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マンガ家Mの日常
エイドリアン・ブロディ主演のサスペンス映画。

くぐもった声のナレーションやメランコリックなジャズの旋律から、
往年のファム・ファタールもののハードボイルド映画に寄り添った感が出ている。


ポーターは新聞記者としての調査、取材力を高く評価されていた。
妻子持ちながら、パーティで出会った未亡人キャロラインと関係を持ってしまう。
キャロラインの亡くなった夫サイモンは映画監督で、
私生活でも様々な映像を撮っていた。
サイモンは解体された古いビルで無惨な死体となって発見された。
キャロラインはサイモンの撮った映像の中に不審死との繋がりが無いか、
ポーターに確認を求める。

ポーターは新聞社を買収した大富豪ホッブスから呼び出され、
脅迫メールの調査を依頼される。
内容の暴露に危機感を抱いているホッブスは、ポーターを急がせ、
万が一があればポーターの家族を傷つけると宣言し、実行する。

ホッブスへの脅迫の首謀者はサイモンだった。
悪趣味な悪戯でキャロラインに他の男性との関係を強要し、録画していた。
そこにはホッブスがキャロラインの優しさに惹かれて、
自らの弱みである過去を語る場面が写っていた。
ポーターはメモリーカードを回収し、ホッブスに渡すが、
妻のリサは離婚を決意し、子供達を連れて実家へ戻る。

メモリーカードはキャロラインの秘密を暴く入り口でもあった。
ポーターはホッブスの部下がキャロラインの部屋を調べて発見した鍵を渡され、
サイモンの死体が発見されたビルの地下への入り口の鍵だと突き止める。
隠し撮りのメモリーカードを発見。
そこにはキャロラインがサイモンを殺害する場面が写っていた。

ポーターはキャロラインにメモリーカードのコピーを渡し、
これ以上自分や元妻に近付かないよう伝え、
更に、キャロラインがホッブスに語った秘密も聴き出す。
キャロラインは幼い頃、義父からの性的虐待を受けていたのだった。


ストーリーをまとめようとして、こんがらがってしまった。
キャロラインは何でまた、自分の犯罪や過去が暴かれて困るような事を
ポーターに依頼してしまうのだろう。
設定としては矛盾している。
冒頭でポーターが有能な記者としての評価に対して、
「語りたい人がいる場面に自分がいるだけだ。」
といったような事を言う場面があるから、
ホッブスにしてもキャロラインにしても、
自分自身の暗闇について誰かに話したい衝動があった、という事なんだろう。

ハードボイルドとしてそれなりに引き込まれる場面もあった。
でも、やはり設定の矛盾には引っかかる。
主人公のポーターはキャロラインに対しては正義感ぶってるけど、
元々、シャワールームを覗いたりしなきゃ良かったんだし、
ラストでキャロラインに虐待について語らせるのも、どうにも感じがわるい。

変態ちっくな映画監督サイモンを演じたキャンベル・スコットが良かった。
「ダメージ」でのちょっと臆病な富豪の息子役で初めて認識して、
その後「救命医ハンク」のミステリアスな大富豪の役で、変貌ぶりに驚いた。
今作のサイコな雰囲気作りも素晴らしかった。
その他のキャリアについて全く知らずにいたんだけど、
今後益々活躍が注目されるんではなかろうか。
Wikiで見たら、何と、名優ジョージ・C・スコットの息子だったのね。



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