１９９１年、東欧の社会主義体制崩壊で、
宇宙ステーション・ミールからの帰還延期を余儀なくされた
ソ連の宇宙飛行士セルゲイ・クリカソフの実話からアイデアを得た、
キューバ、スペインのコメディ映画。


１９９１年、東欧の社会主義体制崩壊の影響を受けて、
キューバは経済的困窮に陥っていた。
ソ連で哲学を学んだ大学教授セルジオは、給料だけでは家族を養えず、
友人の密造酒作りの手伝いで生計を賄っていた。

セルジオはアマチュア無線の愛好家で、
無線仲間のアメリカ人ピーターと親しくしていたが、
その為、情報機関の監視対象となっている。

ある日、セルジオは、偶然ソ連の宇宙ステーションに滞在中の宇宙飛行士
セルゲイと無線で繋が李、ロシア語での会話で仲良くなる。
セルゲイは長期滞在期間の記録を更新しようとしていたが、
家族の苦労を聞きつけて、帰還を望んでいた。
しかし、社会主義体制崩壊の影響から、資金等々の問題があり、
帰還を認められなくなってしまった。

セルゲイはセルジオの助けを得て、宇宙ステーションのパネル修理をする。
帰還について相談を受けたセルジオは、ピーターに連絡して、
NASAを動かし、セルゲイ帰還を果たす。


ところどころにファンタジックな表現を取り入れた作品。
無線でいきなり宇宙ステーションと繋がるという、夢がある設定。
貧しい生活ながら、セルゲイの幼い娘の輝く瞳を通して、未来が広がる。

元ネタのセルゲイ・クリカレフの事を知らなくて、Wikiで改めて見てみた。

１９５８年誕生とあるから、
１９８８年、宇宙に行った時は若干３０歳。
その後、６度の宇宙飛行と、通算で約１０年間の宇宙滞在を経験するという、
ソ連の英雄で、宇宙飛行の申し子のような人物。

冒険家は、極地からの帰還を願いながらも、
故郷に戻れば、また極地に行かずにおれない。