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マンガ家Mの日常

あら、気付けば、映画見るの久々かも。


英国の郊外の住宅地を舞台にした話。
何と言う事無かった生活が、思わぬ所から大きく崩れてしまう。


マセた14歳のスーザンは、興味本位で姉が持っていたコンドームを開封。
それを粗暴な父親に見つかってしまい、詰問されて焦って、
隣家の精神的な障がいのある青年リックにレイプされたと
でまかせを言ってしまう。
母親が他界して、年頃の娘3人を男手一つで育てていたオズワルドは
激高してリックをボコボコにする。
リックは一旦拘置所に入れられたが、スーザンの嘘はすぐにバレて釈放される。
しかし、元から精神的に不安定だったリックは酷く落ち込み、
精神病院に入所させられてしまう。

リックとも仲良かった少女スカンクは、1型糖尿病と向き合う毎日。
中学に入学したばかりでオズワルド3姉妹に目をつけられ、金をユスられたりする。
そんな悪事もすぐバレて、教師に罰を食らう。
逆恨みしたスーザンは、複数の男子との性行為のどれかで妊娠していて、
それを教師のせいだと、またまたでまかせを言う。
またまたでまかせに乗ってオズワルド父は教師をボコボコにする。
しかし、その嘘もまたすぐバレて、父は拘置所送り。

スカンクは良い家庭に恵まれた方だが、母親は会計士と駆け落ちしてしまって、
今は若い家政婦(?)が母親替わり。
その家政婦が父親とくっつきそうで、微妙な気分で揺れている。
上手くいきかけたボーイフレンドは、事情があって転居してしまう。
兄はスーザンのセフレのひとりだったりする。

どの家庭も、そこそこの暗部を抱えている。

リックは自宅に戻されたものの、不安定な精神状態が続き、
すがる母親を階段の上で振り切り、転落死させてしまう。
父親は母親の無惨な姿を見て、リックを刺し殺す。
その時、2階のリックの部屋には、スカンクが見舞いに来ていたが、
出るタイミングを逸して糖尿病の発作を起こし、放置されてしまっていた。

3姉妹は父親のいない間にやりたい放題で、家でパーティを開いている。
妊娠していたスーザンは突然出血し、気付いた時には手遅れで、病院で亡くなる。
悲嘆にくれるオズワルド。
自宅に戻った時、血だらけのリックの父親とすれ違い、異変を察知して中に入り、
発作で意識を失ったスカンクを発見して、通報する。
スカンクは死線を彷徨うが、無事快復する。

諸々の発端のスーザンは死に、父親は償いをするかのようにスカンクを救う。
オズワルド家はプラマイのバランスが取れちゃってるような気がするけど、
リックの一家は、悲惨で気の毒。

性的暴行を受けたと言う嘘から事件が発展するのは
少し前に見た「偽りなき者」と共通するけど、
こっちは転がり方が変則的。
正直なところ、中盤まで、話がどう言う方向に進むのか見えなくて
退屈な感じだったのだけど、
中盤から後半にかけての収束の仕方はスピード感もあったし、面白かった。

キックスケーターで駆け抜けてはイタズラする双子の黒人少女、
学校の駐車場でブレイクダンスの練習をする黒人少年。
どういうメタファーがあるのかはわかんないけど、
ちょっとした隠し味も面白いかも?


社会は集団の微妙なバランスで成り立っている。
思わぬ力で容易く崩壊してしまう事もあり得ると言う事実。
リックの精神は傍目よりもキワドイところにあったのかもしれない。
思わぬ嫌疑と暴行被害で、キワドイバランスは脆くも崩れてしまった。
リックと郊外の住宅街の実情は重なり合うのか。


スカンク(このあだ名はどうして付いたんだか?)役の
エロイーズ・ローレンスは美少女では無いが、瑞々しい魅力を見せている。
挿入歌も彼女が歌っていて、何気ないような表現が良い。

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