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マンガ家Mの日常
続けて、アキ・カウリスマキ監督作品。
不況に苦しむ中年男女の設定が「枯れ葉」と少し被る。


レストランの給仕長イロナと市電運転手ラウリ夫婦は、時同じくして失職。
不況で再就職しても、二転三転。
イロナが働き始めた安食堂は税務調査が入って、給料未払いのまま終わる。
ラウリは運転手として再就職出来そうだったが、
寸前で耳の障害が見つかって、不採用となってしまう。
生活の支払いも滞るようになり、家財を差し押さえられる。

かつての同僚からレストラン開業を勧められるが、銀行から融資を断られ、
計画頓挫しそうになった時、偶然美容院でレストランの元オーナーと再会し、
融資してもらえる事になった。
イロナは元同僚達を呼び集め、開業。
無事、客が集まって来た。


「枯れ葉」同様、ささやかな人生の断章。
北欧の寒さで、人の表情は大きくはないけれど、感情は十分に伝わって来る。

夫婦の部屋に子供の写真が飾ってあり、病気か事故か分からないけど、
早くに亡くした様子が伺える。
この夫婦は、そういう悲劇も乗り越えて来た、信頼で結ばれている。
ラウリは、気休め程度かもしれないけど、
愛する妻の為に、時々花を買って来る。
家財が無くなって、床で仕事や食事をする羽目になってもめげない。

「枯れ葉」でホラッパがアルコール依存症から立ち直るエピソードがあって、
今作でも失業中の元同僚がアルコール依存症になり、
レストラン再開の為に更生施設に入所させられ、立ち直る。
依存症はそう簡単には治らないと思うし、
レストランの元オーナーが融資してくれたのも、まぁ、出来過ぎ。

でも、
人生、山あり谷ありで、
良い事も悪い事も、何度でも巡って来る。

でも、
この夫婦は、何度でも乗り越えるんだろう。
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