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マンガ家Mの日常
トム・ハンクス主演のコメディ映画。


アランは大手自転車メーカーの重役だったが、
アウトソーシングの影響で経営が傾き、
大勢の従業員を解雇しなければならなくなった。
解任され、妻とは離婚。仕事も家も失った。
ひとり娘のキットは、親の経済難から大学進学を一時見送り、バイトする。

アランはサウジアラビアの国王の甥とのコネを見込まれて、IT企業に転職。
3Dホログラムによる会議システムを売り込みにサウジまで行かされる。
アメリカと違う現地の人々の対応に翻弄されながら、商談を進めようと励む。

背中に出来た大きな瘤がずっと気になっていて、刃物で切開しようとするが、
酷く出血して、病院で手術して取り除いてもらう事になる。
担当の女医ザーラと親しくなる。

強引に会社に乗り込んだ甲斐あって、現地スタッフの待遇等を改善してもらえた。
無事プレゼンを完了させたが、中国の会社が半値で契約を勝ち取る。

アランは退職し、現地に残り、ザーラと新しく生活を始める。


考えずに見ていると、カルチャーギャップを描いたコメディとして見られるが、
タイトル他、様々なメタファーが仕込まれていると思われる。

アランが務めていた会社は自転車製造。
人力で動く移動手段の象徴。

サウジの王族が金に物言わせて、砂漠に巨大な都市を建設しようとしている。
ホログラムはまさに砂上の楼閣を想起させる。

背中の瘤は邪魔で、悩みの種だったが、
砂漠のラクダにとっては重要なエネルギー貯蔵庫でもある。
瘤がきっかけとなって、ザーラと知り合えた。

体調が優れずに寝坊してしまうアランは、毎日バスに乗り遅れ、
タクシーで現場に向かい、運転手の青年ユセフと親しくなる。
アランの行く道は委ねられた。

ユセフ達と羊を襲う狼を退治しようと銃を持って夜警するが、
羊小屋のテントの布に映った狼の影を見て、撃つのを止める。
実物ではなく、影に何かを感じ取ったのか。

ザーラは離婚調停中だが、イスラムの厳しい戒律の中では、
男女が大っぴらに付き合う訳にはいかない。
海でザーラは男物の水着を着て、男性二人が泳いでいるように見せかけて
アランと水中デートを楽しむ。
水面下で起こっている事こそが真実。


原作本があるそうで、作者の作品傾向等をもっとしっかり把握していれば、
映画にももう少し踏み込んだ見方が出来たかもしれない。
ネットで誰かが良い解説を書いていないか探して見たけど、見当たらない。

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