ドイツの若手映画監督ヤン・オーレ・ゲルスター作品。
全編モノクロの青春ドラマ。
ニコは大学を中退した事を親にも黙っていて仕送りを受け、プラプラしている。
プラプラしてる理由ははっきりとしない。
ただの青春のモラトリアム? 若干アル中気味?
朝方、恋人の部屋のベッドで、コーヒーを断り、煮え切らない態度をとってしまう。
するとその日1日、手持ちの小銭が足りなかったり、機械が故障していたりで
コーヒーを飲み損ない、ダラダラと飲酒。
地下鉄の券売機の故障で無賃乗車の疑いをかけられたり、
親に中退がバレて仕送りを止められたり、
中学生の頃にいじめていた元デブの女の子と偶然再会したり、
隣人に絡まれたり、舞台演出家に絡まれたり、不良に絡まれたり、
幼い頃ヒットラーユーゲントに所属させられていたトラウマを引きずる老人の
最期に出くわしたり、
1日のうちで様々な人達と出会い、奇妙な時間を過ごす。
翌朝やっとコーヒーにありつく。
それは意識をはっきりさせて立ち直る契機の合図なのか?
人生の先行きに迷って身動き出来ずにいる青年が、
周囲の人達との関わりで自分の内側の変化を感じ取る、
ふんわりとした希望。
大人の目から見ると、甘えてんじゃねえよ、しっかりしな!と思うのだけど、
20歳前後の人達には共通する感覚があるだろう。
原題はすこぶる単純で「Oh Boy」、
日本語にすれば「おや、まぁ」と言った類の慣用句。
これじゃあ宣伝のしようがないんで、邦題は悪くない。
村上春樹的なのが自意識過剰っぽくてちょっと嫌だけど。
その日に出会う人達のキャラクターがやたら濃い。
楽しそうだなぁ。
ニコは誰に対してもそこそこの気遣いがあって優しい良い青年なんだけど、
基本何に対しても積極的に関わろうとしない。
濃い面々の言動に対しても、何となく合わせて反発もしない。
この1日が通過儀礼のようなもので、
ぼんやりとではあるけど動き出し、生活を取り戻し、
ずっと後になってから思い出すのかなぁ。
元ヒットラーユーゲントの老人が語る事件は「水晶の夜」。
他にも、映画撮影を見学するシーンでは、ナチスをテーマにした映画だったりして、
ドイツには未だナチスの記憶が色濃く刻まれているのが感じられる。
こういうアンニュイな空気の作品って、
マンガだと、編集者にネームを跳ねられることが多いかもしれない。
読者に分かり易いよう、メリハリ付けてはっきりした結論を求められるから。
映画は1時間25分で上映時間は短いけれど、
キャラクターやエピソードの出入りが多いんで、
マンガにするとしても短い枚数じゃ収まらないだろうな。
単発のエピソードで読み切りにして描くと、余計にはっきりした結論を求められる。
そうしたら台無しになっちゃうなぁ。 難しい。
全編モノクロの青春ドラマ。
ニコは大学を中退した事を親にも黙っていて仕送りを受け、プラプラしている。
プラプラしてる理由ははっきりとしない。
ただの青春のモラトリアム? 若干アル中気味?
朝方、恋人の部屋のベッドで、コーヒーを断り、煮え切らない態度をとってしまう。
するとその日1日、手持ちの小銭が足りなかったり、機械が故障していたりで
コーヒーを飲み損ない、ダラダラと飲酒。
地下鉄の券売機の故障で無賃乗車の疑いをかけられたり、
親に中退がバレて仕送りを止められたり、
中学生の頃にいじめていた元デブの女の子と偶然再会したり、
隣人に絡まれたり、舞台演出家に絡まれたり、不良に絡まれたり、
幼い頃ヒットラーユーゲントに所属させられていたトラウマを引きずる老人の
最期に出くわしたり、
1日のうちで様々な人達と出会い、奇妙な時間を過ごす。
翌朝やっとコーヒーにありつく。
それは意識をはっきりさせて立ち直る契機の合図なのか?
人生の先行きに迷って身動き出来ずにいる青年が、
周囲の人達との関わりで自分の内側の変化を感じ取る、
ふんわりとした希望。
大人の目から見ると、甘えてんじゃねえよ、しっかりしな!と思うのだけど、
20歳前後の人達には共通する感覚があるだろう。
原題はすこぶる単純で「Oh Boy」、
日本語にすれば「おや、まぁ」と言った類の慣用句。
これじゃあ宣伝のしようがないんで、邦題は悪くない。
村上春樹的なのが自意識過剰っぽくてちょっと嫌だけど。
その日に出会う人達のキャラクターがやたら濃い。
楽しそうだなぁ。
ニコは誰に対してもそこそこの気遣いがあって優しい良い青年なんだけど、
基本何に対しても積極的に関わろうとしない。
濃い面々の言動に対しても、何となく合わせて反発もしない。
この1日が通過儀礼のようなもので、
ぼんやりとではあるけど動き出し、生活を取り戻し、
ずっと後になってから思い出すのかなぁ。
元ヒットラーユーゲントの老人が語る事件は「水晶の夜」。
他にも、映画撮影を見学するシーンでは、ナチスをテーマにした映画だったりして、
ドイツには未だナチスの記憶が色濃く刻まれているのが感じられる。
こういうアンニュイな空気の作品って、
マンガだと、編集者にネームを跳ねられることが多いかもしれない。
読者に分かり易いよう、メリハリ付けてはっきりした結論を求められるから。
映画は1時間25分で上映時間は短いけれど、
キャラクターやエピソードの出入りが多いんで、
マンガにするとしても短い枚数じゃ収まらないだろうな。
単発のエピソードで読み切りにして描くと、余計にはっきりした結論を求められる。
そうしたら台無しになっちゃうなぁ。 難しい。
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