夜の間に続けてもう1本見る。
口の両端を切られて、笑った顔のようにされた男の話だそうだったんで、
不気味な内容かと警戒したんだけど、思いの外ロマンチックだった。
設定もドラマチックで、さすがヴィクトル・ユゴー。
グウィンプレンは子供の頃誘拐され、口元を切られて顔を作り変えられた。
その誘拐団からも捨てられ、彷徨っていた時、
吹雪の中で行き倒れになっていた母娘を見つけ、盲目の女の子を救い出す。
ふたりは薬草の行商をしていたウルシュスと言う男に拾われ、養ってもらう。
薬草を売る為に芝居をして見せたりしていると、次第に評判になり、
都会に出て見せ物一座と合流する。
グウィンプレンと盲目の少女デアは愛し合うようになるが、
兄妹のように育って来た事が足枷となって、グウィンプレンは躊躇する。
グウィンプレンの父親は莫大な財産と所領を持つ侯爵だったと分かる。
かつて侯爵は王の圧政に対してクーデターを起こしたが、
報復として息子のグウィンプレンを誘拐されてしまった。
父の侯爵が死去していた為、グウィンプレンは全てを相続する事となる。
ウルシュスやデアと距離が出来てしまう。
グウィンプレンは年増の美女公爵夫人の色香に溺れたり、
豪華な貴族の生活に一瞬心を動かされるが、
長く庶民の中にあって、生活の苦しさを体験して来た為、
貴族社会に矛盾と憤りを感じる。
庶民の生活を改善させるよう議会で演説するが、受け入れられない。
見せ物一座に戻ると、絶望したデアがヒ素を飲んで自殺を図り、虫の息だった。
悲しみに暮れるグウィンプレン。
ユゴーと言えば「レ・ミゼラブル」等が有名で、
フランスの作家だとの認識があったので、
今作で女王が出ているのは何故だろうと思っていたら、
英国に亡命した時期があって、それを元に英国を舞台にして書いた作品だったのね。
(蛇足だけど、「レ・ミゼラブル」は子供の頃は「ああ無情」の邦題が一般的だった。
昨今は何でもかんでもカタカナにしやがって...。)
悲惨な人生を背負いながら、傷の為に笑っているように見える顔。
グウィンプレンは醜さを恥じているが、
盲目のデアは、醜いのは悪事を働く者だと言い切る。
随所に教訓的な内容が盛り込まれている。
ユゴーにとっては英国の貴族社会の腐敗に切り込む、野心作だったのだろう。
原作の方は知らないけど、短めの映画に作られているせいか、
グウィンプレンが侯爵の息子だと分かってから後のエピソードが
やや物足りないように感じられる。
誘拐団との関わりに付いても、不明な点が残されているような。
せっかくここまで作ったんだったら、もう少し手を入れて、
見応えのある大作に仕上げても良かったんじゃないだろうか。
予告等を見た感じよりも良い作品だったので、余計にそう思ってしまう。
ウルシュス役は言わずと知れた名優ジェラール・ドパルデューだけど、
グウィンプレン役はマルク=アンドレ・グロンダンというカナダの俳優で、
全然知らなかった。
不気味な「笑う男」の顔でありながら、侯爵と言う血筋を見せる為の
上品な顔立ちと表情は、メイクを落とせばイケメンを予感させるね。
デアが侯爵の館を彷徨うシーンで、
長い廊下の窓のカーテンが風に煽られて幻想的にはためく。
コクトーの映画「美女と野獣」だったかな、同様の印象的なシーンがあった。
おそらく今作の監督はオマージュとしてこのシーンを作ったんだろう。
口の両端を切られて、笑った顔のようにされた男の話だそうだったんで、
不気味な内容かと警戒したんだけど、思いの外ロマンチックだった。
設定もドラマチックで、さすがヴィクトル・ユゴー。
グウィンプレンは子供の頃誘拐され、口元を切られて顔を作り変えられた。
その誘拐団からも捨てられ、彷徨っていた時、
吹雪の中で行き倒れになっていた母娘を見つけ、盲目の女の子を救い出す。
ふたりは薬草の行商をしていたウルシュスと言う男に拾われ、養ってもらう。
薬草を売る為に芝居をして見せたりしていると、次第に評判になり、
都会に出て見せ物一座と合流する。
グウィンプレンと盲目の少女デアは愛し合うようになるが、
兄妹のように育って来た事が足枷となって、グウィンプレンは躊躇する。
グウィンプレンの父親は莫大な財産と所領を持つ侯爵だったと分かる。
かつて侯爵は王の圧政に対してクーデターを起こしたが、
報復として息子のグウィンプレンを誘拐されてしまった。
父の侯爵が死去していた為、グウィンプレンは全てを相続する事となる。
ウルシュスやデアと距離が出来てしまう。
グウィンプレンは年増の美女公爵夫人の色香に溺れたり、
豪華な貴族の生活に一瞬心を動かされるが、
長く庶民の中にあって、生活の苦しさを体験して来た為、
貴族社会に矛盾と憤りを感じる。
庶民の生活を改善させるよう議会で演説するが、受け入れられない。
見せ物一座に戻ると、絶望したデアがヒ素を飲んで自殺を図り、虫の息だった。
悲しみに暮れるグウィンプレン。
ユゴーと言えば「レ・ミゼラブル」等が有名で、
フランスの作家だとの認識があったので、
今作で女王が出ているのは何故だろうと思っていたら、
英国に亡命した時期があって、それを元に英国を舞台にして書いた作品だったのね。
(蛇足だけど、「レ・ミゼラブル」は子供の頃は「ああ無情」の邦題が一般的だった。
昨今は何でもかんでもカタカナにしやがって...。)
悲惨な人生を背負いながら、傷の為に笑っているように見える顔。
グウィンプレンは醜さを恥じているが、
盲目のデアは、醜いのは悪事を働く者だと言い切る。
随所に教訓的な内容が盛り込まれている。
ユゴーにとっては英国の貴族社会の腐敗に切り込む、野心作だったのだろう。
原作の方は知らないけど、短めの映画に作られているせいか、
グウィンプレンが侯爵の息子だと分かってから後のエピソードが
やや物足りないように感じられる。
誘拐団との関わりに付いても、不明な点が残されているような。
せっかくここまで作ったんだったら、もう少し手を入れて、
見応えのある大作に仕上げても良かったんじゃないだろうか。
予告等を見た感じよりも良い作品だったので、余計にそう思ってしまう。
ウルシュス役は言わずと知れた名優ジェラール・ドパルデューだけど、
グウィンプレン役はマルク=アンドレ・グロンダンというカナダの俳優で、
全然知らなかった。
不気味な「笑う男」の顔でありながら、侯爵と言う血筋を見せる為の
上品な顔立ちと表情は、メイクを落とせばイケメンを予感させるね。
デアが侯爵の館を彷徨うシーンで、
長い廊下の窓のカーテンが風に煽られて幻想的にはためく。
コクトーの映画「美女と野獣」だったかな、同様の印象的なシーンがあった。
おそらく今作の監督はオマージュとしてこのシーンを作ったんだろう。
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