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マンガ家Mの日常
ネタバレ注意。



デンゼル・ワシントン主演のサスペンス映画。


LAで、残虐な手口で殺害された女性の遺体が見つかる。
郊外の街で保安官として勤務するディーコンは、類似事件を担当した過去があり、
独自に捜査を始める。
新任の若手エリート刑事バクスターは、ディーコンに触発され、
共に捜査に当たる。

地元の元性犯罪者ピーターズを取り調べるが、何も出て来ない。
ピーターズはその後自殺してしまう。

被害者の周辺を調べる中で、電気修理店の従業員スパルマが容疑者として浮上。
ディーコンとバクスターは張り込みを続けるが、決定的な証拠は見つからない。
スパルマはある種の犯罪マニアで、自宅で警察無線を盗聴したり、
殺人事件の新聞切り抜きを収集したりしていた。
バクスターは、「被害者の遺体を埋めた場所を教える。」という
スパルマの挑発に乗り、郊外の荒地に行くが、
あちこち掘り返させられるうちに逆上し、誤ってスパルマを殺害してしまう。
直後に現地に到着したディーコンは、バクスターにスパルマの遺体を埋めさせ、
スパルマの自宅の荷物を片付けて、
スパルマが容疑者として失踪したように細工する。

かつてディーコンは敏腕刑事として連続殺人事件の捜査に当たっていたが、
犯人追跡中に、いきなり飛び出して来た被害者女性を
誤って撃ち殺した過去があった。
親しい同僚刑事や検死官は、被害者が犯人に刺殺されたとして処理した。
ディーコンは精神的に疲弊し、刑事を辞める。

スパルマの容疑が確定しないまま殺害してしまったバクスターは、
ひどく落ち込み、ディーコンに言われるがまま暫く休暇を取ると、
自宅にディーコンから封筒が届く。
その中には、被害者女性が着けていた赤い髪留めが入っていた。

ディーコンは自宅の庭でスパルマの荷物を焼却している。
最後に、3つセットの髪留めのパッケージを焼却する。
パッケージからは1つ髪留めが外されていた。


ちょっとイヤミス系のオチ?
犯人追跡中にディーコンが誤って被害者を射殺してしまったのを、
同僚達でもみ消したのがまず怖いけど、
その精神的苦悩をバクスターに引きずらせまいと、
あたかもスパルマが犯人確定だったように見せかけるのも、
それが警察のやり口かってなると、かなり怖い。
どうなんだろう、結局、其の場凌ぎじゃないかなぁ。
この後類似の事件が発生すれば、バクスターは変だと気づくのでは?

で、結局、真犯人は捕まっていない。
困ったね。

バクスターは若手エリート刑事ながら、
その純粋さから、ディーコンの捜査熱に感化され、
更には、スパルマの挑発にいとも簡単に乗せられてしまった。
スパルマと1対1で荒地に行くのって、ヤバイと思わなかったのかな。
スパルマも、あれだけ刑事をおちょくって、タダで済むと思ってたのかな。
何だかちょっと微妙なシーンだった。

スパルマの無表情な目が不気味。
演じたジャレッド・レトはゴールデングローブ賞にノミネートされたって。
イケメンなのに、この頃は不気味な役ばかり選んでいる。

タイトルの「リトル・シングス」は、ディーコンの口癖で、
「小さな事が重要なんだ。」という刑事魂からきている。
小さな事が犯人逮捕のきっかけになるかもしれない。
小さな事(髪留め)がバクスターを救うかもしれない。
でも、どうなんだろう。
事件捜査の中で、小さな事に拘り過ぎて
失敗したって事にも繋がるんじゃなかろうか。

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WOWOWで放送中の北欧ミステリー「レベッカ・マーティンソン」。
シーズン2で、主役の女優さんが別の人に交代してしまって、ちょっと変な感じ。
シーズン1の時の女優さんが特に綺麗だったので、
恋愛のゴタゴタにも説得力があったけど、
シーズン2の女優さんはやや普通っぽくて、カリスマ性に欠ける。
仕方ない。
元の女優さんは映画の大役でも決まったのかな。


ミステリードラマとしては、淡白で、謎解きも無く、設定は単純。
そう思って見ているだけではしょうがない。
北欧の地方の小都市の、独特な生活感を見る。

多分、前回にも書いたように思うけど、
シーズン二の第1話では、サーミの人々の生活環境について描かれた。
独特の言語と、独特の生活。
トナカイを飼育していて、その頭数によって、住民としての権利が変わる。
トナカイの頭数によって選挙権が変動したり、
トナカイを持たないと、住民として仲間外れにされるとか、色々。
サーミの人々の全体がそうだという訳ではないだろうけど、
トナカイによって生活が支えられている。


