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マンガ家Mの日常
アカデミー賞主演女優賞受賞、作品賞、監督賞、脚色賞ノミネートの話題作。

始まりは悲惨な設定なんだけど、
状況を丁寧に描いてあって、見終わったらホッとする。


ジョイは17歳で男に誘拐され、納屋に閉じ込められて暮らしていた。
監禁生活は7年に及び、5歳になる息子ジャックがいる。
日曜日になるとオールド・ニックと呼ばれる男が食料品等を持って現れ、
一夜を過ごす、その繰り返し。
暴力と監禁生活で服従させられていた。

冬のある日、罰で電気を止められる。
ジョイはジャックが病気になったと見せかけて、
ニックに病院に連れて行かせて、外部に足す目を求めるよう計るが、失敗。
その後、愛読書の「モンテ・クリスト伯」に習って、
ジャックをカーペットで巻いて、死んだと見せかけて、ニックに運び出させる。
ジャックは途中でトラックから降りて、通行人に助けを求め、
無事警察に保護される。
5歳のジャックは母親の名前も満足に言えないが、
女性の警察官が機転を利かせて、ジャックの僅かな話から納屋の形状や場所を把握。
警察が集結してジョイを救出し、ニックは逮捕される。

ジョイの両親は離婚しており、父親は遠方に住んでいる。
ジョイとジャックは少しの間病院で療養して、
今は母親とそのパートナー、レオが住んでいる実家に戻る。

帰宅直後はマスコミが家に押しかけてきたが、騒ぎは時期に収まる。
レオがジャックと上手くコミュニケーションを取ってくれた事で、
ジャックは間も無く適応していくが、ジョイの心の傷が癒えるのには時間がかかった。
しかし、それも全て時が解決してくれる。

ジャックの希望で、警察の付き添いを得て、監禁されていた納屋を見にいくが、
世界の全てだと思っていた部屋は、とても小さく感じられた。


よくある構成としては、親子が救出されたところでハッピーエンドとなるけれど、
その後のリハビリ生活を描いた点に特徴がある。
とは言え、やはり、ジャックが警察に保護されて、
女性警察官が実に見事にジャックから情報を聞き出して事件解決に至る、
そのシーンが一番見応えがあるかな。

誘拐された当時はまだ17歳の高校生でしかなかったジョイが、
子供を無事に育てる為に何事にも耐え抜き、
狭い部屋であらゆる工夫を重ねて過ごしている様子が胸を打つ。
卵の殻を繋げて作った蛇のおもちゃの愛らしさが心に沁みる。

また、子役の演技が奇跡的に上手い。あまりにもリアル。
映画では5歳の誕生日を迎えたという設定だけど、
演じたジェイコブ・トレンブレイ本人の実年齢は9歳くらいだったらしい。
ここまで自然に見せられる演技が出来るのは、もしかしてこの年代のみだろうか。

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