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マンガ家Mの日常
最終日。
朝から頑張って、17番ゲットして、
今日こそは落ち着いてコンサートを楽しもうと思った。

でも、どうしてか、
今回上手く事が運ばない。

メインステージ最前列を確保。
隣は、ブリスベンで会ったジャネイだった。
普通に、感じが良い人。

感じが良いのは良い事の筈なんだけど。
ジャネイはコンサート開始直前になって、
親切心から、背の低い女の子を前に入れた。
自分の場所を明け渡すならともかく、私との間に入れて来た。
その子にしても、少し前までは近くにいなかった。
いつの間に前方に潜り込んで来たんだか。

最初こそはレールにそっと手を置く程度だったが、次第に腕が広がって来て、
私の腕に被さって来る。
個人的に、そういうのが気持ち悪く感じてしまう。
少しスペースを譲って何とかなるなら良いけれど、元からスペースは厳しい。
少し避ければ、避けた分だけ腕を広げて来るだけ。案外図々しい。
別隣りの人の方に、私が押していくわけにもいかない。
そんな失礼な事は出来ない。
少しその子の腕を払ったが、分かっていないのか、
触れるのを気にしないタイプなのか。
私の方が意地悪をしているかのようで、それもまた嫌な気分にさせられる。
変に気になって、コンサートに集中出来ない。

暫くしたら、ジャネイは自分の前にその子を入れて、
もう1人、その子の友達が姉妹だかを私の横に入れた。
勘弁してくれ。
善行は、他人の財産をあてにしてするものではない。

反対側に男性がいて、ジャネイはその人とは親しそうだった。
だったら、その人をあてにするべきではなかろうか。
そうせずに、私の方に女の子を差し向けたのは、私を軽んじているから。

もう1人の子はやや年上なので、私が間に少し指を通したら、
何回かの後に理解してくれたようで、
身体が当たらないよう、少し後ろに下がってくれた。
終盤に近くなって、ようやくコンサートに意識が行くようになれた。

神経質だとも思うけど、こうした触覚が気持ち悪くて、
意識の妨げになるのは、性質だから仕方ない。
(地下鉄の座席で、腕を横に広げる人も嫌だ。)
加えて、辛い思いを乗り越えて取った最前列で、
最終日のコンサートを、やっと落ち着いて見られると思っていたのに。
何も、開始直前に女の子を入れなくても…。

背の低い子に対する思いやりは良い。
ただ、私自身、欧米人より小柄で、ステージが見え難いから、
最前列目指して努力して来た経緯がある。
簡単な事ではなく、長い道のりで、苦労を重ねて来た。
その子達も、努力して最前列を手に入れるのが良い。

U2の初のインド公演で、記念的なイベントではあるけど、
U2が聴きたければ、海外に行くという方法もある。
女の子達はまだ10代半ばくらいのようだったけど、
8000ルピー、日本円で12,000円はするコンサートチケットを買って来るのだから、
カーストの上位で、それなりにお金持ちの家の子達。
背が低いからといって、私が長年苦労して、やっと得た最前列のスペースを
この子達に譲る意味がどれ程あるだろうか。

U2のコンサートに真剣になり過ぎるあまり、
色々な事が気になってしまう。

自分の人生を振り返る。


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ヴィクラムやメリッサがGAラインをガッチリ運営してくれているので、
ムンバイは完全にアメリカ方式で、
8時にリストバンドを受け取った後は解放された。
午後2時30分に再度列を作り直すまで、ゆったり休める。
彼らには頭が下がる。
彼らがいなかったら、毎回酷い押し合いになって、怪我人が出たかもしれないし、
欧米人に比べて小柄な私などは、弾き出されていただろう。

ブリジットの事はちょっと引っかかるけど、忘れる事にしよう。

ソウルの会場で近くにいたグレッグが来ていたので、
思い切ってフェデリーカについて話してみた。
フェデリーカが私を押すから、韓国人女性とトラブルになったのだが、
中には、私が彼女を押していたかのように誤解していた人もいたので、
ちゃんと話しておきたかった。
話してみると、グレッグは、ちゃんと状況を理解してくれていた。良かった。
だったら、助けてよね、とは思うけど。
フェデリーカが後ろから私を押すので、
グレッグは彼と私の間にフェデリーカを入れた。
でも、それでは、またフェデリーカが私を横から押すだけで、
あまり効果は無かった。
でも、まぁ、
理解してもらえていた事が分かって、ホッとした。

フェデリーカと無関係の韓国人女性には迷惑をかけたし、
ソウルのコンサートの状況があまりに情けなくて、少し泣けて来た。
すると、すぐ側を通りかかった人達が「大丈夫?」と声をかけてくれた。
そういう気遣いの仕方は、欧米の美徳。
グレッグもフォローしてくれた。

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ついに、ツアーラスト。

早朝、メリッサからのメッセージで、GAラインについて知る。
4時頃には会場に来ていたらしく、メッセージが来たのは4時20分頃だった。
何となく目が覚めて、5時10分に気付いて、急いで用意して出た。

GAの名簿を見ると、ブリジットはいち早く来ていた。
えっ?

おそらく、概ねその時間にGAが始まるという情報を得て来ていたと思われる。
彼女がすぐ近くに止まっている様子は無く、他のファンから連絡を受けて、
早朝移動して来たのだろう。
昨夜9時頃メッセージした時、既に返事が「おやすみなさい」だったので、
なんとなく妙だとは思ったが、しっかり備えていたのだろう。

それだけならともかくなんだけど、
ムンバイ到着から「GAの情報があったら教えて。」と言うので、
私としても分かる限りの事を知らせていたのだけど…。

ブリジットは、一番肝心な情報は、私に伝えようとはしなかった。

少し、裏切られた気分。

ブリジットからのメッセージは、私が番号を得た直後くらいに届いた。
彼女が番号ゲットに向かう時だったら、素直に信じられたのに。
どんなに良い場所で、何回も見ていても、
やはり、無用のライバには退散いただきたいという事か。

友達ではなかったって事かな。

それでも、メリッサのおかげで、17番ゲット。
悪くない。

気持ちを切り替えて楽しもう。

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ツアーに出る直前、
いつもお守りがわりにつけていたネックレスを忘れたのに気づいた。
取りに戻る時間が無くて、
これもまた何かのひとつの兆しとして、良い方向に考えるよう努めた。
治安の悪い国では、ネックレスなどしない方が良いのかもしれない。

でも、意に反して、トラブル多発。

コンサート会場で、フェデリーカには酷い目に遭わされた。

ソウルは昭和の日本的な感じだったが、
旅行に関してはほぼ問題無く機能していた。

マニラは生活レベルがかなり下がる。
全ては社会のシステムに起因すると思う。
とにかく、効率が良くない。
わかりやすい例で、コンサート会場のフードコート。
店舗が少なく、大勢が長蛇の列を成している。
もっと店舗数を増やし、販売する食品も、手間のかからない物を増やせば、
客の回転率が上がって、収益もアップする。
スパイシーな料理の後は、コーラやアイスクリームが欲しくなるのに、
店舗は無いし、買う時間の余裕も無い。
みすみす、収益アップのチャンスを逃している。

移動日、予約していたタクシーは、道路の一部封鎖で15分遅れで来た。
加えて、マニラ空港の入口でも、列が出来ていたのには愕然とした。
それは、簡単な荷物チェックで、すぐに通れた。
ところが、乗り継ぎのバンコクでまたトラブル。
カウンターに更なる長蛇の列。
搭乗1時間前にはカウンターが閉まる場合もあるのに、列が全く動かない。
システムトラブルだったそうで、解消したらスムーズに動き出した。
でも、搭乗時間は迫る。
慌てて駆けてゲートに行った。
格安チケットだからか、いつもゲートが遠い。

