忍者ブログ
マンガ家Mの日常
衝撃的な第1作「特捜部Q 檻の中の女」に続く、シリーズ第2作。


カールとアサドの特捜部Qが正式に部署として認められ、
女性アシスタントも加わるが、警察の中ではまだ薄笑いで見られる状態。

夜、警察署を出て帰宅しようとしたカールの元へ老人が近づき、
殺人事件の捜査を求める。
カールは翌日改めて話をするよう告げるが、直後に老人は自宅で自殺。
老人は元警察官で、20年前に双子の息子と娘を殺害されていた。
事件はビャーネという青年の自白で決着し、
薬物摂取等による精神的不安定さからの犯行として、短期間で出所していた。

カールは、ビャーネに付いた大物弁護士クルムの存在に不信を抱く。
また、老人が残した捜査資料から、キアステインという女性が浮かび上がる。
キアステインは当時の事件の通報者だったが、行方知れずになっていた。

クルムやキアステインの繋がりを探るうちに、有名私立学校に行き当たり、
当時、学校の近辺で日曜日に暴力事件が頻発していた事が分かる。
双子の殺害事件も日曜日だった。
学校が休みの日曜日に、当時学生だった者達が犯行に及んだと推察された。

やがて、地元の富豪ディトリウとウルレクが浮上。

学生時代、ディトリウをリーダーとして、
男子学生4人で残虐な暴行事件を繰り返していた。
キアステインはディトリウの恋人で、妊娠していた。
時には暴力行為に加担していたが、
彼らが遂に殺人を犯し、キアステイン自身も暴行されて流産してしまった事から、
ディトリウ達から距離を置いていた。
今回の捜査再開で、キアステインはディトリウ達から命を狙われる立場になり、
逃走しながら、復讐の機会を伺っていた。

成人して権力を握ってからも、ディトリウ達は暴力的行為を密かに続けていた。
ディトリウの妻テルマは愛人男性が半殺しにされた事で怯えていたが、
特捜部の捜査に協力し、カールとアサドは事件の証拠確保に近く。

証拠を得る為にウルレクの屋敷に忍び込んだところ、反撃され、拘束される。
復讐に乗り込んだキアステインが見張りの男を撲殺。
カールとアサドは命を救われる。
キアステインはかつて愛した感情を心の奥に持ち続けながらも、
ディトリウを追い詰め、ガソリンを撒いて焼き殺し、自らも炎の中に入って死ぬ。


事件の構造は単純な作りで、北欧ミステリーならではの冷えた暴力描写が冴え渡る。
人付き合いが苦手で寡黙なカールと、知的な雰囲気のアサドのコンビが良い。
追加メンバーの女性アシスタントも今後の活躍が期待される。

北欧ミステリーの代表作「ミレニアム」であったり、
フランスのルメートルの「その女アレックス」のように、
今作のヒロインのキアステインも行動的で、落とし前は自分でつけるタイプ。
これからのミステリーのヒロイン像だと言える。
アメリカ映画の女優みたいに、あざとくキャアキャア泣きわめくばかりじゃない。

副題の「キジ殺し」は成人したディトリウ達が
仲間内でのハンティングを趣味としている事に由来すると思われるけれど、
日本で言うところの「雉も鳴かずば撃たれまい。」みたいな意味合いなのかな。
事件を語ろうとした者が標的になる?

ネットで少し他の方のブログ等を見ると、
原作ではキアステインはもっと非情で、殺人者傾向のある怖い女性らしい。
2時間の映画の枠に収める為、色々分かり易く構成し直す必要があったんだろう。
だから構成がやや単純に感じられたのかもしれないけど、そこは仕方無いね。

シリーズはどこまで続くのかな。



PR

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック