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マンガ家Mの日常
人生、上手くいかない事があり過ぎる時に
こういうタイトルは逆にシンドイなぁ、って思ってしまって、
暫く見送ってた。
上映時間も2時間52分と長いし。

夕方ジムに行って、帰ってから夕食を食べて、
寝るまでの時間、大した事も出来そうに無かったので
それなら3時間弱、何とかなるかな、って事でチャレンジ。

インド映画はあまり数見た事無い。
記憶に無い物を含めても一桁じゃないかな。
最近のボリウッド映画も、まぁ1、2作見れば十分でしょって感じだった。

今作は途中途中で少しミュージカルっぽいシーンも入るけど、
邪魔になる程では無かった。
前半はやや目立ったけど、後半は殆ど無かったので、
製作途中で構成を考え直したのかな。

名門工科大学の学生達の青春グラフティ。
それぞれ貧しい環境に育ったファルハーンとラージューは、
エンジニアとしての成功を親から期待されている。
ふたりにとっては強いプレッシャーでもあった。
しかし、寮で同室になった変わり者のランチョーに刺激を受けて
ばか騒ぎをやったりもしながら、自己を解放させて行く。

上映時間が長いだけあって、エピソードは盛り沢山。
追い詰められて自殺してしまう学生がいたり、
貧しくて学校に通えない少年がいたり、
社会派、教訓的エピソードも多い。
ランチョーは学問のあり方についても疑問を投げかける。
就職に有利なように単位を取る事が主眼になってしまうのは日本と同じか。

強権をふるう学長とのドタバタが主軸だけど、
宇宙飛行士のペンのエピソード等、非常に上手く効いてる。
ありきたりかな、と思えるエピソードもあったようだけど、
工学を生かして、オリジナリティがあって印象深いエピソードも沢山見られた。

人間関係やエピソード、恋愛ドラマ等、
途中途中では韓流ドラマのようでもあった。
大学を卒業して数年経ったところで仲間が再会するシーンで、
ランチョーは思いを寄せていたピアとキスするのだけど、
え、20代後半で初キス?

構成は前半と後半に分けて作られていて、卒業後の今と学生時代とが交錯する。
中盤で、ランチョーが実は別人だった事が明かされて、
そこから再び学生時代に話が戻るので、
ランチョーの背景に何があるかを考えさせられながら見ると、
ランチョーの行動が訴えかけて来るものの重みが違って見えるような気がする。

全体が非常に上手く構成されているのが、見終わった時に分かる。
完璧なハッピーエンドと完璧な構成は、やや現実感を損なうようでもあるけど、
観客にとって、そういう清涼感が大事なのかもしれない。

ランチョー役のアーミル・カーンは、顔立ちがエミネムに似てる。
撮影時、なんと44歳だったんだって。
アメリカでも、高校生役の俳優が25歳くらいだったりするのは当たり前だけど、
こっちもかなり頑張ったもんだね。

ラストの山奥のシーン、
草木も無い荒涼とした砂漠のような山間地に、
サファイアブルーの美しい湖が広がり、エンディングの清涼感を印象づける。
撮影地は何処なんだろう。
東京にいては、こういう感動的な景色には巡り合えない。

追記/ネットで調べてみたら、パンゴン湖だそうです。
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