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マンガ家Mの日常
第二次大戦中、ナチス占領下のフランスの山村を描いたドラマ映画。


ピレネー山脈の小さな村にも、ナチスの部隊が駐留している。
羊飼いの少年ジョーはユダヤ人男性ベンジャミンと出会う。
ベンジャミンは村はずれに住むアリスの娘(故人)の夫で、
パリで生き別れになった娘アーニャが来るのを待っていた。
アーニャが来たら、一緒に山を越えてスペインに逃亡する予定。
ベンジャミンとアリスは他にも多くのユダヤ人を匿っている。
その事を偶然知ったジョーは、食料品の買い出し等、アリスの手助けをする。

戦場から帰還したジョーの父親も、アリスの手助けをする。
クラシック音楽愛好家のナチス中尉の為に教会でコンサートを開き、
部隊を教会に集めて、注意を逸らして、ユダヤ人達を山麓に移動させると、
翌日、羊の季節移動に合わせて、羊飼いに紛れさせて国境を越えさせる。
無事にスペイン側に入れたが、アーニャを待つベンジャミンと、
ベンジャミンを慕う幼お少女レアだけは村に残り、
その後ナチスに見つかり、収容所送りにされる。

戦況が変わり、部隊は村を離れる事となった。
ジョーの友達で知的障害のある少年は、
部隊の中でも心優しい伍長と仲良くなり、双眼鏡を譲り受けたりしていたが、
ベンジャミンとレアの事を知ると、双眼鏡を返し、
部隊が離れる時にはライフルを持ち出して、部隊に銃口を向けた。
冷酷な中尉はすぐさま彼を射殺。
「彼は撃つ気はなかったんだ。」と泣き叫ぶジョー。

ドイツは敗北し、村に平和が戻った。
1年後、アーニャが村に現れた。


おそらく、欧州各地で、心ある人々がユダヤ人の逃亡を手助けした、
その中のひとつの物語。
ピレネー山麓の風景が美しく、
フランスを脱出して自由を得たユダヤ人達の幸福な状況を表している。

アリス役のアンジェリカ・ヒューストンと、
ジョーの祖父役のジャン・レノの存在感が際立ち、ちょっと重いかな。

映画全体としてはやや起伏に乏しく、
それをカバーしようとしてか、BGMが過剰でちょっとうるさい。
ナチス支配からの脱出というテーマは定番ではあるが、
美しい物語なので、もう少しバランス良く制作出来ていればと思う。

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今日、J.comの技術者が来て、レコーダーの取り外しを済ませた。

ついでに、古いレコーダーも外してもらった。

録画して、最後まで見きれなかった番組も少し残ってたけど、まあ、仕方ない。
ダビングしておけば良かったんだろうけど、ダビング機能がダメになってたし。

まずは、高額な視聴料の支払いから解放された。

アンテナコードの付け替えも頼んだんだけど、それはやってくれなかった。
J.com、いつもながらサービス悪い。

グラフィックノベル「I Kill Giants」原作の映画化。


具体的な説明は無いのだけど、おそらくアメリカ東部の海岸沿いの町。
ローティーンの少女バーバラは、町を巨人達の襲来から守るべく、
罠を仕掛けたり、結界を張ったり、日々海岸や森の中を走り回っている。
兄のデイヴはTVゲーム三昧。
姉のカレンは社会人で、仕事と家事に奮闘している。

英国から引っ越して来たソフィアから話しかけられ、友達になる。
ソフィアはバーバラの巨人襲来の話にも耳を傾ける。
空想の世界に浸るバーバラは周囲としばしば諍いを起こし、
一時期はソフィアも匙を投げかけるが、
いじめっ子のテイラーに殴られて気絶したバーバラを自宅に運ぶと、
バーバラの悩みの原因を知り、改めて友情を深める。

バーバラは常にポシェットに手製のハンマーを携帯しており、
100年程も昔に活躍した大リーグ選手
コヴェルスキーにちなんだ名称を付けていた。
バーバラが籠っている地下の部屋に古いテープレコーダーがあり、
母親がコヴェルスキーの活躍について語るテープが入っていた。
フィラデルフィア・フィリーズで活躍したコヴェルスキーのニックネームが
「ジャイアント・キラー」だった。

2階の寝室には、重病で寝たきりの母親がいた。
バーバラは母に迫り来る死を「巨人」に見立てて戦っていた。
しかし母の死を恐れるバーバラは、寝室のある2階にさえずっと行けずにいた。
「巨人」とは、バーバラ自身が心の中に抱く、恐怖や不安、孤独の影だったのだ。
ソフィアやカウンセラーのモル先生の支えもあって、
バーバラはやっと母親と対面して話す事が出来るようになった。

