英国のオックスフォード大学の学生クラブを描いた映画。


その昔、自由気ままに放蕩三昧して殺されたライオット卿に因んで、
社会に出る前に人生を遊び尽くそうと、
名門オックスフォード大学の男子学生１０名のみでメンバーが構成され、
長年に渡って秘密の学生クラブが裏で存続し続けていた。
メンバーは皆美男子で、貴族や大富豪の子弟、
将来的に法曹界や政財界で活躍するであろう優秀な学生に限定されていた。

学生の卒業による欠員の補充で、新入生のマイルズとアリステアが指名された。
手荒い入会試験をパスして、めでたく入会。
英国を代表する貴族や実力者達とのパイプが出来て、輝ける将来が待っている。

会員は親の権力と財産に物を言わせて、やりたい放題。
集会の為に高価なディナーを予約した郊外のパブでも、大声で騒いだり、
オーナーに無理難題を申し付けたり、エスコート嬢を呼んだりと、
他の客や店のスタッフへの迷惑を顧みない。

マイルズには入会前から付き合いがあるGFローレンがいるが、
日頃からマイルズをライバル視していたアリステアが、
マイルズの携帯を使って騙してローレンをパブに呼び出す。
会員達は怒って帰ったエスコート嬢の代わりに、ローレンに性的サービスを要求。
侮辱されたローレンはその場を立ち去り、マイルズと破局。

アルコールやドラッグの力も加わって、会員達の乱暴狼藉は益々ヒートアップ。
店内を破壊し尽くし、たしなめるオーナーを半殺しの目に合わせる。

会員達は一番位が下のマイルズに罪をなすりつけようとするが、
最初にオーナーに暴行を働いたアリステアのDNAがオーナーの爪から採取され、
アリステアのみが起訴され、退学になる。
他の会員達は罰金刑と一次的な停学処分で済む。
マイルズはクラブを脱退するが、他の会員達は懲りる様子も無い。

起訴されたアリステアは、権力者である家族や知人の力で裁判を乗り切る手筈。
ライオット・クラブの秘密を守る事で、将来の地位も約束されている。


まぁ、何と言うか、後味の悪い話。
実在するブリンドン・クラブをモデルに作られたとか。
マジか。

アメリカ映画だったら、もう少し教訓めいた着地点を設定するんだろうけど、
英国の映画だから、そこんところが容赦無い。

本来英国には、優れた者が社会に貢献するという紳士の矜持がある筈なんだけど、
自分達は将来世間に注目され続ける中で生きていかなければならないのだから、
大学生活くらいはやりたい放題で良いんだ、という考え。
それも、親のコネや財産に頼っての事だから、嫌な感じこの上ない。

でもねぇ、日本でも、慶應大学とか、似たようなところがちょっとあるらしいね。
幼稚舎からエスカレーターで上がって来ている学生の中には、
分数の計算も満足に出来ないようなのもいるとか。
それでも、そういう学生達が、結局は権力者同士の交流の手管とか、
そういった感じでどんどん出世しちゃうんだって。

世の中、怖いね。

マイルズを演じたマックス・アイアンズは、
あの、老いてもエロ代表俳優ジェレミー・アイアンズの息子だそうだけど、
まだ若いからか、あまり似てない。