忍者ブログ
マンガ家Mの日常
ミステリーかな、と思ったら、どちらかと言えばオカルトに近かった。
エイドリアン・ブロディ主演のオーストラリア映画。


ピーターは1年程前に愛娘を交通事故で亡くし、沈鬱な日々を過ごしていた。
妻のキャロルはふさぎ込んで日がな寝込んでばかりだった。
恩師ダンカンから患者を紹介されて、浮かないながらも精神分析医の仕事に復帰。

ある日、不思議な少女が診療室に現れる。
少女はものも言わず、列車の定期券で名前がエリザベスと知らされた。
数字が書かれたメモが後に残され、ピーターは意味を突き止めようとする。
ダンカンは、エリザベスと、ピーターの娘の死に関連があると示唆する。

数字は、20年程前の列車の脱線事故があった日付で、
エリザベスは事故の犠牲者だった。
調べを進めると、何と、他の患者も全員事故で亡くなっていた。
患者を紹介したダンカンも、この世の人ではなかった。

ピーターは事故があった故郷の小さな町に帰省し、幼馴染のバリーに会う。

ピーターとバリーは、少年の頃のある夜、
カップルがいちゃついているらしき車の様子を見に行って、
自転車をうっかり線路上に置いてしまった。
列車は脱線し、数十人が亡くなる大惨事となったのだった。
二人は過失を告白できず、自責の念に苛まれ続けていた。
ピーターは警察に行って、過去を告白する。
巡査部長バーバラは、事故の犠牲者の娘だったが、ピーターを責める事無く、
未成年の過失で、罪には問われないだろうと告げる。
バリーは精神的に耐えかね、自殺してしまった。

ピーターは事故現場だった線路脇に行き、
線路の切り替え装置のある小屋を見て、記憶を取り戻しつつあった。
たかだか自転車で列車が脱線するとは思えない。
ピーターの父親ウィリアムがエリザベスを強姦しようとして、小屋の中で殺害。
エリザベスは逃げようともがいたはずみで切り替え装置を動かしてしまった。
列車は切り替えで脱線。
ウィリアムはエリザベスを列車事故の犠牲者に装った。
少年だったピーターは一部始終を目撃していたが、
事の恐ろしさに怯えるあまり、記憶が封印されてしまっていた。

バーバラはエリザベスの死因と当日のウィリアムの行動から、事件の真相に気づく。
ウィリアムはバーバラと、実の息子であるピーターさえも殺害しようとする。
しかし、運転中の車が線路上で停止し、
エリザベスの亡霊の力で身動き出来なくなったところに列車が来て、轢かれて死ぬ。

エリザベスと事故の犠牲者達は、ピーターの感応力を通して真犯人に復習を果たし、
ピーターは長年の呪縛だった罪の意識から解き放たれる。
妻のキャロルも体調を回復し、健やかな日々を取り戻そうとしている。


新鮮味があるかと聞かれると、微妙なところではあるけれど、
それなりに良く構成されていた。
いくつか、特に美しい映像の瞬間もあった。

一通り事件が解決したのは良いのだけれど、
父と息子が殺し合いになるのは何とも後味が悪い。
親子の設定にする必要は無かったんじゃないかな。
また、事件の真相が分かってみれば、ピーターやバリーには責任は無かった訳で、
それなのに、ピーターは一人娘を亡くし、バリーは自殺ってのは、辛過ぎる。

バーバラ役のロビン・マクレヴィという女優さんが、
地味ではあるけど、ピュアな感じで良かった。
事故の記憶を乗り越え、ピーターを赦す気持ちが説得力を持って表現されていた。






PR

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック