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マンガ家Mの日常
デンマークのミステリードラマのミニシリーズ、3作のうちの第2作目。
以前観た記憶があったけど、再放送を改めて鑑賞。


犯罪心理分析官ルイーセは、亡き母の友人アリスから事件捜査の依頼を受ける。
検察トップのアリスは、5年前息子マークスを殺害され、犯人不明のまま。
脳腫瘍で余命数ヶ月と宣告され、犯人逮捕に執心する。

地元では当時同様の連続殺人と思われる事件が起きていた。
ルイーセは、事件直前にアリスの邸宅に何者かが侵入し、
マークスの物を盗まれていた事から、犯人の特徴を分析する。
警察の捜査責任者カリーナは、ルイーセの分析力を高く評価しており、
捜査チームへの協力を要請。
時を同じくして、同様の殺人事件が発生する。
犯人は証拠となる指紋やDNAの類を一切残さず、被害者を拷問した後、殺害。
過去の被害者についても調査を進めると、
いずれも、何らかの分野で秀でた若者で、
マークス同様、業績の記念のような品物が、殺害直前に盗まれていたと判明する。

地元の名士である開発産業者の息子ヴィリアムが拉致される。
ルイーセは父親に事情聴取しに邸宅を訪れ、監禁場所を割り出すが、
既にヴィリアムは殺害された後だった。
ルイーセとカリーナは、過去の犯行時に何らかのストレスを抱えていた人物や、
ヴィリアムとの不動産トラブルに関連する人物に焦点を当てて特定を進める。

捜査が進まない事に苛立つアリスは、検察を自主退官し、
アリスの邸宅に宿泊していたルイーセの部屋から捜査書類を抜き取り、
当時の犯罪現場の写真等と共に、SNSで情報提供を呼びかける。
捜査書類を無断で暴露されたルイーセは、カリーナの信頼を失いかけ、
アリスとは仲違いして、邸宅を出る。
恋人のデーヴィズが同居や結婚について話し合う為会いに来るが、
互いに将来を見通せないまま、破局。

その頃、ルイーセは偶然出会った男性ピーダと親しくなる。
ピーダは製材所で働いていて、有能で、オーナーから後継を望まれていた。
私生活では、キャリアウーマンの妻が仕事でシンガポールに移住していて、
離婚を突きつけられ、息子と2人暮らし。

アリスのSNSについて、
過去に似たような手口で殺害されかけたという大学教授が名乗り出て来た。

(続く。)

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ノーベル物理学賞、ノーベル化学賞、2冠に輝く天才科学者の伝記映画。


ストーリーはもはや説明不要か。

1893年、26歳のポーランド人女性マリア・スクウォドスカは
パリのソルボンヌ大学で学んでいたが、研究への強い信念が災いして、
当時の男性優位主義の教授陣に疎まれ、研究の場を失いかける。
同じく」物理学者のピエール・キュリーと知り合い、研究室を提供され、
共に研究に邁進する中、結婚に至る。

新元素ラジウムとポロニウムを発見。
それらが発する放射線を「放射能」と命名し、科学の発展に寄与。
1903年にノーベル物理学賞受賞が決定したが、
当初はピエールのみが受賞者とされていた。
抗議の末、マリも共同受賞者と認められたが、怒りから授賞式を欠席する。

放射能はキュリー夫妻の健康を徐々に蝕んでいた。
体調不良のピエールは1906年、馬車に轢かれて亡くなる。
失意のマリを支えた助手のポールと不倫関係に陥り、スキャンダル発覚。
ピエールの後任として大学教授の座に就いていたマリの立場は危うくなるが、
1911年にはノーベル化学賞を受賞し、地位を確固たるものにする。

