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マンガ家Mの日常
ネタバレ注意。


裕福な家庭に生まれたリチャードは、学生時代から山師の片鱗を見せていた。
成人すると、ファストファションに狙いを定め、ロンドンの路面店を買い漁り、
アジアの貧しい地域の縫製工場に、半ば脅しをかけるようにして値切り、
安価な服を大量生産、大量販売し、巨万の富を築いた。
更には、会社売却の巧妙な手口でも大金を得ようとしており、
裁判にかけられているが、逃げ果せようとしている。
どこまでも傲慢で、強欲さはとどまるところを知らない。

60歳の誕生日を記念して、ローマ時代の権力者を気取って扮装し、
ミコノス島のホテルの一角に即席で闘技場を作らせ、
グラディエーターと本物のライオンの闘いを見世物に、盛大なパーティーを計画。

パキスタン出身の女性スタッフは、現地の過酷な労働条件で叔母が亡くなり、
リチャードを恨んでいた。
父親のリチャードと反目する息子はいたずらでライオンの餌にドラッグを入れる。
パーティーを一旦抜け出し、闘技場で権力の頂点に酔いしれるリチャード。
その場に居合わせた女性スタッフがライオンの檻の鍵を外すと、
ドラッグで興奮したライオンはリチャードに襲いかかり、咬み殺す。


もう少し、ファッション界の裏側的なものを期待したけど、
エピソードが全体的にやや物足りなかった。
最貧国の労働者を食い物にした男が、あっさり殺されて終わり。

実在の実業家、トップショップのオーナーのフィリップ・グリーン卿が
主人公リチャードのモデル。
映画に描かれた通り、最貧国の奴隷労働で作られた服で大金を稼ぎ、
ファストファッションの一大帝国を築いた。
同時に、イジメやセクハラでも知られ、
ファストファッションが下火になり経営破綻すると、従業員を大量解雇し、
巧妙な手口の破産申請や会社売却等で、自分だけ大金を確保。
社会の混乱を招いたとして、爵位剥奪が請求されている。
ライオンに噛み殺されてはいないけどね。

この人をそのまま伝記映画にした方が面白かったんじゃないかな。
今作は、各方面に色々遠慮があって、
中途半端な出来になってしまったんじゃないだろうか。

パーティーの箔付けの為に、有名人達がお金で雇われ、
パーティーに出席したり、ビデオコメントを提供したりしている。
どっちもどっち。あさましい。
本人役で出演しているクリス・マーティンやキーラ・ナイトレイ達は、
まぁ、映画の為のジョークみたいなもんなんだろうけど。


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