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マンガ家Mの日常
バンクシー作「風船と少女」

オークション会場で競り落とされた瞬間に、
額縁に仕掛けられていたシュレッダーが作動し、絵の下半分が切り刻まれた。
裁断が途中になったのは、シュレッダーの故障。

その作品の落札価格はおよそ1億5千万円。

それが、タイトルも新たにオークションにかけられ、29億円で落札された。

何だか馬鹿馬鹿しい。
所詮、ステンシルでしょ。

落札者は、美術の歴史の一部としての価値を見たのだろうけど、
こんな物、安い手品でしかない。

バンクシーという虚構に、何を求めるのか。
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ネットニュースで、増山法恵氏の訃報を知る。

竹宮惠子先生による通達の形となった。


かねてより、喘息等の複数の持病を抱えて療養中で、
状態は安定していた筈が、6月30日に突然亡くなられた。
訃報が自然に伝わるのを望んでいたが、
竹宮先生のところに頻繁に問い合わせがあり、
タイミングを計って、竹宮先生からの発表となった。

短い記事だったので、それ以上の詳細は分からない。


何とも言い難いけれど、

竹宮先生としては、この数年間の増山氏の容態を見て、この日を予期し、
増山氏の心残りを少しでも軽減させようと、若き日の問題を見つめ直し、
今作を手がけたのではなかろうか。

願いが叶ったとは言えない運びになってしまい、残念だったけど、
それも一つの区切りなのかもしれない。


ご冥福をお祈りします。


巨星堕つ。
  
84歳、膵臓がん。

「ゴルゴ13」は、さいとう先生の遺志もあって、
ご本人抜きで、現在の分業体制により継続されるとの事。



個人的には…、

「ゴルゴ13」に限らず、
作者が亡くなられて、スタッフによる継続となると、
作品がマニュアルになってしまい、
進化も変化もしなくなる(出来なくなる)ので、
作品は作者と共に完了とするのが妥当なように思える。

スタッフのお給料の事とかあって、
継続せざるを得ない事情もあるんだろうな。



麻生太郎さん、
総裁選で超多忙とは思われるけど、
追悼を伝えられるのかな。

先日の佐伯先生の訃報で、
共通の知り合いである先輩のマンガ家さんにメールしてみた。
その方とは毎年の年賀状のやり取りはしているが、
もう10年以上、直接の連絡は取っていなかった。
メルアドが変更になってはいないかと危惧しつつ、メールしてみると、
ちゃんと送信されたようだった。
翌日には返信をいただいた。

ご家族の事情で、地元に帰っておられたが、
メールの文明は、当時の朗らかなお人柄のままだった。

葬儀のように、誰かの死が、人の再会を促す。

佐伯かよの先生の訃報に接して、

否が応にも、専属アシスタント当時の事を思い出した、

鮮明に。


人と人とは、所詮相性。

なので、私の2年間で体験した事、感じた事が
佐伯先生の全てではないけれど、

大泉の仕事場で過ごした、私の2年間もまた真実。


その時の事を思い出して書こうとすると、

佐伯先生についてはネガティブな話となる。

それは、やはり、
せめて49日が過ぎるまで待とう。

ご遺族のお気持ちに配慮して。