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マンガ家Mの日常
アメリカの実話を基にした金融ドラマ映画。


金融アナリストのキースはYouTubeで個人的な株式情報の配信をしていた。
2020年、ビデオゲーム小売業者ゲームストップの株価下落に着目。
個人資金を投じて大量に株を買い、値動きを配信。
2021年にはゲームストップのチェーン店閉鎖を想定した
大手ヘッジファンドの空売りが発覚。
キースとその視聴者達は小口投資家として積極的に株を購入すると、
株価が爆上がりして、大手ヘッジファンドは莫大な損失を出す。

ヘッジファンド幹部達は圧力をかけて、
SNS上の株取引の場であるサブレディットを閉鎖させると、
ゲームストップ株のパニック売りが急増し、事態は一変。
株は暴落し、キースは大衆を扇動して混乱を生じさせたとして、
米国下院証券取引委員会の調査を受ける。

キースの適切な証言が評価され、騒動は収束。
ゲームストップ株は下落したままだが、
キースを信じている小口投資家達は株を保有し続け、支えている。
良いタイミングで売却した者は大きな利益を上げ、
タイミングを逃した者は依然損失を抱えている。


「マージン・コール」に続き、金融映画。
やはり、市場の仕組みや金融取引用語は難解。
わかったふりして観るしかない。
でも、「マージン・コール」よりはコメディタッチを楽しめたかな。
株の売買で大金を得る金融の世界って、殺伐としている。
物を作ったり、サービスを提供したりしてお金を得るのが、
あるべき人の道だと思う。
貯金代わりの投資信託はやってるけど、当てにしてたら痛い目をみる。

キース役はポール・ダノ。
注目の俳優だけど、やっぱり顔が暗いなぁ。
冒頭で出て来たセス・ローゲンが主演かと思ったら、出番はそう多くはなかった。
随分と身体を絞って、顔つきが変わっていた。
前のふっくらした感じが良かったんだけどなぁ。
「キル・ユア・ダーリン」の美青年デイン・デハーンもチョイ役で出演。
やはり年齢を重ねて雰囲気が変わった。
人間だもの。

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実話を基にしたスリラー映画。


19世紀、ニューイングランドの小さな孤島に2人の灯台守が派遣される。
ベテランの老人トーマスは灯台の灯りの作業に固執し、
若い新人のウィンズローに、力仕事やあらゆる雑用を押し付ける。
2人の仲は、険悪になると同時に、接近してもいる。
トーマスは様々な昔語りをするが、どれも真実かどうか定かでは無い。
疲労と孤独とで、ウィンズローは精神的に疲弊し、幻覚を見るようになる。

4週間後、交代で島を出られる筈が、突然の暴風雨で迎えの視察船が来ず、
暫くの間、食糧支援も無いまま、島に閉じ込められる。
2人は泥酔して、ウィンズローは素性について話し始める。
本名はトーマス・ハワードで、カナダで樵をしていた。
不仲の男ウィンズローを故意に事故死させ、身分を乗っ取り、灯台守に志願した。

嵐で住まいも破壊され、2人の狂気の度合いが深まり、殺し合いになる。
ウィンズローはトーマスを殺して鍵を奪い、最上階の灯室に上がり、
不思議な光におののき、階段から転落する。
カモメ達が倒れたウィンズローの腑を生きたまま喰い千切る。


スタンダード・サイズの白黒映画で、時代背景を意識した映像で、
ドラマ性よりも、表現主義的な意味合いが強いように見える。
2人の狂気が交錯して、真実は闇に溶け込む。
最終的に、灯台の灯りを目にした後、転落して、鳥に腑を食い千切られるのは、
ギリシャ神話で火を盗んで人間に与えて罰せられたプロメテウスを連想させる。

正直なところ、エグくて重苦しいばっかりで、説明がつかない。
ネットで他の方の論評を読むと、性的な描写に関する記述や、
特にウィンズローの精神錯乱について書かれているけど、
要は、監督は、諸々不明のままに、鑑賞者に委ねるのが狙いだったらしい。
まぁ、海外の作品を観る時にはよくある事だけど、
その国の歴史や文化を知らないと、メタファーはわからない事だらけ。

老人役のウィレム・デフォーはなかなかの怪演。
ウィンズロー役は「トワイライト」の美男子ロバート・パティンソンで、
もう随分と大人の俳優になったなぁ。
「バットマン」のようなメジャー作品の主演も務めているけど、
今作のような芸術性重視の作品は高く評価されるから、
演技のし甲斐があっただろう。

カンヌ国際映画祭では、受賞はしていないものの、絶賛されたらしい。
カンヌって、こういう難解なのが好まれる。
もし自分が制作者側だったら、興行収入を思うと、
こうした作品には取り組みづらい。
それでも、作家性を重視した作品作りを貫徹するのは、
自身の芸術性に、信念と信頼があるからだろう。

ストーリーの続き。

その前に、
「マージン・コール」という経済用語について、ネットで検索。
「金融機関が投資家に不測の証拠金を求める事」とあるのだけど、
今度は「証拠金」って何?となる。
要は、投資の為の手付金みたいなものかなぁ。
今作では、その証拠金が市場変動で価格下落して、
投資担保能力の維持が厳しくなった。
で、それが市場でバレる前に、投資商品を叩き売り。
投資の世界って、メチャクチャだなぁ。
経済用語でもIT用語でも、調べれば調べる程、
芋づる式にわからない言葉が出てきて、蟻地獄。

