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マンガ家Mの日常
ヨハンナ・シュピリの名作「アルプスの少女ハイジ」のパロディ映画。
原作の著作権保護は既に1976年に」終了していた為、やりたい放題。
シュピリも「原作者」と言われても困るだろうなぁ。


20代に成長したハイジは祖父アルムと山小屋で暮らしつつ、
恋人ペーターと親密な関係になっていた。

スイスはマイリ大統領による独裁政権が続き、チーズ利権を支配されていた。
独自の良質なチーズを作って闇で流していたペーターは、
司令官クノールによって射殺される。
クノールこそが、ハイジの両親を殺害し、アルムを放逐した張本人であった。
抵抗したハイジは逮捕され、女子矯正施設に送られる。

マイリ大統領は、チーズによる世界制覇を目論み、
人間を凶暴な戦士に変異させるチーズの製造を研究させていた。
矯正施設では大量のチーズを食べさせられては、
闘技場で見世物として戦うレスラーになるべく訓練させられる。
同房のクララは日々虐待され、心身を病んでいた。

ハイジは隙を見て施設長ロットワイラーを刺殺し、脱走。
命辛々逃げのびた山奥で、不思議な女神に遭遇し、
部下の修道女達から武闘の訓練を受け、戦士へと変貌を遂げる。

クララ救出と打倒マイリ大統領の為、施設に乗り込むが、
強化兵士に不意を突かれ、捕らえられ、闘技場へ出される。
かつてハイジを虐待した同房の女囚達も、母国解放を叫ぶハイジに共感し、
協力して強化兵士を打ち負かす。
その頃、アルムはペーターの父親達と結束し、仲間を募って、武器を携え、
独裁政権を打破すべく、闘技場に向かっていた。
戦いで重傷を負ったアルムは、巨大チーズ工場を爆破する役目をかって出て、
そこで命を落とす。
最後のあがきを見せるクノールやマイリを打ち倒し、母国の平和を取り戻す。


「プー あくまのくまさん」に比べると、こちらは一応ストーリー性がある。
その分、基本設定が「ハイジ」である必要は微塵も無いのだけど、
平和な原作との対比で笑えるのかな。
スイスの少女風のハイジの衣装もちょっとエロっぽいし。
シュピリは墓の中で激怒しているか、大爆笑しているか?

独裁政権打倒の展開やキャラクター設定に目新しさは無いので、
アクションやパロディ、お色気といった要素で気楽に楽しむ感じ。
そういうのを「エクスプロイテーション映画」と言うらしい。
TVでの放送なので殺害シーンは「ぼかし」が入っていたけど、
元の映画では血みどろスプラッターなんだろうな。
個人的には、ぼかしがあって助かった。
返り血を浴びて不敵に微笑むハイジはカッコイイかも。

恋人を殺され、女囚になり、逃亡して武闘訓練を受けるあたりは、
「キルビル」のパロディかな。
闘技場のシーンは「グラディエーター」ってとこか。
ラストで、爆破されて燃え上がる工場を背にハイジ達が歩くシーンも、
何か、有名なアクション映画を彷彿とさせる。

チーズ、チョコレート、時計といった、
スイスの国家的名産品をギャグのネタにするってのが、逞しいね。

闘技場で重傷を負ったクララは元気に回復していて、
ハイジと一緒に新たなる旅に出る。
これも続編の製作を狙ってるのかな。

今作はクラウドファンディングで製作費を調達したらしい。
マイナーな映画はそう言う流れになって行くんだろうな。
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