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マンガ家Mの日常
慣れない国での移動は困難を伴う。
日本だったら、もっとスムーズに動けて、時間も無駄にせずに済むのに。

昨日は中央駅でベネチア行きの列車のチケットを予約購入。
メトロから列車の乗り口やチケットオフィスの場所が遠くて、分かり難く、しばし迷った。
道行く人や構内のスタッフにも尋ねたが、英語があまり出来ない人も多く、皆、説明下手。
何とかチケットオフィスに辿り着いたけど、購入のシステムが分からない。
案内係りは年配のオジイで、英語が通じない。
かろうじて、片言で通じて、
購入待ちの整理券をもらう。
それがまた、やたらと長く待たされる。

イタリアではメトロでも、券売機が少なく、故障や作動させていない物も多い。
おまけに、チケットの種類が多くて、欧州の旅行者でもまごつく。
購入者の長い列が出来る事がしばしば。

本当に、日本ならこんな事は無いのにと、つい考えてしまう。

いつもは売店でチケットを買えるのだけど、今日は日曜日で、構内の売店が閉まっている。
会場行きのメトロに乗る為、券売機の列に並んでいると、

ブリジットがすぐにイラつき始めた。
欧州の地域にもよるのだろうけど、メトロのチケットはまとめ買い出来る。
ブリジットはまとめ買いを勧めるけど、市内との行き来でチケットの種類が違って、
使えない場合もあるので、まとめ買いはしていない。
まだ十分に時間はあるのに、ブリジットは焦って、先にホームに行くと言って来た。
メトロの本数も少なくて、次のにはちゃんと間に合うのにね。
ブリジットが友達とのおしゃべりをするので待たされたり、
今朝も朝食の時に、いきなり間際でもう1本早いバスに乗りたいと言いだして、
でも、部屋でブリジットがトイレを使う時間があって、
結局、ギリギリでバスの時間に間に合わなかった。
急ぎたいなら、もっとちゃんと計画してくれ。
で、バスはいつもはキッカリオンタイムで来るのだけど、
日曜日だからなのか、4分遅れて来た。
ちょうどホテルのロビーに戻りかけた時に来て、引き返そうとしたけど、バスは時間の遅れを取り戻そうとしていたのか、
猛烈な勢いで走り去った。
もう30分後の、元々の予定のバスに乗るべく、ロビーで待つ。

時々、ブリジットは、私を待たせる事には無頓着なのに、自分が待つ側になるとイラつく。


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ミラノ到着の初日と2日目はそこそこ暑くて、ジャケットを着ていたのを後悔した。
ところが、3日目は終日雨模様。
傘が無くても何とかなる程度ではあったけど、冷えた。
そして、4日目、天候が回復してまた暑くなる。
と思ったら、今日、5日目は朝から濃い霧。
4、50m先の視界が怪しい。
日が高くなるにつれて回復。
でも、油断ならない。

ミラノの天候の変化がこんなに気まぐれで激しいとは。
天候と、移動の繰り返しとで、体力を奪われる。

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海賊版商品で行商して回るのが、必ずしもダメだとも言えない。
SNSでは、既にそのようなサイトは溢れているし、
かつてのグレイトフルデッドは、ファンが多くのコンサートを観に来てくれるように、
海賊版商品や彼らのサイン色紙等、各自が売れるように計らっていた。
結局は、彼らのファンが増えて、収益にも繋がった。
例外的なケースなのかもしれないけど。

繰り返しになるが、
要は、ブリジットは嫌だと思うなら、宿泊も商品も、断れば良かった、ただそれだけ。
でも、ブリジットは善き人であろうと努めるあまり、自らを失った。

ブリジットはいつもにこやかで感じ良いけど、逆に何か鼻につく気がしてしまう。
アフリカ系フランス人で、白人が大半を占めるU2の観客の中では目立つ存在。
薬局を経営しているらしく、一定期間必死で働いて、
その分でU2の世界中のコンサートに通っていて、
メンバーやスタッフにも顔を覚えてもらっていて、時々優遇されている。
多くのファンからすると、ちょっとウザいと思われる時がある。
そういう時、逆に彼女の人柄について大袈裟に誉め立てる人達もいる。

ブリジットが善き人であろうと努めるのは、
フランスにおける黒人の立場によるのかもしれない。
誰しもが、様々な出自を抱えている。
その点では、コロンビアの経済事情を背景にするマルセラと、半ば共通するとも思える。

マルセラは男性に受けそうな美女で、メンバーやスタッフに対しても積極的に振る舞う。
そういうところが、ブリジットの女性としての競争心を駆り立てているような気もする。

今回、ホテル予約でブリジットが手続きを怠り、来てから追加料金について知らされた。
それはブリジットが責任を持って支払ってくれるが、
一応明細を見せられ、その上で、私へのプレゼントとして自分が支払う、と言われた。

でも、元々彼女のミスで発生したトラブルで、正確な料金を先に提示されていれば、
私は個人で別の、もっと便利なホテルを選択していただろう。たらればの話ではあるが。
ブリジットは好意として言っているようではあるが、暗に恩を売ってしまっている。
日本人感覚かもしれないけど、そういうのが面倒。
ありがとうと、頭を下げる気になれない。

