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マンガ家Mの日常
邦題が直接的で物々しい。
このタイトルで映画を見たいと思う人がいるだろうか、疑問。

スペインのサスペンス映画で、本国では高い評価を得たらしい。


殺人課刑事のアルファロはカッとなると極端な暴力に走る男で、
仲間の刑事への暴行でマズイ立場にある。
相棒の刑事ベラルデは冷静で知的なタイプだが、
子供の頃に親から受けた仕打ちが原因で、突発性の吃音を発症し、会話が苦手。

強盗殺人と思われる事件が起こり、
現場には階段から落ちて死んだと思われる老女の遺体が転がっていた。
手早く済ませようとするチームの中で、ベラルデは検証を繰り返し、
老女がれいぷされていた事に気付く。
事件捜査はややこしくなってしまった。

その後、再び同様の事件が発生。
それ以前にも同様の事件があったが、同僚刑事が手抜きの報告書を書いていた為、
明るみに出ていなかった。
連続殺人事件としてプロファイリングして捜査が進むが、
犯人追跡に熱中し過ぎたアルファロとベラルデが地下鉄を止める騒ぎを起こし、
アルファロはクビになり、ベラルデは閑職に追いやられる。

アルファロは妻の浮気を知って自暴自棄。
ベラルデはお互い好意を寄せ合っている女性にセックスを無理強いしようとして、
はねつけられ、怪我をさせてしまい、気まずくなり、破局。

その後も老女殺害事件が続き、同僚刑事達はアルファロとベラルデに支援を求める。
アルファロは犯人と出くわして、鈍器で頭を殴られ、死亡。
犯人が現場に落としたアクセサリーから身元を突き止めるが、行方不明。

3年後、犯人の居場所を突き止めたベラルデは、
アルファロの仇を討つべく、犯人を絞殺する。


犯人の男性は、母親からの圧力を受け続けて育ち、
内に秘められた反抗的衝動が、母親と同年代の老女への暴力と化した。
それにしても、老女がレイプされて惨殺される惨たらしさ。
アルファロの暴力的傾向と共に、スペインの闇を感じさせられる。

プロファイリングが事件解決に全く役立ってないし、
老人性乾皮症という手掛かりも犯人追跡に生かされていない。
まぁね、実際はそんなもんかもしれない。

スペインと言えば、欧州の中でもカトリック教徒が多い国で、
女性、母親に対する敬意が強い筈なのに、
それが逆転して、年輩女性への暴力に向かうという問題提起なのかな。
事件の最中にローマ法王がマドリードを訪問する、という皮肉も。

他の方のブログを参照すると、
スペイン語の原題「Que Dios nos perdone」は「神が我らを赦し給うように」で、
英題「MAY GOD SAVE US」は「神よ、我らを護り給え」となり、
やや意味がズレてくるところ、
邦題「ゴッド・セイブ・アス」では「神は我らを護り給う」と、
意味が逆になってしまう、との指摘。
日本人にわかりやすい英語にしようとすると、無理が生じるね。

アルファロのキャラクターは可愛い。
でも、さすがにあそこまで自滅型だと、ついて行けないなぁ。



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