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マンガ家Mの日常
盗作検証サイトというものを見て「トレパク」という言葉を初めて知りました。
メールやネットは出来ても、PC画像に関しては全く手付かずなので、
トレパクの手法もよく分かりませんが、
紹介されていた重ね合わせの画像みたいな感じでトレス出来るのかな?

ゲームを含むネット画像の場合、コピーが簡単だから
それが普通の感覚になっちゃうのかな。


「トレパク」と「盗用」を比べた場合、
分かり易いのは「盗用」で、即違反と見なせるのだけど、
「トレパク」って、他人の作品を自分が創造したかのように見せかけてるのだから、
作家としては「トレパク」の方が罪が重いように感じられる。
...浅ましい、と言うか、薄汚い、と言うか。


少し前に見たドラマ「MADMEN」シーズン5の中の会話。
主人公ドンの新しい若い妻が女優志望なんだけど、
オーディションに出続けてもなかなか合格しない。
その妻の母親が娘に対して、
「気質は芸術家だけど才能が無いっていうのが一番惨めね。」と突き放す。

我が身を振り返ってもグサリと来る台詞。

優れた作品を見て感動してその道を志しても、
夢に描いた通りには出来ないものです。

ゲームの製作者の方々も、素晴らしいものを作りたいという思いがあって、
おぼろげなイメージはあったのでしょう。
でも、それを推し進めて形にする才能が皆無だった。

次にいただいたコメントでは、
「ゲームの責任者は元編集者だったらしい。」とのお話もありました。
「ゲームキャラはあのマンガみたいなイメージで、
 といった指示の仕方だったらしい。」との事。

マンガの仕事ではやはり、編集さんから具体的なマンガ作品の名前を出されて
それを参考にするように言われる事がままあります。
お互いの共通項となる具体的なものがあると話がし易いという事もあって、
そういう伝え方になるのは分からんでは無いのですが、
真似するようにはっきり言われるケースもあって、困ったもんですね。
技術的な事だけなら良いのですけどね。
マンガに限った事ではなく、どういう分野でも、
技術指導は出来ても、芸術の指導は出来ないのです。

編集さんには編集さんとしての仕事があるので、
クリエイター目線で判断するべきでは無いのですが、
クリエイターでありたがるけど、貧困な発想力しか持ち合わせていないという
残念な編集さんの例が実際あって、
その編集さんのプランに乗っかったら酷い事になるけど、
批評したり無下に断ったりしたら機嫌を損ねてマズイ事態になるから、
どうやって回避したもんかと頭を悩ませ他事がありました。

先のゲーム責任者の方も「才能の無い芸術家気質」だったのでしょう。

(続く。)
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【2015/06/22 (月) 14:35】 | 仕事情報
トラックバック() | コメント(1)

無題
メリーベル
再度この問題についてのご意見を聞かせて頂き、
本当にありがとうございます。

才能のある編集者さんが担当してくだされば、作家さんとしてもいい結果が出せると思いますが、そういう担当さんばかりではないですものね。

当事者のゲームのキャラクターのイラストレーターさんは複数いらっしゃいますが、トレスをしたり、おそらく提示されたであろう元ネタが明らかにわかる方もいましたが、逆に全くそれを感じさせない方もいらっしゃいました。

「こんな感じのキャラで」と提示されたのは同じでしょうが、それをうまく噛み砕いて別物に仕立てるというのも、作家さんに必要な技術のひとつなのでしょうか。

それにしても、編集者さんと作家さんとでうまくコミュニケーションを取るのは本当に大変そうですね…。


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コメント
この記事へのコメント
無題
再度この問題についてのご意見を聞かせて頂き、
本当にありがとうございます。

才能のある編集者さんが担当してくだされば、作家さんとしてもいい結果が出せると思いますが、そういう担当さんばかりではないですものね。

当事者のゲームのキャラクターのイラストレーターさんは複数いらっしゃいますが、トレスをしたり、おそらく提示されたであろう元ネタが明らかにわかる方もいましたが、逆に全くそれを感じさせない方もいらっしゃいました。

「こんな感じのキャラで」と提示されたのは同じでしょうが、それをうまく噛み砕いて別物に仕立てるというのも、作家さんに必要な技術のひとつなのでしょうか。

それにしても、編集者さんと作家さんとでうまくコミュニケーションを取るのは本当に大変そうですね…。
2015/06/23(火) 02:18 |   | メリーベル #9c9eff3ae[編集]
[管理者用 返信]
Re:編集さん
マンガの編集さんで、本当に才能がある方というのは一握りでしょうね。(マンガ家同様?)
才能があったとしても、全ての企画が成功するわけでは無いので、失敗を恐れて消極的になってしまうようです。
大ハズレの無い二番煎じに走りがちになるのも多いのもそのせいなのでしょう。
本当に...、気の合う編集さんと出会うのは、結婚相手を見つけるのと同じくらい難しいと思いましたよ。(笑/涙)
2015/06/24(水) 00:51 | たまいまきこ

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