で、ストーリーの続き。

損害リスクに気づいたサリヴァンは、上司のエマーソンに相談。
エマーソンから更にその上司ロジャースに話が繋がり、緊急役員会が開かれる。
ロジャースは顧客の信用を第一にしたいが、
オーナーのチュルドは、不良債権を安値で早急に処分する方針を指示する。
マーケットオープンから、情報が拡がる前の僅かな時間で大量に売りさばき、
資金を回収した会社はかろうじて生き残りを果たす。
(よくわからないのだけど、投資家はマイナスを被ったって事なのかな。)
会社の秘密保持の為に、チュルドはロジャースやエマーソンを慰留し、
元のデータを作成したデールも呼び戻す。


投資銀行の闇を描いた作品。
前述の通り、経済用語がわからないので、個人的に困ったもんだった。
エンタメ的要素は薄く、とにかく、
投資銀行が自らを守る為だけにどういう判断を推し進めていくかが物語の核。
ヤバイ状況に以前から気づいていた役員もいながら、
オーナーのご機嫌伺いなのか、対策を昂じずに放置していた。

地味な展開の割に、出演俳優がやたらと豪華。
冷酷なオーナーのチュルドにジェレミー・アイアンズ。
以下、ケヴィン・スペイシー、スタンリー、トゥッチ、サイモン・ベイカー。
中堅、若手では、ポール・ベタニー、ザカリー・クイント、ベン・バッジリー。
そして、デミ・ムーアが画面で強烈な存在感を見せながら、ほぼ何もしない。
メアリー・マクドネルは完全なチョイ役。
これ程の豪華俳優陣が揃ったら、もっとどデカイ展開を期待するのだけど。
まぁ、サブプライムローンの問題を映画化したという
企画性のみに意味があるのかな。

(完了。)


2007年に発生したリーマン・ショックをモデルにした映画。


ウオール街の大手投資銀行で行員が大量解雇された。
解雇された1人、リスク管理部門の責任者デールは、
部下のサリヴァンにUSBメモリーを手渡す。
サリヴァンが居残ってデータ解析すると、銀行存続の危機が発覚。
(以下、Wikiからのコピー。経済用語が難しくて、自分じゃ説明出来ないから。)
(一旦、ここで中断します。)

会社のポートフォリオにおける不動産担保証券MBS,いわゆるサブプライム商品)の価格変動率(Volatility)が、HVヒストリカル・ボラティリティ;過去のデータに基づいて算出した変動率)を上回る可能性があることに気が付いた。過度のレバレッジにより会社の資産が25%減少すれば、時価総額(Market cap)を上回る損失を負いかねない。すなわち、会社は総資産を超える損害リスクのある大量のMBSを保有している、という結論に達する。




実話を基にしたフランスのコメディ映画。


フランス郊外の農場地帯では、不況で潰れる農家が増えていた。
ダヴィッドの農場も既に差し押さえの危機にあり、
裁判所に頼み込んで、ようやく2ヶ月の猶予を取り付けたが、
僅か2ヶ月での経営再建は絶望的。
帰路、繁華街で目についたキャバレーに入り、ストリップショーに魅了される。
ダヴィッドは大きな納屋を改装してストリップショー劇場にする企画を立案。

ショーの花形ダンサーのボニーがキャバレーの支配人とのいざこざで退職。
ダヴィッドはボニーをパートナーにしてショーの企画を進める。
性格がキツいボニーは周辺の人達と対立する場面もあるが、
次第にプロデュース能力を発揮する。
ダヴィッドはボニーに心惹かれる時もあったが、きっちり断られる。
優柔不断なダヴィッドに愛想をつかして離婚していた元妻は、
ヘアスタイリストとして参加し、懸命に頑張るダヴィッドに惚れ直し、
2人はめでたく元サヤ。

ダヴィッドの父親は昔気質で、ストリップショーに反対し、
開催を間近に控えた納屋に火をつけて阻止しようとする。
ボニーはダンサー仲間からラスベガスの仕事に誘われ、思い悩むが、
ショーの開催までは残る決意をする。

出演者やスタッフ達で力を合わせ、農場に仮設舞台を設置し、
見事開催に漕ぎ着けると、周辺から大勢の客が集まり、ショーと飲食を楽しむ。
その後もショーは継続され、農場は無事に持ち直す。


農業大国のフランスで、地方の農場が次々潰れているという現実。
何が問題だったんだろう。
昔気質の父親との対立の構図を見ると、経営も世代交代が重要だという事かな。
出演者達もそれぞれ変革を求められ、苦悩している。
芸が時代遅れだったり、怪我や高齢化でパフォーマンスの質が低下していたり。

それでも前向きに生きようとする、フランスらしいヒューマンコメディ。

エンドロールで、実際の農場主家族が登場する。
地方創生としても、思い切ったなぁ。
人真似ではなく、独自のアイデアだからこその成功かな。
この先もずっとショーが続けられるのかはわからないけれど、
農場の人達も身近に娯楽が必要。