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マンガ家Mの日常
実在の音楽愛好家の富豪女性を描いた映画。


20世紀前半、NY社交界の中心人物として輝いていたフローレンス。
早くに夫を亡くし、莫大な財産を受け継ぎ、大好きな音楽に人生を捧げていた。
フローレンスの側には忠実な夫シンクレアが常に寄り添っているが、
シンクレアにはフローレンス公認で別の若い妻がいた。

フローレンスはクラシック音楽をこよなく愛し、
支援に惜しみなく大金を注ぎ込む為、金目当ての音楽家も大勢集まる。
トスカニーニのような超大物とも結びつきが深い。
若い頃に前夫から梅毒を感染させられて、
長生きは出来たものの、左手等に麻痺が残った為、ピアノ演奏を諦めた。
それならばと声楽のレッスンを始め、サロンで友人達を招いてのコンサートから、
1944年、遂には、カーネギーホールでリサイタルを計画。

フローレンスは酷い音痴で、本人だけが気付いていなかった。
サロンに来る友人のマダム達も高齢で耳が遠く、音がまともに聞こえていなかった。
シンクレアは敬愛するフローレンスの為に、周囲の悪評が届かないよう、
音楽関係者を買収するなどして、奔走する。

篤志家でもあるフローレンスは、帰還兵1000人をコンサートに招待した。
社交界とは無縁の彼らは、フローレンスの音痴な歌声に罵声を浴びせる。
フローレンスの友人の妻が彼らを諌めて、落ち着かせた。

音楽の殿堂カーネギーホールでのコンサートの反響は大きく、
シンクレアも街の人の声を全てはシャットアウト出来ず、
フローレンスは自分に対する本当の評価を知る事になる。

その年、体調を崩して亡くなるが、
シンクレアや伴奏者のコズメ達はフローレンスに忠誠を尽くす生涯を送った。


その昔、日本にも大屋政子さんという富豪女性がいて、派手な姿で歌ってたなぁ。
大屋さんは元々はちゃんとした歌手だったらしいけど。

メリル・ストリープが演じるとなると、
どんな演技を見せてくれるのかと、こちらも身構えてしまう。
その分、ストレートに映画に入り込めないのが、名優の辛さかな。
ど天然なフローレンスなんだけど、やはり、メリルが演じてる感がある。

善人で、ただひたすら音楽を愛しているんだけど、
お金で取り繕われている面については、一般人の感覚からすると、
やはり良い気がしなかったり、物悲しく映ったりする。

シンクレアもまた、結婚前は売れない俳優で、
就寝前にフローレンスの為に朗誦するんだけど、
フローレンスは面倒臭がって直ぐに遮ってしまう。
他人の芸については、客観視出来る力があるものなのかな。

コズメも、ピアニストとして、どうやら才能があるとは言えない。
そういう二人だからこそ、フローレンスに共感し、支え続けたんだろうか。

シンクレア役はヒュー・グラント。
ちょっと頼りない感じの2枚目がハマる。

コズメ役は「ビッグバン★セオリー」のハワード役のサイモン・ヘルバーグ。
ユダヤ系の特徴的な容姿もあって、キャラが濃い。
元々ジャズピアニスト志望だったそうで、ピアノはプロ級の腕前だとか。


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