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マンガ家Mの日常
ウディ・アレンの軽妙なラブコメディ映画。

ストーリーがシンプル過ぎるのと、全体的にちょっと物足りなかったかな。
軽い気持ちで見る分には良いかも。


1920年代の欧州、スタンリーはマジシャンとして成功を収めていたが、
高慢で気難しく、相手を罵る言葉に欠かない、いけ好かない男。
友人のマジシャン、ハワードから、
知人が騙されているので助けて欲しいと要請された。
南仏に住む大富豪キャトリッジ家の老齢の女主人が
霊能者を騙る親娘に騙されているらしいのだが、トリックが分からず、
スタンリーに見破って欲しい、との事。

ハワードに連れられてキャトリッジ家を訪れたスタンリーだったが、
交霊会のトリックが見破れないばかりか、
魅力的な霊能者の娘ソフィーに惹かれてしまう。

降参して、ソフィーは本物の霊能者だと発表する会見を開いてしまうが、
直後、伯母が女同社事故で重体に陥り、手術で回復するという出来事に遭遇し、
やはりソフィーは偽物だったと気付き、トリックも見破る。
幼い頃からライバル関係でありながら、常に後塵を拝してきたハワードが、
一度はスタンリーを騙してやりたいと仕組んだ事だった。

意気揚々と帰ろうとしたスタンリーだったが、ソフィーへの思いを断ち切れず、
プロポーズするが、あまりの不躾な言葉の数々に怒ったソフィーは跳ね付ける。
スタンリーは伯母の家に戻り、やはり本心からソフィーを愛していたと語ると、
交霊会の「イエス」のサインと同じような音が鳴り、ソフィーが現れる。
めでたしめでたし。


今までのウディ・アレン監督作品を思い起こすと、
今作はいかにも単純でペーソスに欠ける。
皮肉たっぷりのセリフやシーンを沢山書いて来たけれど、年齢を重ねて、
こういうのんびりほんわかと見られる映画を作りたくなったのかな。

スタンリーが、根はいい人だとしても、
日々あの毒舌を見舞われたら、一緒に暮らしていくのは辛いだろうな。
映画としては、婚約者と別れ、ソフィーとも破局して、
ほろ苦さを感じる終わりで良かったんじゃなかろうか。
その方がかえって、今後のスタンリーの精神的成長に期待が持てる。

スタンリー役のコリン・ファースはさすがに上手い。
表情のひとつひとつに深みがある。
一方、ソフィー役のエマ・ストーンは、
容姿、話し方等、はすっぱな感じが目立ってしまって、
今作のヒロインには向かなかったような気がする。
もっと、ストレートに、可愛い、美人の女優の方が合っていたと思う。

南仏プロヴァンスの風景はセザンヌやモネの絵を思わせて美しい。
オレンジっぽい色のフィルターで、夢に浸った時代を表現している。
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