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マンガ家Mの日常
1999年からWOWOWで放送されたドラマ
「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」の主人公トニー・ソプラノの
少年時代を描いた映画。

同時期にWOWOWでは「Sex & The City」も放送中で、
NYの粋なお姐さん達と、NJの粋なお兄さん達とに、毎週釘付け。
最近のドラマは警察と医者ばかりで...。


1960〜70年代にかけて、公民権運動盛んな時期。
アフリカ系ギャング団の芽が育ちつつある中、
本家イタリア系マフィア、ソプラノファミリーは大きく揺れ動いていた。
父親ジョニーが服役中で、トニーは叔父ディッキーを慕っていたが、
ディッキーは密かに、トニーには堅気になって欲しいと願っていた。
不良少年然としたトニーだが、学校の知能テストでは高得点で、
既に教師はトニーにリーダーの資質を見出していた。

カリスマ性がありながらも激情型のディッキーは、
自分の父親の再婚相手ジュゼピーナに一目惚れして、
衝動的に実父を殺害し、彼女を愛人にする。
しかし、ディッキーとの生活に将来性を見出せなくなったジュゼピーナが、
アフリカ系ギャングの青年と浮気したと知ると、
ディッキーはジュゼピーナも殺害してしまう。
ところが、教会の入り口の階段で足を滑らせたジュニア・ソプラノを
笑い者にした為、ジュニアが雇った殺し屋に殺害される。

ディッキーの一人息子クリスは、
長じてボスとなったトニーに可愛がられるが、最後はトニーに殺害される。
親族内でも、血で血を洗う抗争を繰り広げている。


登場人物が多くて、最初のうち、ちょっと焦点を絞り辛い。
ドラマ版を見ていない人にはわかり難い面もあるかも。

せっかくの映画版なので、少年時代のトニーは
もう少し可愛い子を配役しても、とも思ったけど、
ちょいデブで小憎たらしいのが良いのかな。
10代は、ドラマ版でトニーを演じたジェームズ・ギャンドルフィーニの遺児
マイケルが演じているのが、ドラマ版ファンの涙を誘う。

エンディングでドラマのタイトル曲が流れると、痺れが頂点に来る。
ドラマを見ていた当時の自分の状況も思い浮かぶ。
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心地良い初夏の夕べには、やっぱり猟奇殺人よね。
(勿論、フィクションですよ。)

ドラマ「イエローストーン」で注目のコール・ハウザー主演の
サスペンス映画。


イタリアのローマで、猟奇的な連続殺人事件が発生。
その後、同様の事件がアメリカのミシシッピ州でも発生する。
被害者は10代の女性や幼い少年限定で、
遺体には、生きたまま体の一部を切り取られた痕跡があった。

ボイド刑事は現場に残されたハーブの特徴から、アフリカとの繋がりに気づき、
アフリカの伝統文化や宗教に関する第一人者マッキーズ教授に助言を求める。
マッキーズ教授は最初は協力を拒んでいたが、犯人との関わりもあり、
捜査に加わる。
殺人犯はアフリカの古代黒魔術の「呪医」で、
無垢な少年少女を生贄にして儀式を行い、依頼者の願いを成就させる。
呪医ランドクは、依頼者の為に次の標的を物色。
ボイド達はランドクを追い詰めながらも、間際で取り逃がす。

ランドクの依頼者を突き止め、依頼者ファーナーが所有する倉庫に向かう。
捕縛された少女を救う寸前で、ボイドは後ろからファーナーに殴られ、気絶。
同行していたマッキーズがすぐさまナイフでファーナーの喉を切る。
ランドクは一旦は逃げ果せるが、その後、マッキーズが捕まえて殺す。

マッキーズもまた、かつては呪医として儀式を執り行っていたのだった。
部族のしきたりとして、現地の人々に迷惑をかけた場合には、
その者を殺し、身体の一部を相手方に送る。
ボイドと、ローマの刑事は、それぞれ、届いた小包を開けると、
中にはランドクの身体の一部が収められていた。
マッキーズは行方をくらます。


「イエローストーン」での男っぷりの良さがたまらないコール・ハウザー。
恰幅の良いマッチョな体型で、多分、日本女性の好みではないだろうけど、
これからドラマや映画で見る機会も増えそう。

猟奇的殺人事件としては、今作の被害者は少年少女なので、
どうしても、後味の悪さがある。
製作者側としては、むごたらしい儀式の全貌は会話内で収めて、
損害を受けた遺体の様子は画面には表さなかった。

マッキーズ教授役はモーガン・フリーマン。
ハラスメント疑惑が取り沙汰されていたけど、
その哲学的な雰囲気で、ハリウッド映画には欠かせない存在なんだろう。
モーガン・フリーマンが出て来たところで、「セブン」を想起する。
当然、ただの「教授」ではないと観客は予測する。
ランドクの父親とかかな、と思ってみたけど。

事件そのものはあっさりと解決されるようで、ちょっと物足りない。
そういう規模の作品なんだろうな。


デンマーク製作のサスペンスドラマのミニシリーズ、全8話。


ビーチリゾート地で、ドイツ人のサーファー青年
ゼバスティアンの遺体が発見される。
丸1年間地元警察が捜査したが、進展が見られず、
ゼバスティアンの政治家の姉が有能な捜査官2名を指名し、捜査を再開させる。
ドイツ人捜査官トーマスと、デンマーク人捜査官ヘレーネが、
旅行者夫婦を装って潜入捜査に当たる。
トーマスは妻を亡くして間も無く、塞ぎがちで、
ヘレーネは別の潜入捜査を完了したばかりで、疲労の色が濃く、
2人ともやや不安定な状態。

ゼバスティアンが殺害されたと思われる現場を特定し、
関係者の割り出しを始める。
当初、密輸に絡む事件と思われたが、過去の殺人事件との関連が浮上。
(関係性がちょっとややこしくて、名前を忘れた。)
第二次世界大戦で徴兵された男Aは戦死したと思われ、
恋人の女Bは、求められるがままに別の男Cと結婚。
しかし、男Aは生還し、恋人を取られたと思って、男Cの殺害を計画。
灯台守の男Aは、男Cが乗船する貨物船が夜間に港に近づく時、
灯台の灯りを一時消して、船を沈没させた。
その様子に気づいた男Dに、その後長く脅迫され、金を渡し続けた。
彼らは既に高齢となったが、金の授受は、子供達の代まで受け継がれる。

ゼバスティアンは、海底の沈没船を調べるうちに、彼らの秘密を知り、
殺害される羽目に至ったのだった。

事件捜査の間、夫婦役を演じていた2人は、次第に打ち解け、
恋人関係になりそうな予感を見せる。


「デンマークで大ヒット」との触れ込みだったけど、やや物足りない。
お茶の間的な番組枠なのかな。
事件の捜査手法もかなりアナログで、これで良いのかなぁ。
そういうのがお茶の間の視聴者には分かり易くて良いって事かな。
主役2人が反目から入って、次第に気になっていくっていう設定も、ありがち。
ゼバスティアンは結構イケメンだったのに、
最初に殺されて、サッサと退場となって、残念。

後半で、一気に、過去の事件が掘り起こされ、やや唐突な印象。
数十年前の恋愛がらみの殺人事件って、
内田康夫先生の「浅見光彦シリーズ」みたいだね。
懐かしい。


ネタバレ注意。



大ヒットメーカー、ダン・ブラウンのラングドン教授シリーズ。
「天使と悪魔」「ダ・ヴィンチ・コード」より、若い頃を描いた作品の
ミニシリーズドラマ、全10話。


原作を読んだのはもう随分前なので、あらかた忘れてる。
それはそれとして...。
映画の大掛かりな印象があるので、どうしてもドラマ版は安価に見える。

まず、主人公であるラングドンを演じた俳優がどうにも魅力不足。
何故この俳優を配役したのだろう?
映画版のトム・ハンクスのレベルを期待してはいないとしても、
(個人的には、トム・ハンクスもラングドンのイメージとちょっと違う。)
顔が良くないし、知的に見えない。(吹き替えも良くない。)
そのせいなのか何なのか、出番も物足りない。
恋人キャサリンのサポート役状態。
おかげで、肝心の謎解きの部分も見所になっていない。

