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マンガ家Mの日常
何となく、ラブコメ映画にしてみる。

35歳のオッさんが16歳年下の女の子と恋愛するなんて設定だったんで、
ああ、いつものヤツかとバカにして見始めたんだけど、
サンダンス映画祭出品作だけあって、
軽さの中にも深みがあって、思ったより良かった。

N.Y.の大学で入学希望学生の案内の仕事をしているジェシー35歳は、
恋人にふられ、人生に微妙に行き詰まりを感じていた。
そんな時、母校のオハイオの大学の元担当教授から
引退の式でスピーチをして欲しいと頼まれ、気分転換がてら向かう。

教授の知人の大学生の娘ジビー19歳と何とは無しに話が合って、
帰国後文通を重ねたりしているうちにお互い恋愛感情が高まる。
ジェシーはジビーに会いに再びオハイオの大学を訪れる。
しかし、話がかみ合わない面も出てくるし、
ヴァージンのジビーからベッドインを求められて、引いちゃって逃げ出す。

自ら引退した筈の老教授は焦りを感じて復職を希望するが、学長に断られる。
ジェシーが学生時代に傾倒した、ロマン主義文学の大家である女性教授は
実はロマンとは程遠い感覚で過ごしていて、ペシミスティック。
頭が良すぎて居場所を得られず自殺未遂を図る学生や、
ヒッピーのような世捨て人的な学生らと出会い、
ジェシーは人生観を少しずつ変化させて行く。

N.Y.に帰ったジェシーは行きつけの書店の女性店員と親しくなり、
年齢相応の恋愛を始める。


ジョシュ・ラドナーが監督、脚本、主演の3役を務める。
35歳は十分大人なんだけど、学生時代の文学講義の理想に引きずられて
いつまでもどこか学生気分が抜け切れずにいたジェシーが、
各世代の人達との交流を通じて自分自身を見つめ直す。
定番のストーリーなんだけど、後味は爽やかで、少しじんわりとも来る。
「書を捨てよ、町へ出よう。」かな。
そして、良い年齢の取り方をする事。
若さに固執して年齢に抗うのはアンバランス。
一方で、大人に憧れているジビーは、早く大人になる為の近道として
ジェシーをB.F.に選んで、そして失敗した。 成る程ね。

ジェシーがラストにちゃんと大人としての自分の居場所を見つけられる。
サクサク新恋人もゲットする。
ジビーとも友人として仲直りする。
自殺未遂した学生ディーンを救う。
何もかもが破綻無く収まってしまうのはご都合主義的なんだけど、
映画の中でヒッピー青年が「何もかも上手く行く。」と言っていたように、
リラックスして、人生の明るい面を見ながら生きる姿勢も大切かもね。

こうした映画を見るには、鑑賞者のタイミングも重要。
フワッと幸せな時に見ると、単純に捉えてしまうだろうし、
落ち込みが極端な時に見ると、バカにされたような気分になって更に落ち込みそう。
少しの迷いは抱えつつも、人生を客観視出来る状態でないと、
頭に入って来ないかもしれない。
どうなんだろうね。

映像は美しい。
N.Y.も、オハイオの田舎町もそれぞれ美しい。
ジビーの学生寮の部屋も、水色を基調としたカラフルな色味に光が差し込んで
インテリア雑誌の写真のよう。

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