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マンガ家Mの日常
ソウルの女王アレサ・フランクリンの10〜20代を描いた伝記映画。


デトロイトで有名な教会の牧師を父親に持ち、
幼い頃から信者の前で歌い、秀でた歌唱力を示す。
父親はアレサと妹達が歌手になるのを積極的に応援していた。
ゴスペル歌手の母親は、夫の暴力に耐えかね、別居。
自宅には常に多くの信者が集まり、パーティーが催されており、
1952年、アレサが10歳の時、客の男性に性的暴行を受けた。
その後、12歳、15歳の時、妊娠して子供を出産する。
父親は不明で、後年、近所の少年らしいとされた。

1961年、コロムビア・レコードでデビュー。
優れた歌唱力を披露するも、方向性が定まらず、ヒット曲に恵まれない。
その頃、イケメンのテッドと恋に落ち、周囲の猛反対を押し切って結婚。

1966年、アトランティック・レコードに移籍。
才能を開花させ、世界的に高い評価を得る。
マネージャーを務める夫テッドは、次第に支配的になり、
仕事の現場で揉め事が増える。
暴力を振るうようになり、アレサは離婚を決意。
その後、ツアーマネージャーと再婚。

牧師の父親は公民権運動に深く関わっており、
アレサは幼い頃から人集めの為に歌手として駆り出されていた。
アレサ自身が積極的に関わろうとした時、
当時の夫テッドは、お金にならない慈善活動に反対。
しかしその後、父親がアレサを再び人集めに利用しようとしたのに嫌気がさし、
一時期距離を置く。

仕事のプレッシャーから、アルコール依存症に陥る。
幼い頃から教会でアレサを見守ってきた親族のサポートもあり、
ゴスペルアルバムの制作を決意。
再起を果たし、成功への道を歩む。


勿論、名前は知っていたけど、
世代が違うので、人となりまで深くは知らなかった。
映画はアレサ10歳の1952年からスタートして、
その後1962年に飛ぶと、既に2人の子持ちになっていた。
えっ?数字が合わない?
と思って、映画を止めてwikiで調べると、
なんと、12歳、15歳で妊娠、出産となっていた。
当時の社会状況がそれを許したのか。
そうした出来事が影響したのかどうか、映画で見る限り、
アレサはやや派手好きで恋愛体質な感じ。

12歳での妊娠出産は大問題だと思うのだけど、映画ではスルーされている。
その他にも、父親との確執や、夫のDV、公民権運動との関わり等々、
重いモチーフが多いせいか、どれもあまり深く掘り下げられない。
その辺りが、作品の評価をイマイチ上げ損ねたのかなと思うのだけど、
テーマとしては類型的なので、そうなるのを避けて、
主演のジェニファー・ハドソンの歌唱を際立たせることに
主眼を置いたのかもしれない。

タイトルの「リスペクト」は、オーティス・レディングの楽曲で、
アレサがアレンジして大ヒットさせた。
「敬意を払って」とする本曲は、
支配的な父親や夫、あるいは黒人差別への訴えかけでもある。
それ以外に、アレサ自身が作詞した恋愛ソングでは、
夫テッドへの当てつけとも取れる歌詞が多く含まれていて、ヒヤヒヤさせられた。
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