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マンガ家Mの日常
気持ちを休められる恋愛映画が見たい気分の夜のチョイス。

「フランシス・ハ」のグレタ・ガーウィグ主演。
後日談を見るような感じ。


働きながら大学に通い、キャリアを積んでいるマギーは、子供を持つ事を考え、
元数学専攻で優秀な友人のガイに精子の提供を頼んだ。
ガイはマギーに「昔ながらのやり方」を申し出たが、断られる。

郵便物の誤配がきっかけで、文化人類学者のジョンと知り合い、
ジョンの書きかけの小説を見せてもらいながら、次第に親しくなる。
マギーが自室のバスルームで、いよいよガイの精子を注入しようとした時、
ジョンが訪ねて来て、愛を告白される。
ジョンは同じ文化人類学者のジョーゼットという妻と二人の子供がいたが、
完璧でクールなジョーゼットと溝が出来ていた。

マギーとジョンは結婚し、娘のリリーが誕生。
ジョンの二人の子供達もマギーに親しんで、一見穏やかな暮らしが続いていた。
しかし、ジョンはいつまで経っても小説を完成させず、
マギーは自分一人がフル回転で仕事と家事と育児をこなす生活に嫌気がさして、
ジョンへの愛情も冷めて来ていた。
ジョーゼットからは、家庭を壊したとなじられるが、
まだジョンを愛している様子から、ジョーゼットにジョンを返す計画を立てる。

ジョーゼットが関わる学会にジョンを講師として招待し、
一緒に過ごす時間を作らせると、ジョンはジョーゼットの誘いに乗ってしまう。
ジョンは二人の企みにはめられたと気づくが、結局納得し、
物事は落ち着くところに落ち着く。

最初の計画通り、シングルマザーとなったマギーは、
娘のリリーとの生活を満喫しているが、リリーの数字への執着を見ると、
リリーはジョンではなく、ガイの精子で出来た子供だったのでは、と。


「フランシス・ハ」で、大人になりきれないモラトリアムなオトナ女子を演じた
グレタ・ガーウィグが、ちょっと成長したオトナ女子を再び演じた。
ガイの気持ちはそっちのけで、精子提供を受けたり、
不倫略奪婚のジョンをあっさり見限って、元妻に返そうと思い立つなんて、
どうにも直情径行で手前勝手な感じだけど、
経済面や母親業はしっかりしていて、精神的には自立している。
むしろ、自立し過ぎているから、男の事情は御構い無しなのかな。
メチャクチャなようでもあるけど、
もしかしたら、これからあるべき女性像なのかもしれないな。
やったね!

ジョンを演じるイーサン・ホークのダメ男ぶりが可愛い。
愛されキャラなのね。
ジュリアン・ムーア演じるクールな元妻に、未完成の小説の改稿を促され、
早速単純に喜んでしまう。

もしかしたら、マギーとジョーゼットでジョンを共有する、
3人婚の形も成立するのかも。
マギーとガイはその後どうにかならないのかな。
夫は必要無いか。
男は所詮精子の容れ物?

それにしても、NYの光景は絵になる。
ヴィンテージっぽいマギーの服装も、舞台がNYなら様になる。
ジョーゼットの洗練された自宅も美しいし、
マギーが詩人の友人から借りた狭いアパートも、
結婚してからの部屋も、さり気ない色使いが絶妙で美しい。
ジョンは最初にマギーの部屋を訪れた時、部屋の雰囲気に魅了されていた。

ふと、雑然とした自分の部屋を振り返り見る。


グレタ・ガーウィグは脚本家や監督としても活躍していて、
アカデミー賞にノミネートされた話題作「レディ・バード」で
監督、脚本を務めている。

蛇足だけど、
今作の監督のレベッカ・ミラーって、なんと、
ダニエル・デイ・ルイスの奥さんなのね。
羨ましい。
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