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マンガ家Mの日常
「つる姫じゃー!」の大ヒットで知られる、
異能の天才女性ギャグマンガ家、
土田よしこ先生、ご逝去。75歳。

少女誌のギャグマンガの中で、唯一無二の存在。
ギャグマンガでありながら、「週刊マーガレット」の表紙も飾った。

愛機のある絵柄とキャラクター。
キレのあるギャグと、ほろりとする人情味。

少女誌において、ギャグマンガはそれなりに定位置を持っているけれど、
どこか皆似たような絵柄と、それなりの展開。
ギャグマンガでありながら、恥ずかしさから逃げている感。

土田よしこ先生の前にも後にも、
少女誌にギャグマンガは生きていない。
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「コブラ」のヒットで名を馳せた、デジタルマンガの第一人者、
寺沢武一先生が心筋梗塞でご逝去されました。
68歳。
1996年に脳腫瘍が見つかり、その後は病気と闘いながらの創作活動だったそうです。

SF作品には、現代への警鐘と、未来への希望がある。
しかし、人類はまだ生身を引き摺り、挑戦し続けなければならない。

ネットニュースでチラホラ流れる記事。
森田まさのり先生が、過去の原稿のミス自虐をSNSで紹介しておられる。

ミスの内容は置いといて。

画面では、単行本からの抜粋とかではなく、生原稿が映し出されている。
森田先生の生原稿は見た事無いけど、SNSの画面でも、その美しさがわかる。流石。

少し拡大して見ると、コマとコマの間に、細いホワイト線が見える。
これはおそらく、コマを切り離して、アシスタントに個別作業してもらっていた名残り。
手の込んだ背景等がある場合、
そのコマだけ切り離して、背景描きのアシスタントさんに預けて、
他のコマは別に作業を進めて、それぞれ完成した後で貼り合わせる。
村上もとか先生もやっておられた。
週間連載あるあるかな。
切り離すのを嫌がる先生もおられるけどね。

ああ、
やっぱり、紙の生原稿は美しい。
これぞ、プロの妙技。

新聞の小さな記事かコラムで読んだ。

「紙」の本に価値を求めるのは、健常者の傲慢さであるという主旨の意見。

身体に障がいがあって、自由に動けない人は、書店まで本を買いに行けない。
行けたとしても、重くて運べない。
視覚に障がいがある人は、本の文字が読みづらい。

私を含め、
本好きは「紙」の本を愛していて、「紙」の本が主流であるのが好ましいと思っている。
スマホやタブレットで読む小説は何となく味気ない。
マンガは尚の事、原画の命が感じられない。

でも、障がいのある人達にとっては、
持ち運びの不便が無く、文字を読みやすいサイズに大きく出来るデジタルが有効。

言葉も無い。

でも、「紙」の価値は依然あると思う。
個人的に、やっぱり「紙」が好き。

要するに、多様性の時代として、
それぞれの状況に応じた形の「本」を入手出来るようにするのが良いのだろう。

「紙」の上で生きて来た。

「紙」の生き残りを見つめる先に、
また別の生き残りの姿も見えるか。

吉田竜夫氏の実弟で、タツノコプロで共同でアニメーション制作に携わった、
九里一平氏が亡くなられた。83歳。

マンガやアニメーションで、
どのように仕事の分担をされていたのかはわからないけど、
とにかく、タツノコプロの作品は、
絵柄がチャーミングで、アメリカナイズされた色気があった。


何だろう、
最近の数多のマンガやアニメーションは、どれも絵柄が同じ。
テンプレ化してると言うのかな。
一見すると技術的には上手いようだけど、人間味が無い。

「作家」がいなくなっていっている。