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マンガ家Mの日常
今年もさっさとGW突入。
6、7月にちょっと遊ぶ予定なので、今月はおとなしくしています。
そして何故か、細かい仕事が重なる日々。
これといったお出かけの予定も無いので、いつもながらの映画鑑賞。


第2次世界大戦下のドイツに暮らす人々の様子を
12歳の少女の目線から描いた珠玉作。
こうした映画を見慣れた目にはやや物足りなさを感じるものの、
邦題通り、優しさのある映画でした。
悲劇は避けられないものの、残酷な描写は控えられているので、
戦争の悲しさや、力無き市井の人の勇気や優しさをを伝えたい時、
入門編として小中学生には特にお薦め出来る。


1938年のドイツ。
12歳の少女リーゼルは赤狩りで共産党員の両親と別れて暮らす事になり、
フーバーマン夫妻の養女となる。
移動途中、弟は絶命し、簡素な墓地に葬られる。

隣家の同い年の少年ルディはスポーツ好きで快活な性質で、リーゼルに一目惚れ。
すぐにリーゼルと仲良くなる。
リーゼルは学校に通う事になったが、その時まだ字が読めず、
フランツというボスキャラの少年にいじめられるが、殴り倒して見事に撃退。

養母となったローザはキツイ性格で、養子を迎えたのも補助金目当てだったが、
根は愛情深い人で、リーゼルと次第に打ち解けていく。

リーゼルは好奇心旺盛で、読書に目覚める。
ナチス政権下で、敵対的書物が広場で燃やされた時、
焼け残った本を1冊こっそり持ち帰る。
その様子を上流階級の女性に見られて、しばし不安な気持ちになったが、
女性は町長の妻で、読書好きなリーゼルの為に邸宅で本を読む事を勧めてくれた。

フーバーマン夫妻はマックスというユダヤ人青年を地下に匿う事になる。
寒さで体調を崩し、寝たきりで意識朦朧となるマックスの為に、
リーゼルはこっそり町長の邸宅から本を拝借し、毎日のように読み聞かせする。
マックスは回復したが、戦況の悪化から、夫妻に別れを告げ、家を出て行く。

連合国軍による爆撃で街は破壊され、フーバーマン夫妻やルディは命を落とす。

終戦後リーゼルとマックスは再会し、それぞれ実りある人生を全うする。


読み書きの出来なかったリーゼルが本と出会い、
戦時下の複雑な状況で本ににめり込んでいく様子は、本好きの心を揺さぶる。
弟の埋葬の時に墓掘人が落とした本を無我夢中で拾って持ち去るが、
それは葬儀の手引書でしかなかった。
しかし、リーゼルにとっては、読書の喜びに目覚める大事な一歩となった。
焚書の際に持ち帰った本はH.G.ウェルズの「透明人間」で、
その後に匿うマックスとイメージが重なる。

政治的な事柄よりも、
厳しい時代にあっても、本が人を繋ぎ、心を豊かにする、と言うのが主題。
原作の「本泥棒」はベストセラーで評判良いようです。

フーバーマン夫妻を演じたのはジェフリー・ラッシュとエミリー・ワトソンで、
文句のつけどころがない演技派。
リーゼルやルディを演じた子供達ものびのびしていて可愛かったです。
物資の不足している戦時下にあって、顔の色つやが良いのがちょっと微妙?

マックスを演じたベン・シュネッツァーは、
少し前に見た「パレードにようこそ」にも出演していたけど、
今作では役作りでかなりダイエットしたようで、頬がこけて顔が変わっていた。
優しそうな目元が素敵。
リーゼルとマックスが結婚するのかな、と思っていたのだけど、
原作は実話が元になっているそうなので、作る訳にはいかなかったのね。

熊本の震災で、連日ニュースで倒壊した家屋の様子が映し出されているので、
爆撃で粉々に崩れた家並みを見るのが一層辛い。
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