マリの放射能研究はレントゲン検査として、医療にも大きく貢献した。


「ゴーン・ガール」等、強い女性の演技で高く評価されるロザムンド・パイクが、
知的で、(悪く言えば)我の強い天才科学者を演じきった。

映画を観るだけでも、マリの天才が桁外れだと知らされる。
まさしく、「ガラスの天井」を破った。

原作はグラフィックノベルだそうで、原題は「Radioactive(放射能)」。
でも、原作にも映画にも、邦題では「愛」がどうたらって付けられる。
マリ程の偉人でも、女性は「愛」を売り物にしなければならないのか。

日本では未だに女子学生の理数系への関心が低く、成績低下へと繋がっている。

いつになったら自由に、あるがままの羽を伸ばせるのだろう。

こちらもフランスのお料理映画。
女性版。


天才肌のシェフ、カティは
こだわりの強さからオーナーシェフと喧嘩してクビになる。

レストランの仕事を探すが、思うように行かず、
ようやく採用されたのは、移民の少年達の自立支援センター。
住み込みで薄給、当初は調理のみだったが、
センター長ロレンゾの希望もあって、少年達に調理実習を開始する。
カティ自身、施設育ちで辛い境遇を生きて来ただけに、
少年達に仕事の厳しさと重要性を理解してもらおうと奮闘。
主にアフリカ方面から来た少年達は、
18歳までにフランス語を習得し、就学出来なければ、国外退去させられる。
ちょっと荒れた青年もいたが、調理実習希望者は増え、皆真面目に習う。
頑ななタイプのカティ自身も、周囲との協調を学ぶ。

少年達の中に、実は既に18歳を超えていた者もおり、国外退去が下される。
カティとロレンゾは少年達を救う為に何か手立てはないかと模索する。

カティの元の勤め先のオーナーシェフがホストを務める
お料理バトル番組に出演を決意。
最終戦まで勝ち上がると、アシスタントとして少年達を出演させ、
彼らの境遇や働きぶりを知らしめる事で、理解を求めようとする。
番組を観たレストランのオーナー達から、少年達へ仕事の依頼が届く。

多くの少年達が無事仕事を得て定住出来るようになったが、
残念ながら一部の少年達は国外退去となった。


実際の支援活動を行なっている教師カトリーヌ・グロージャンがモデル。
フランスの移民問題の現在を考えさせられる。
映画の中でも、国外退去処分となった少年達がいたように、
夢の扉が開かれないケースも多いのだろう。

全体的には、特に大きな波は無い作品だけど、
シンプルな料理と共に、心が安まる。

「ウィ、シェフ!」という返事は、シェフへの絶対的な服従を表す。
同時に、シェフの側も、部下への責任を負う決意が求められる。
職場における信頼関係の構築が重要。




フランスのお料理コメディ映画。


天才肌の料理人ジャッキーは、料理へのこだわりの強さから妥協を許せず、
周囲とトラブルを起こして転職を繰り返していた。
同棲中の恋人ベアトリスが妊娠した為、定収入を求めてペンキ塗りの仕事に就く。
仕事先の老人ホームでも厨房の作業に口出しがやめられず、調理を始めると、
瞬く間に人気となる。

パリの老舗三ツ星レストラン「カルゴ・ラガルド」のシェフ、アレクサンドルは、
長年の三ツ星獲得のプレッシャーに疲弊。
新作メニューの創案にも行き詰まっていた。
若社長マテールは、三ツ星を獲得に失敗したら、シェフを交代させると告げる。
悩んだアレクサンドルは、老人ホームにいる先代オーナーに相談に行くと、
そこで提供されている料理の上質さに驚き、ジャッキーと出会い、スカウトする。
2人は互いのこだわりから当初反発もしたが、次第に信頼関係を深める。

ミシュランの調査員が来るらしいとの情報があった当日、
アレクサンドルは店をジャッキーに任せて、娘の論文審査会に行く。
しかし、アレクサンドルを退陣させたい若社長マテールが野菜市場に手を回し、
食材を買えないようにしていた。
焦ったジャッキーは、周囲の人々の声に耳を傾け、協力し、
近所のスーパーでありったけの食材を購入して料理を完成させる。