後でメールを見ると、結局フライトは40分遅れになっていた。
そして、夜間、ムンバイに到着。
アライバルビザはスムーズに取れた。
両替は、手数料が高くて、かなりぼったくられてる感じ。
クーポンタクシーを頼むが、スタッフの英語がインド訛りで分かり難いし、
クレジットカードが機能してくれない。
なんとかタクシーに乗れたは良いけど、
運転手はほぼ英語が話せなくて、話が通じない。
マニラの運転手は一通り話が出来たので、ここで既に開きがある。
更に更に、運転手はスマホは持っているものの、ナビが使えてなくて、
ホテルの近くにまで来てからが大変。
明らかに違う場所に行き、ジタバタするがどうにもならず、
予約サイトに電話して、運転手に話してもらうが、ラチがあかない。
暫くして、通りかかった車を止めて尋ねたら、
身なりの良い人達で、英語も堪能。
何とか助けてくれようとした。
場所が分かりそうだったので、彼らは私にこちらの車に乗るよう言ってくれたが、
それは、タクシー運転手が何故か拒否する。
確かに、見知らぬ人の車に乗るのは危険だけど、
全体の状況を判断すると、
このままタクシー運転手といるより、遥かに良いと思えた。
その後、通りかかったオート三輪の運転手がホテルの場所を知っていて、
誘導してくれた。
何とかホテルに到着。
既に12時直前。
ここまで遅くなる筈ではなかったのに。

そしてまた、
予約サイトでは、
ホテル代金はクレジットカードで自動引き落としになっている筈が、
ここでも、前払いを要求される。
またもやサイトに電話して、何とか交渉。
一応、リファンドするとの説明は受けたが、安心ならない。
すっかり疲れきってしまった。

そうしたら、運転手が金を払えと言う。
荷物を運び出しもしてくれないのに。
少し話を聞くと、誘導してくれたオート三輪の運転手に50ルピー払えとの話。
それは、まあ理解出来なくはないが、
ついた早々でルピーのレートもよく分かっていなかったし、
ホテル近くまで来てから1時間近くもゴタゴタして疲れ切っていたし、
タクシー運転手がちゃんと動けていれば良かった事なので、支払いは断った。
タクシー運転手が彼に払えば良い。

まず、ベッドに横になる。

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昨夜、マニラ、フィリピン・アリーナでのコンサート。

前日、ブリジットを含め、10人程会場に来たものの、GAのラインは作れず。
結局コンサート当日の朝、開始予定。

同じペンションに泊まっていた、ジョシーとリアと、朝5時に待ち合わせして、
再びのトライシクルで会場に向かう。
まだ誰も来てなくて、2人がGAのノートを用意する。
間もなくブリジットやフェデリーカ達も来るが、はっきりした形にならない。
そして、GAベテランのヴィクラム登場。
地元のファンに指示を出しつつ、セキュリティとの交渉をサクサク進める。
地元のセキュリティ・ヘッドと話し合い、
最終的には、U2ツアーのセキュリティ・ヘッドのスコットが現れ、
慣れた雰囲気でヴィクラムと話す。
スコットは、GAの列がスムーズに進む事を確約してくれた。
ヴィクラムの手腕に脱帽。頼もしい。
彼がいなかったら、初めての土地で右往左往しただろう。
ブリジット、顔が通ってるんだから、少しは頑張れよ。

穏やかに会場入りして、中央最前列をゲット。

しかし、嫌な予感があった。
私は3番だったが、8番のフェデリーカが私のすぐ横に来た。
案の定、ジワジワと押して来る。
最前列の最高の場所なのに、更に中央寄りでないと我慢できないのか。
我儘で嫌な感じ。

ソウルの二の舞にならないように、
なるべく気にしないようにして、なんとかやり過ごす。
それでも中盤には、直接私に場所を少し譲るよう言って来た。困った女だ。

微妙な感じは拭えなかったが、
Bonoが私にハーモニカを投げてくれたので、一気に気持ちが跳ね上がった。
フェデリーカの夫?のルカが、ハーモニカを求めるボードを出していたが、
Bonoは明らかに私に向けて投げてくれた。
フェデリーカ達の手に当たってハーモニカは床に落ち、ダメかと思ったけど、
状況を見ていたセキュリティが、しっかり私の手に握らせてくれた。

この夜は、それで、もう天国。

ソウルと違って、マニラの観客は良い子達だった。
すぐ後ろにいた女の子達に、ラスト3曲で最前列を譲った。
これはアジアツアーだから、私にも十分に資格があるけど、
その夜は、フィリピンの為のコンサートでもある。

1つ良い事があったら、1つ分かち合う。

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