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マンガ家Mの日常
実話に着想を得たドラマ映画。


フランスの工業都市ミュルーズに住む30歳の工員男性マルタンの自宅に
長年飾られていた絵が、エゴン・シーレの失われた名作「ひまわり」だと判明。
弁護士エゲルマンを通してオークション・ハウスの競売人アンドレに連絡。
研修生オロールと共にマルタン宅に向かい、真作と鑑定する。

自宅は元の大家から買い取ったもので、大家とその家族は既に他界しており、
絵画を含めて、所有権は合法的にマルタン一家にあるとみなされる。
絵の来歴を確認すべく、大家が残した書類等を調べると、
大家はかつてナチス党員で、「ひまわり」は略奪絵画だとわかる。
元の所有者家族はアメリカに亡命しており、所在が判明する。
売買価格は1000万〜1200万ユーロになるだろうと知らされ、驚愕するも、
純朴なマルタンは、金銭の見返りは求めず、一家に返却を申し出る。

マルタンの誠実さに心を打たれたアンドレは、
所有者である大富豪ワルベルグにマルタンへの報償金を求めると、
ワルベルグは現在の9人の相続権者に加えて、彼を10人目とすると約束する。
(売買による収益の1/10がマルタンのものとなる。)

競売に先立ってお披露目会を開催すると、
著名な批評家のコーナーが「ひまわり」を価値が低い作品だとこき下ろす。
弁護士ロシュブールから知らされたワルベルグは、競売で安値がつくのを恐れて、
申し出のあったコレクターに800万ユーロで売ると言い出す。

研修生オロールはアンドレと口論になって職場を離れていたが、
詐欺に気づいて報告に来る。
批評家が絵をわざと酷評して値を下げさせ、弁護士を仲介して安く買い取り、
弁護士にマージンを渡す仕組み。
オロールはかつて父親が同様の手口で騙され、財産を失っていた過去があった。
(その詐欺を行った競売人には、他の競売で高額出費をさせて報復。)

アンドレによって無事競売が行われ、
「ひまわり」は2500万ユーロで落札された。
マルタンは巨万の富を得たが、落ち着いた生活を願い、周囲には何も言わず、
エレキギターと母親に家を購入したのみで、地道に工員の仕事を続けた。

アンドレは同業者で元妻のベルティナと共に、独立して絵画売買の仕事を始める。
オロールもそこに参加した。


ナチスの略奪絵画、エゴン・シーレの「ひまわり」が、
2005年に若い工員の自宅で発見された実話からドラマが生まれた。
ドラマ部分はフィクション。

上映時間が92分と短いものの、何だか余計なエピソードが絡んで、
「盗まれた」というサブタイトルから連想するような
サスペンスとしてのワクワク感は薄い。
特に、研修生オロールのエピソードとの関連性が途中まで分かり難いが、
終盤、詐欺を暴くところで一気に伏線回収。
全てが収まるところに収まり、スッキリした。

これがハリウッド作品だったら、もっとスリリングになっただろうけど、
フランスのエスプリもまた良し。
依然として、馴染みのないフランス人俳優ばかり。


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