無事三ツ星獲得に成功。
ジャッキーの力量を認めたアレクサンドルはシェフの座を譲り、引退を決意。
一方、息子マテールのやり口に起こった先代社長は、
マテールを下働きに降格させる。

周囲との協調を学んだジャッキーは、恋人と無事結婚。
めでたしめでたし。


美味しそうな料理と共に楽しめる軽妙なコメディ。
ステレオタイプで、目新しさはないけれど。

主演のジャッキー役のミカエル・ユーンは、
コメディ俳優として長いキャリアがあるようだけど、情報が少ない。
アレクサンドル役は重鎮ジャン・レノ。

自宅で本格フレンチは無理だけど、
ちょっと新しいスパイスや食材を試してみたくなるね。


感想。

個人的に、
自分が恋愛体質ではない事を思い知らされたね。
韓国(米韓合作)のロマンス映画の緩いムードにも合わなかった。

2人共、恋愛感情を引きずりながら、はっきりとは踏み出さない。
恋愛(相手)より、自分の方が大事。
だったら、キッチリ踏ん切り付けとけよと思う。

夫アダムの立場に立ったら、嫌でしょ。
ノラとヘソンが、自分の目の前で、自分にはわからない韓国語で話してる。
映画を観てる観客には、それが恋愛の話だとわかるので、
アーサーが一層気の毒だし、
なんか、気持ち悪いし、狡いし。

で、「縁」がどうのって、
自分達だけ運命的な恋愛をしてるかのように浸ってる。
ハイハイ、どうぞお好きに。

前世で何かあったのか、
今世では結ばれない運命らしい、
来世でまた出会うかもしれないし、また破局するかもしれない。
輪廻転生で、運命は何千回も回り続ける。
そう結論づける。

そこでちょっと怖くなるのは、
12歳で初恋、
24歳で連絡、
36歳で再会、
という、12年周期のペース。
これは既に、ある種の輪廻転生を示唆しているようで、
48歳で再再会からの不倫をやらかすのかも?
でも、この2人はそんな根性無さそうだな。
いや、踏ん切りを付けられないからこそ、「不倫」があるかも。

どっちにしろ気の毒なのはアーサーで、
結婚して正式な夫ではあるけど、自分は2番手で、運命の相手には勝てない。
どんなに愛しても、ノラの心に生まれながらに染み付いた韓国文化のように、
ヘソンの面影は消える事はない。
だって、「縁」の相手だもの。
フツーの男性だったら、嫉妬して、離婚。

ノラが、仕事での成功に重心を置いて、ヘソンを追わないってのが、
恋愛よりも仕事を優先する新時代のヒロインだなんて言う考察もあったけど、
そんなの、女性をバカにし過ぎ。
これまでだって、仕事に重心を置いて来た女性達は大勢いる。
そう言う女性達は、男性に対しても礼節を持って、
別れるなら別れるで、キッチリけじめを付けてきた。
相手にだって人生があるでしょ。

ラストシーン、
ヘソンが韓国に帰るのを見送った後、
ノラは号泣してアーサーに抱きかかえられる。
要するに、ノラは12歳の頃から、自意識優先で、
うまくいかない事があっても、グズグズ泣いたら男が支えてくれる、
そう言う立ち位置にいた女性って事。
そんな状況を許すアーサー、マゾなのかな。

ヘソン、36歳にもなって独身で、これからどうする?
アーサーは妻の実質的「元カレ」ヘソンに会って、
ちょっと爽やか好青年だったから、ヤバイと思っただろうな。
でも、仕事面ではボチボチな感じだし、優柔不断なのは見え見え。
もしヘソンが様変わりして、こ汚い田舎のおっさん風だったら、
ノラは何も気にせず、サクッと切ったかも?
もしヘソンが大成功して、パリッとしたスーツを着こなしていたら、
ノラは、自分の後ろ盾としてヘソンをゲットしようとしたかも?


観客の立場では、仕事に対する姿勢や恋愛遍歴の違いで、
意見が割れそうな映画でした。