他の出演者にしても、どうしてもカリスマ性が乏しく、
原作のドラマチックな盛り上がりに貢献し切れていない。
今回はWOWOWの吹き替え版で見たのだけど、
ベテランの中田譲治や田中敦子も、妙に浮いていて、安っぽい印象。

原作の詳細を忘れてしまったので、ストーリー展開についての言及は難しいが、
全体として、謎解きの面白さよりも、
高名な父親への劣等感で自らを見失った息子の物語に終始している。
その方がTV視聴者受けするのかなぁ。
いい歳した家族のゴタゴタを見せられてもなぁ。

ドラマ版とは言え、建物の豪華さには見応えがある。
そこは流石。
全身タトゥーのマラークのヴィジュアルも冴えてる。

ところが、心身共に極限まで鍛えていたマラークだったのだけど、
最後は、キャサリンに背中から短剣でひと突きされて、あっさり絶命。
これまでのスリリングな展開は何だったんだろう?
キャサリンとザカリー(マラークの正体)は一応姉弟(兄妹?)だし、
学者さんで、ごく普通サイズの女性のキャサリンが、
頑健な男性をナイフひと突きで殺せるものか?

また、かなり大掛かりな闇を抱えている展開であるにも関わらず、
マラークはほぼ1人で全てやりこなしている。
ちょっと無理があるような?


色々引っ掛かりがあると、ストーリーの面白さにのめり込み難い。
せっかくの名作なので、もっとちゃんと作って欲しかった。
...それは、原作ファンの欲目かなぁ。
ジェフリー・ディーヴァーの「ボーン・コレクター」も、
(映画版はまだしも)ドラマ版は酷く残念な出来に終わってしまっていた。



ネタバレ注意。 


なかなか骨太で見応えがありました。

ただ、2000年、2003年、2010年と、
事件の展開が3層構造になっているのが、やはり疲れる。
ミステリーは、過去に起こった出来事に由来して現在の事件が起きるわけだから、
元々が重層構造になっているので、
こうした見せ方で謎解きのスリルを増加させる効果はあって、
そういうのが流行りで、
制作者側もそういうのにチャレンジしたいという気持ちはわかるが、
見る側からすると、時間軸を整理するのに神経すり減らす。

中国語名に馴染みが薄くて、瞬時に関係性を判別しきれないのも原因の一つ。

で、やっぱり、
展開の構造に凝るタイプのミステリーでは、
大元の事件の設定がやや弱い嫌いがある。
今作では、要するに、企業と市長の癒着が発覚するという
ありふれたオチに帰結する。

中国で製作されたドラマを殆ど観てこなかったので、
つい色々と注文をつけてしまいたくなる。

所々、どうにも台詞や演出が古臭い。
日本だったら、(マンガのネームなら尚の事)直しを喰らうだろう。
そういうところに登場人物達の純朴さも通じているのかもしれないけれど。
ホウ・グイピンに始まって、
彼らの事件解決への真摯な取り組みに感銘を受ける。
ドラマの最初の方でフィーチュアーされていた女性刑事が、
後半尻すぼみで、思った程活躍しなかったのはやや腰砕け。

2000年頃だったら、日本では老若男女、多くの茶髪が既に見られた。
でも、中国では、茶髪はよっぽどの若いチンピラだけなのね。
貧しい農村部はともかく、ファッションもかなり古めかしい。
日本なら昭和40年代頃か。

人物像やファッションの古めかしさに反比例?して、
性的な表現は思いの外露骨で、ちょっと驚かされた。
製作がハリウッド基準のレーティングとは遠い位置にあるからなんだろう。

今回は吹き替え版で視聴。
メインキャラクターは、堀内賢雄、楠大典、森田順平、てらそままさき、
等々、トップクラスの声優陣が担当していて、日本側の意気込みも伝わる。
ところが、
私が彼らの吹き替えによるアメリカドラマを見過ぎているせいなのか、
日本人とほぼ同じ中国人の顔立ちに対して、
アメリカドラマ的なクリアな台詞回しに、逆に違和感を覚えてしまった。
上手過ぎない方が良いかもしれないなんて、申し訳ない話だけど。


原作小説の日本語訳はまだ出てないそうで、
今回のTV再放送で発刊のきっかけをつかめるかも?