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マンガ家Mの日常
一息ついて、お手頃な映画を見る。
まだカラー表紙が残っているから、完全には気を緩められないんだけど。


もうちょっとサスペンス的な要素があるかと思ってたんだけど、
シリアスな社会派ドラマだった。

既に記憶の彼方に行きかけているけど、
アメリカのサブプライムローンの問題を描いた作品。

サブプライムローンの破綻で、低所得者は住宅ローンを返済出来ず、
次々銀行に差し押さえされて、家を追い出されていた。
建設業で働く若いシングルファザーのデニスもまた、その一人。
退去の際に高価な工具を盗まれたと気づいたデニスは、取り戻しに行くが、
家の転売に従事する不動産ブローカー、カーバーの目に止まり、
カーバーの下で働く事になる。
最初は退去の搬出作業だったが、次第に追い立ての仕事等も任されるようになり、
裏事情を教えられて、大金を稼ぐようになる。

しかし、デニスの追い立てで家を失った家族や同居していた母に批判され苦しむ。
邸宅を購入したものの、母親はデニスの一人息子を連れて、実家に移ってしまう。

顔見知りで気が合ったフランクの家もまた退去を迫られていた。
カーバーの会社での書類の不備の為に即時退去を免れられる筈が、
カーバーは裁判所の書記官と通じており、書類の偽造で裁判に勝つ。
退去を迫られたフランクは銃を持ち出して家に立てこもる。
デニスは自責の念にかられ、警官達のいる中で書類の偽造を告白。
カーバーは逮捕される。


救われない話。
ローン不履行で家を追い出される人達はどこにも行き場が無い。
一方で、確かに、ローンを返済しないというのは正しい事では無いから
家を取られても仕方がないという理屈も通る。
日本ではここまで酷くはないと思うのだけど、
住宅ローンの制度とか、アメリカでは、全て強者の論理で構成されているから、
弱い者は毟り取られていくばかり。
カーバーはリンカーンの演説をもじって、
「アメリカは強者の、強者の為の、強者による国家だ。」と言い放つ。
大物ぶっても、不動産転がしで、家の設備をちょろまかしたりして、
行政から小金をくすねるようなケチな手口も使っている小物感も臭う。

主演はアンドリュー・ガーフィールド。
「わたしを離さないで」「アメイジング・スパイダーマン」の悩める青年も、
シングルファザーの役が来るようになった。

冷酷非情な不動産ブローカー、カーバーはマイケル・シャノン。
顔の存在感ハンパ無い。

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