北欧の大自然は美しい。

でも、都会に住み慣れた身としては、
閉鎖された小さな町に住み続ける事が想像しづらい。
限られた状況下での人生について考える。

フランス(出身はベルギー)のミステリー作家ジョルジュ・シムノンの代表作、
「メグレ警視」シリーズを、
パトリス・ルコント監督、ジェラール・ドパルデュー主演で映画化。


栄養失調気味の貧しい若い女性が、高級ドレスを着た状態で刺殺される。
しかし、検視の結果、死因は転倒による首の骨折で、
死後に移動されて、ナイフで数カ所刺されたと判明。
メグレ警視はドレスを手掛かりに丹念に身元を調べ、足跡をたどる。

女性は、ルームメイトの婚約パーティーに乗り込み、追い出された。
その際に階段で転倒し、絶命したものと推察される。
ルームメイトとその婚約者の男性と、三角関係にあったが、
同時に、女性は、上流階級の性的な遊びの被害者でもあった。
上流階級出身の男性の母親が、外聞を気にして、
女性が夜道で暴漢に襲われて刺殺されたように偽装したのだった。


昨今の複雑なミステリードラマに慣れていると、今作は随分シンプルで、
謎解きというような過程も薄い。
「メグレ警視」の小説の方を読んだ事が無いので良くわからないけれど、
謎解きというより、フランス的なしっとりした人間ドラマが主軸なのだろうか。

途中、メグレが若い女性を囮捜査に使う場面がある。
今だったら許されないだろうな。
地方の若く貧しい女性達が、夢を抱いてパリに来て、
パリの闇に絡め取られて犠牲になっていく様がテーマとなっている。


これは、映画版でシリーズ化していくのかな。
ルコントとドパルデューのスケジュール次第?




デヴィッド・ボウイの若き日の苦悩を描いた伝記映画。


1969年発表のアルバム「スペイス・オディティ」がヒットしたが、
その後の作品はイマイチ。
1971年、マネージメントに詰め寄り、
唯一の理解者とも言えるパブリシストのオバーマンを頼って、
アメリカツアーを敢行、
...の筈が、
手続きのミスで、ビザは観光ビザで、コンサート活動は出来ず、
オバーマンのワゴン車でドサ回りの日々。
必死で売り込みを掛けようとするオバーマンを他所に、不満タラタラ。

デヴィッドの異父兄テリーは統合失調症を発症して、療養所に入所していた。
少年時代の懐かしい想い出と共に、自らも統合失調症の発病の恐れに怯える。

不安と自意識とで尊大な態度を取っていたが、
やがてオバーマンと打ち解け、アイデンティティの確立に目覚める。
そうして作り出したキャラクター「ジギー・スターダスト」の成功で、
一躍世界的スターの座に躍り出る。


「ジギー・スターダスト」に成る前の、
まさに「スターダスト」だった時代を描いた作品。
ぴったりのタイトル。
美貌で一世を風靡した存在だけに、演じる俳優もプレッシャーだったと思うけど、
ジョニー・フリンは顔立ちが結構似ていて、
自身もミュージシャンとして活躍しているので、はまり役。

まぁ、若いうちは誰しも似たようなもんなんだけど、
とにかく自意識過剰で、ウザい。
アーティストとしてのイメージ作りで無理してる感じ。
自分の立ち位置は「エルヴィスとディランの間を埋める」と言って、
ベテランのオバーマンに見事に鼻っぱしらをへし折られる。
身勝手なデヴィッドに苛立ちながらも、可能性を信じて、
全力で売り込みに邁進するオバーマン。
このたった1人の味方がいなかったら、
デヴィッド・ボウイというアーティストは泡と消えていたかもしれない。

個人的に、特にデヴィッド・ボウイに強い関心は無かったので、
楽曲をあまり知らない。
映画を見ると、デビューから70年代にかけては、
やはりどこかボブ・ディラン的な、
階級闘争を背景にしたドラマのような歌詞。


デヴィッド・ボウイのコンサートは、1回だけ武道館で観た。
次はちゃんと良い席を取って、近くで観たいなと思っていたけど、
その後来日する事無く、2016年、69歳で逝去。

出場10組、どのネタも凄く面白かった。
審査員はプロなので、専門的な視点があるのだろうけど、採点は僅差で、
順位は変動してもおかしくなかった。

出場者の中で女性は1人だけ。
審査員は全て男性。
まだまだお笑いは男性優位なのが、少し残念。