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マンガ家Mの日常
雑誌掲載作品のコミックス化に当たって、ハーレクインでは原則
セリフの変更はいくらでもO.K.だけど、絵の直しは15ページまで、とされている。

デジタル入稿になった段階で、
掲載後の絵の直しはさせてもらえないもんだと認識していたので、
今回に関しては特に問題は無いです。
見返してたらそりゃあキリが無いとは思うんだけど。

雑誌掲載の場合、どうしても締め切りの日程がキツくなる。
何度も言うようだけど、それは結局経費との兼ね合いがあって、
月産40ページ程度をコンスタントに仕上げていくには
相当数のアシスタントさんが必要で、アシスタントさんへのお給料で
原稿料は全て消えて無くなると言っても過言では無い、
現行の原稿料ではね。
生きていけない。

なので、一応マンガとしての骨格を整え、雑誌掲載に値する段階まで
何とか体裁を整えて出すものの、
あちらこちらに不備や不満が大小残ってしまい、
コミックスの段階で納得いくまで時間をかけて修正する。

以前のアナログ方式ならそれが許されたんだけど、
デジタル入稿になると、デジタル処理にかかる費用の問題があるので、
出版社側も原稿の修正をしたがらなくなる。
初版100万部とか、よっぽど売れるなら別だろうけど。

この摩擦は暫く引きずるだろう。

私の場合で言うと、
先に書いた通り、原稿の修正は出来ないものと覚悟して作業していたので、
仕上げにはかなりこだわった。
当然、時間もかかるし、その分アシスタントさんの手も多く必要となった。
締め切りギリギリになると編集者も良い顔はしない。
電話口で、どう言い訳しようか、悩みながら応対を重ねる。
「母さん、だって、仕方無いじゃないか。」えなりかずき的な?

編集さんによれば「全部直したい。」と言うマンガ家さんもおられるらしい。
確かにそうなんだろうけど、そうはいかんでしょ。
不備があっても、それがそのマンガ家さんの実力として評価されるしかない。

もしくは、出版社がデジタル処理の費用を増額する?
そのマンガ家さんの為に個別に?
それは不公平だよね。
もしくは、マンガ家さんの印税からデジタル処理費用を差し引く?
そうしたら、印税が入るどころか、持ち出しになるかも。


時間と経費の問題を考えれば、編集者、マンガ家共々納得行くものを仕上げるのは
はっきり言って、現行の契約内容では、無理!


「読者は手抜きを嫌がるんです。」って、
そりゃそうだよ。マンガ家だって手抜きは嫌だよ。

でも、マンガ家だって、生きていかなきゃならないんだよ!!!


せめて刷り出しは3部よこせよ!



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