数ヶ月後、母親は静かに息を引きとる。
「巨人」は穏やかさを取り戻したバーバラを見送るように海に帰って行く。


邦題は、ややネタバレ的だな。

パンフレットの短い解説文がわずかに記憶にあっただけで、
何だか暗そうな恐怖映画かと思って、長く手を付けずにいた。
ローティーンの少女の心の変遷を描いて、なかなかジワる作品でした。

見過ごしたのか、作中に説明が無かったのか、父親の姿が無い。
野球の話を、父親ではなく母親としていたのだから、
父親は早くに亡くなっていて、母親が父親代わりでもあったのだろう。
母親の病気についても、はっきりした説明が無い。
まぁ、そういう事は映画の主題を鈍らせるから、説明を避けたのだろう。

いつもながら、子供達の演技が凄くて、引き込まれる。

「恐怖」を化け物の姿で表現するのは、欧米に根付いている。
(実はほぼ読んでいないのだけど)やっぱり「進撃の巨人」をふと思い起こした。
こちらの巨人も、何らかのメタファーだったりするのかな。




先頃、マンガ家引退について示唆されていたが、
この程改めて引退を発表された。
4月4日発売号で、雑誌連載はラストとなる。 
「キャプテン翼」と共に歩んだ43年間。
お疲れ様でした。

先の報告でもあった通り、
今後はネームの形で連載を継続される。
完成原稿を描く体力が厳しくなったが、スピーディに物語を続ける為に。

成る程なぁ。


水島新司先生の「ドカベン」にしてもそうなんだけど、
学生スポーツマンガって、高校の全国大会での優勝で完結させるのが綺麗なんだけど、
キャラクターの人気が高いと、そのまま連載が継続される。
試合を丁寧に描いていたら、とてもじゃないけど、終わりが見えない。
雑誌連載を継続していたら、高橋先生は「キャプテン翼」完結までに40年かかるとか。
翼君、幾つになるんだろう。

アルゼンチンの2001年の預金封鎖をベースにしたコメディ映画。


のどかな農村地帯。
元サッカー選手フェルミンは地元の産業立て直しを図るべく、
農協をスタートさせる計画を立てる。
仲間達に相談し、開始資金の15万ドルを集めるが、まだ足りない。
銀行に融資を頼みに行くと、
支店長から15万ドルを個人口座に入金するよう勧められる。
それを見せ金として融資を受ける計画。
急かされたフェルミンは他の出資者達に相談する間も無く、指示に従う。
ところが、直後に政府は預金封鎖を発表。
ドルの引き出しや送金に制限を設けられ、フェルミン達は身動き取れなくなった。

ところが、支店長と弁護士マンシー達は預金封鎖の情報を事前に掴んでいて、
自らの資産をドルに換金し、フェルミン達のドルも奪っていたのだった。
動揺したフェルミンは自動車事故を起こし、同乗の妻を亡くす。
悲嘆に暮れて引きこもりになってしまったフェルミンを仲間達が勇気付け、
出資金を取り戻す計画を立てる。
その頃、支店長は事故で亡くなっており、
マンシーが郊外の土地に地下金庫を作り、現金を独り占めしていた。

金庫の情報を掴んだフェルミン達は、警報装置の誤作動を起こさせ、
マンシーが金庫のバッテリーを切るよう追い込む。
嵐の日を利用して、変電施設の一部を破壊し、停電を起こさせ、
地下金庫を解錠し、溜め込まれた現金を全て持ち出す。
出資金分を取り分け、残りは慈善団体に寄付する。
無事農協を開始させ、地元の雇用に貢献する。


「預金封鎖」という事例を初めて知りました。
アルゼンチン以外に、ウルグアイでも行われたそうで、
当時の南米の金融危機の深刻さを物語っている。

それでも、農村地域の人々ののんびりした空気は日本と大きく異なる感じ。

現金取り戻し計画は、素人っぽくて、これまたのんびりした感じだけど、
地下金庫の仕組み等については、アイデアを楽しめました。

フェルミンの息子はちょっとイケメンで、
弁護士事務所のアシスタントの女の子との恋愛模様もあるのだけど、
他の登場人物はまさしくど田舎のおっさん達で、
それはそれで親近感がありました。

ネットで他の方の感想を読むと、
設定の雑さ等に手厳しい意見も散見されましたが、
これはこれで良いのかなってところです。

ナレーションの通り、正直な働き者がバカ扱いされる、
そういう世の中の風潮に一石を投じる喜びに、
アルゼンチンの観客は大いに湧いたそうです。