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マンガ家Mの日常
番組冒頭、
国際ロマンス詐欺は、外国人が日本人をターゲットにするとある。
お金を持っている事、情にほだされやすい事、
そして、恋愛に疎い事等が、ターゲットにされる要因だろうか。

詐欺犯は井出先生のプロフィールを調べてターゲットに定めたのだろう。

ある日facebookに突然メッセージが来る。
送り主はハリウッドスターのマーク・ラファロ。
アカデミー賞やゴールデングローブ賞等に複数回ノミネートされた経験を持ち、
大ヒットシリーズ「アベンジャーズ」で主要キャラクターのハルクを演じている、
押しも押されぬハリウッドのトップ俳優。

ハイ、ハッキリ言って、その時点で明らかに詐欺と気付くべきだった。
SNSでのなりすましは横行している。

井出先生もすぐに本人だと信じたわけではない。
ところが、マンガ家である井出先生には、
大物からのメッセージを受け取って信じる素地があった。

作品のいくつかは英訳されて海外でも販売されている。
クールジャパン以降、日本のマンガを重要な文化と位置付けたイベントが
海外の格式ある会場等で催されるようになり、井出先生の作品も紹介された。
マーク・ラファロ(なりすまし)からのメッセージでは、
共演女優から井出先生がマンガ化された「源氏物語」を勧められて読んで、
感動した、との事。
こうなると、これは100%無い話だとも思えなくなる。
世界的なミュージシャンが素人のYouTubeを見てコメントし、
そこからシンデレラストーリーが始まった例だってある。

その後メッセージのやり取りが始まり、まだ暫くの間は疑っていたが、
ビデオチャットが出来た事で信用するに至った。

画面でマーク・ラファロが直接話している!

しかし、番組が調査したところによると、
これはAIの簡単な技術で、顔の画像をシンクロさせて、
あたかも画像の人物が喋っているように見せかけただけらしい。

動きのぎこちなさを見れば、ただの画像処理だと気付くと思えるけれど、
いきなり本人の顔で親しげに喋られたら、動揺しても不思議はない。

井出先生がマーク・ラファロのファンだった事、英訳された作品、等々、
詐欺犯は下調べをしており、
メッセージのやり取りにもじっくり時間を費やした。

番組で専門家がメッセージの文章を検証したところ、
英語圏の人はしないような文法のミスが多数見つかった。
番組の最後では携帯でマーク・ラファロ(なりすまし)と話すシーンがあり、
相手の英語がネイティブスピーカーではない訛りがある。
ビデオチャットの時もおそらく訛っていただろうけど、
英語が苦手な世代の井出先生に気付く力は無かった。

(続く。)
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