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マンガ家Mの日常
ケン・ローチ監督作品。
なので、もっとシミジミした感じかと思ったら、案外ポップだった。

グラスゴーの下町育ちのロビーは、荒んだ環境で育った為に
クスリと暴力に明け暮れる日々で、刑務所に服役した経験もあるチンピラ。
恋人に赤ん坊が出来て、更生を志す。
しかし、このまま荒れた環境にいては、暴力沙汰にいずれ巻き込まれるのが落ち。

暴力事件の裁判でなんとか刑を免れて、社会奉仕労働をする事になった。
途中、あやうく再び暴力をふるいそうになる場面で、労働の監督官に救われる。

監督官が自分の趣味をかねてロビーや仲間達を気晴らしに
郊外のウィスキー蒸留所に連れて行ってくれたところ、
ロビーは自分の鼻の良さに気付き、ウィスキーへの感心も高まる。
ウィスキー醸造の仕事を意識する。

恋人と子供を連れて、別の街で新しい生活を始める為に、資金が必要。
一計を案じ。仲間達と高価なウィスキーの窃盗を試みる。

何かもっと人情劇的な展開でロビーが立ち直って行くものだと思ってたんで、
盗みに走るってのはちょっと解せない感じだった。

ネットで映画評を見てみると、
ウィスキーが熟成する時に蒸発して無くなる2%を表す「天使の分け前」と、
ロビー達が新生活に必要な分だけ樽から盗み出すのをかけたのだ、との事。
高価なウィスキーに高額を支払うような金持ちから僅かだけくすねる、
それは貧しい育ちの者に許される分け前ではなかろうか、と。

そうね、確かにそう言えるかもね。
ロビー達はもっと沢山盗む事も出来たかもしれない。
そうしなかったのは運ぶ時の危険性を考慮しての事ではあったけど、
欲をかかずにちゃんとセーブした。

この点、名作「フローズン・リバー」と共通する部分があるけど、
でも、今作では盗みに対する罪悪感が感じられ無いってのがちょっとね。
ロビーはちゃんと仕事に就く方向に進んで締めくくったけど、
仲間の3人はウィスキーを売って得たお金でお酒を飲みに行くって事で、
おそらくあっという間に使い果たしちゃうんだろう。
まぁ、それは本人の責任だから仕方無いけど。

もうちょっと映画らしくスッキリ納得、安心出来る展開が欲しかったけど、
あんまりきっちり作り込み過ぎないのがケン・ローチなのかもね。




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【2014/07/19 (土) 04:10】 | 映画 TV
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天使の分け前
ETCマンツーマン英会話
スコットランド英語に触れたくてこの映画を観ました。

>この点、名作「フローズン・リバー」と共通する部分があるけど、

「フローズン・リバー」は、まだ見たことがありませんでした。アメリカの貧困問題がテーマになっているようですね。ぜひ見てみます。ご紹介に感謝です。


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コメント
この記事へのコメント
天使の分け前
スコットランド英語に触れたくてこの映画を観ました。

>この点、名作「フローズン・リバー」と共通する部分があるけど、

「フローズン・リバー」は、まだ見たことがありませんでした。アメリカの貧困問題がテーマになっているようですね。ぜひ見てみます。ご紹介に感謝です。
2014/09/05(金) 10:22 | URL  | ETCマンツーマン英会話 #5070c78383[編集]
[管理者用 返信]
今日は!
投稿者名が企業っぽい?ので、ちょっと悩んでしまっています。...まぁ、良いか。
映画の記事では、ネタバレも書いちゃうので、時々ゴメンナサイです。
「天使の分け前」も「フローズン・リバー」も、欧米のキリスト教文化が根っこにありきなので、見る人によってはピンと来なかったりもあるのかも?
見たらまた感想下さいね。
2014/09/05(金) 16:03 | たまいまきこ

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