり、家財を差し押さえられる。

かつての同僚からレストラン開業を勧められるが、銀行から融資を断られ、
計画頓挫しそうになった時、偶然美容院でレストランの元オーナーと再会し、
融資してもらえる事になった。
イロナは元同僚達を呼び集め、開業。
無事、客が集まって来た。


「枯れ葉」同様、ささやかな人生の断章。
北欧の寒さで、人の表情は大きくはないけれど、感情は十分に伝わって来る。

夫婦の部屋に子供の写真が飾ってあり、病気か事故か分からないけど、
早くに亡くした様子が伺える。
この夫婦は、そういう悲劇も乗り越えて来た、信頼で結ばれている。
ラウリは、気休め程度かもしれないけど、
愛する妻の為に、時々花を買って来る。
家財が無くなって、床で仕事や食事をする羽目になってもめげない。

「枯れ葉」でホラッパがアルコール依存症から立ち直るエピソードがあって、
今作でも失業中の元同僚がアルコール依存症になり、
レストラン再開の為に更生施設に入所させられ、立ち直る。
依存症はそう簡単には治らないと思うし、
レストランの元オーナーが融資してくれたのも、まぁ、出来過ぎ。

でも、
人生、山あり谷ありで、
良い事も悪い事も、何度でも巡って来る。

でも、
この夫婦は、何度でも乗り越えるんだろう。

この数日、小蝿のまとわりつきに閉口させられた。
蒸し暑さのせいで増えたのだろう、もう9月半ばに差し掛かるというのに。

コーヒーカップのクチをウロウロしたり、食事中のお皿にまでやって来る。
新聞を読んでいてもやって来る。
時々、足にまとわりついたりして、サワサワとした感触が気持ち悪い。

ドラッグストアで、小蝿取りをチェック。
どれくらい効き目があるのだろうか。
一網打尽にしてくれるなら、買う価値があるけれど。
今はとりあえず、バンバン叩き潰す、叩き潰す。

今日、何匹くらい退治するものか、測ってみようと思い、
退治した小蝿をシールに貼り付けている。
でも、まだ20匹くらいなもん。
どうだろう、昨日の半分くらいなように思える。

これで、この後は減少するのだろうか。
だとしたら、もう小蝿取りを買う程でもなかろう。
来年は夏場の早い時期に買うと良い。
でも、また忘れちゃうんだろうな。
そうして、日々バンバンする。

フィンランドの巨匠、アキ・カウリスマキ監督作品。
労働者階級の中年カップルの恋愛を描いた。
2017年に一旦は監督業からの引退を発表したが、今作で復帰。
作中、ロシアによるウクライナ侵攻のニュースがラジオから流れるシーンがあり、
反戦の訴えかけの意味合いもあったのだろうか。


スーパーマーケットの「ゼロ時間契約社員」として働くアンサ。
ホームレスの青年がスーパーのゴミ箱から期限切れ食品を漁っていたのを
見逃したところを、主任に咎められ、クビにされた。
不況の中、就職口を探し、工場での肉体労働も厭わず、真面目に働く。

工事現場で働くホラッパは、アルコール依存症で、
仕事中の飲酒が発覚して、度々クビになる。

それぞれ友達と行ったパブで出会い、お互い何となく気になる。

ホラッパが街の映画館の前に居たところに偶然アンサが通りかかり、
アンサはメモ用紙に電話番号を書いて渡すが、ホラッパは落としてしまう。
連絡がつかないまま時を過ごして居たが、
ホラッパはまたアンサが映画館前を通ると考え、待ち続け、再会を果たす。

穏やかにデートを重ね、関係が深まって来るが、
ホラッパのアルコール依存症に気付いたアンサは別れを切り出す。

繰り返し仕事をクビになって居たホラッパは、反省し、
依存症の会に通うなどして治療に努め、改めてアンサに会いに行く。
アンサはホラッパを受け入れる。


ネットで検索すると、「ゼロ時間契約」とは、最低労働時間の保証もなく、
雇用者側が一方的に希望のシフト時間を決め、解雇もいつでもOKという、
ブラックな雇用形態で、近年、欧州で問題となっているらしい。
でも、今作では、特に労働争議に発展するわけでもなく、
アンサは厳しい労働環境の中で黙々と働く。
声を荒げないのが、カウリスマキ監督の表現なのだろう。

一方のホラッパも、気の良い男なんだけど、
アルコール依存症で、工事現場を転々とするその日暮らし。
この2人がカップルになって、大丈夫なのかなぁと思ってしまうけど、
人生、山あり谷ありで、どうにかやって行くのがカウリスマキ流。
贅沢は出来なくても、2人でほっこり生活するのが幸せで良いじゃない。

まぁ、でもね、アルコール依存症って、そう簡単には治らないだろうなぁ。
寒い国だし。

WOWOWのカウリスマキ特集で、
やはり中年夫婦の生活を描いた「浮き雲」も観たら、
こちらも、しっかり者の女性と、バタバタする男性の組み合わせ。