昨晩、深夜、コンサート会場からホテルに戻るのに、Uberを使うことになった。
その事については事前に私から相談していて、
ブリジットは自分のUberアプリがあるから心配無い、といった返事だったが、
いざその場になると、Wi-Fiがどうとかで、私のUberアプリでやって欲しい、と言われた。
会場、地下鉄の駅、ホテルの位置関係で、実のところ会場とホテルはそう遠くない。
会場からUberを呼べば、途中までの地下鉄料金が必要無かったのに、と思ったが、
諸々ブリジットも手際が悪い。

Uberはピックアップ場所を駅から遠くに指定して来て、
深夜、知らない場所を探すのに歩き回る羽目になった。
すぐにはたどり着けず、すると、Uberは待機分の代金も請求して来た。
ドライバーに、ピックアップ場所の問題を強めの口調で指摘したが、
降りた後、ブリジットはドライバーに、あなたは悪くない、といったような事を言っていた。

自分ひとりでそんな良い子ちゃんしようとするから、
マルセラとの問題のような事に繋がるんだよ。
そう言ってやりたい気持ちを抑えた。
そこまで親しくはないから。

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為替レートの差があるから、
コロンビアから旅費をかけてでも欧米に行商に来るのは有益なんだろうか。

前回のツアーで、ブリジットはNYとフィラデルフィアのツアー中の8日間、
マルセラをホテルの部屋に泊めてあげた。

私は今回ブリジットからのお誘いを受けて、部屋代割り勘で泊まっている。
ただ、前のブログ記事で書くタイミングを逸していたけど、
ホテル側は2人使用で料金を少し上乗せして支払いを求めた。
ブリジットが事前に確認していなかった事によるトラブルではあるので、
ブリジットは差額分は自分で支払うと申し出てくれた。
それでも、元の料金の割り勘分があるので、シングルで泊まるよりはやや割安になるから、
それでよしとしてもらおう。

私はちゃんと部屋代をブリジットに支払っている。
ところがマルセラは、全日程ただで泊めてもらった。
それは、マルセラの経済事情を汲んでのブリジットの好意だったけど、
流石に8日間はブリジットもシンドくて、気になったらしい。
アメリカのホテル代は高いのだ。

その時もマルセラは行商の品を持っていた。
マルセラがそれをブリジットに見せたので、ブリジットは宿泊のお礼かと思ったら、
マルセラは商品として代金を請求した。
ブリジットは自分用と友達へのプレゼントで、ナップサックを4つ購入した。しめて60$。

その後もマルセラは毎回同じように、あちこちのU2ツアーで、
無料の宿泊の要望と、行商商品売りつけを繰り返す。
温厚なブリジットも流石にウンザリ。
海賊版商品を欲しい訳ではなく、マルセラへの支援の意味だった。
それを延々と続ける事は出来ない。
多分、ブリジットは私より経済的に余裕があるから、つい気が緩んだのだろう。
私はマルセラからの2回目の商品売りつけから、サッサと断っている。

更には、マルセラがコンサートをキャンセルした事も発覚して、
ツアーの為ではなく、行商目的で欧米に来て、Facebook等で皆に近寄っているようで、
ブリジットはそれ以降マルセラを相手にしないようにしている。
ファン同士の助け合いは大事だけど、一方的に甘えるのは人間関係を悪くする。
また、ブリジットは、大好きなU2の海賊版商品で
マルセラ達が稼ごうとしているのが不愉快だった。

最初に大幅な甘えを容認したブリジットにも若干の問題はある。
容認したからには、怒る資格は無い。
とは言え、やはり基本ブリジットが正しい。
もしU2のツアーに来たいなら、マルセラは海賊版商品を売るのではなく、
正規の仕事を探して働いて、ツアー代を支払えるまでお金を貯めるべきなのだ。
皆、そうしている。

ただ、パリで生活しているブリジットと、コロンビアのマルセラでは、
彼女達を取り巻く社会の経済事情にかなりの差がある。
裕福な欧米社会の物差しでマルセラを測っても仕方ない。

ブリジットの毒が垣間見えた瞬間でもあった。

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ツアーで時々出会うコロンビアの美女マルセラ。
ブリジットから話を聞いて、少し驚いた。

コンサートの帰りにiPhoneを見ると、マルセラからメッセージが来ていた。
日曜日にU2のコンサートに来るのだけど、旅費の足しになるよう、グッズを売っている。
私にもそれをいくつか買ってくれないか、と。

以前、彼女達が作って持って来ていたナップサックを2個買った。
U2の写真がプリントされていて、海賊版なんだけど、まぁ悪くない。
遠くからコンサートにくる為に、お金を作りたい気持ちは分からないではないので、
その時は2個買ってあげた。

ところが、次のツアーではキャップを買ってくれないかと言って来た。
ちょっと面倒だったので、断ったんだけど、
NYで部屋に泊めてくれたジェニファーは心が広くて、
マルセラからキャップを買って、私にプレゼントしてくれた。

そしたらまたまた今回、メッセージで、リストバンドを買って欲しいと来た。
要らない物に支払う余裕が無いので、断りのメッセージを送った。

ブリジットに話すと、更に輪をかけた話が飛び出てきた。

実際のところ、マルセラは、U2のファンというよりも、
グッズを売ってお金を稼ぐのが目的らしい。
それは、コロンビアの経済事情も関係してるが。
ブリジットも色々買わされて、迷惑していたとの事。
助けるつもりで一度買ってあげると、次からは次と言ってくるので、閉口していた。

そうだったのか…。

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