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マンガ家Mの日常
数多くの映画賞に輝き、アカデミー賞にもノミネートされた名作とされているが、
何故か見たい気持ちに向かえなかった。
作品の内容ではなく、企画そのもののインパクトが先行してしまう。


6歳の少年メイソンの目を通して、家族の12年間が描かれる。

両親は20代前半でデキ婚してしまった為、
生活苦と、思い通りの人生を進めなかった後悔から、ケンカが絶えず離婚。
母親オリヴィアが子供の躾に口やかましくなる一方で、
時たま面会する父親メイソン・シニアは青年気分を引きずっていた。

オリヴィアは大学で心理学を学び直し、教職資格取得を目指す中、
ウェルブロック教授と親しくなり、再婚。
一見幸福そうで裕福な家庭だったが、
ウェルブロックは酒を飲んでは暴力を振るうようになり、
堪え兼ねたオリヴィアは子供達を連れて家を出る。

教員になったオリヴィアは元兵士ジムと知り合い、再々婚。
しかし、うだつの上がらないジムと次第に険悪になり、またもや離婚。

メイソン・シニアは相変わらず青年気分から抜け切れていなかったが、
落ち着いた女性と再婚し、子供をもうけて新しい生活に入った。

メイソンと姉のサマンサはオリヴィアの不幸な結婚に翻弄されながらも、
子供なりの人生を謳歌して、大学入学で寮生活に入り、巣立つ。


やたらキリキリした母親と、無責任な万年青年の父親。
不安定な日常を受け流す為に、子供達は何だかアンニュイな性格になる。

映画として悪くはないけど、
同じ俳優を使って12年間撮り続けた、
その事を無くしたら評価はどうだっただろうな、と、そればかり考えてしまう。

メイソンが大学入学で家を出る時、
オリヴィアは寂しさから「子育ての時代がもっと続くと思っていたのに」と嘆く。
大学でルームメイトとハイキングに出かけたメイソンは、
同行した女子学生と、時の流れについて語り合う。

自分自身が過ごして来た人生について、思う事は色々あるとしても、
過去を振り返ってもどうにもならん。

サマンサを演じたローレライ・リンクレイターは監督の実の娘だそうで、
娘の人生の成長記録みたいなものを作品にしたい気持ちがどこかにあったのかな。
ちょっとナルシストなのかもしれない。

父親を演じたイーサン・ホーク主演の恋愛映画
「恋人までの距離(ディスタンス)」のシリーズを撮ったのもこの監督だそうで、
そういうドキュメンタリー風の作り方が好きなのね。

ただ、他人の人生の記録を見せられても、感情移入し切れない。

見たいと思えなかった理由はそこかな。

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