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マンガ家Mの日常
お口直しにベタ甘のラブコメディを見る事にする。
...筈だったが、又しても邦題に裏切られる。


N.Y.から車で1時間半の距離の田舎町に住むレイノルズ一家は、
英国からの留学生を迎え入れる。
留学生ソフィーは娘のローレンと同年代、17、8歳。
どこか影のある大人びた雰囲気を持っている。
父親キースは高校の音楽教師だが、臨時で交響楽団でチェロを演奏している。
若い頃はバンドもやっていたが、できちゃった結婚で断念。
今は楽団の正式団員入りを目指している。

ソフィーは高校のキースの音楽クラスで素晴らしいピアノ演奏を披露する。
音楽を志す者同士、ソフィーとキースは一気に接近する。
ローレンに関係がバレて、焦って、駆け落ちを決意。
ところが、ローレンがB.F.にフラれて飲酒運転で事故って病院行きになって、
駆け落ちは中断。
そのまま何事も無かったかのように元の生活に戻る。


はぁ?
このクソ親父は何なんだ!?
冒頭からソフィーのスーツケースを勝手に開けて中を見たりして、キモい。
楽団員を目指して奮闘してるのは良いんだけど、
若い頃にバンドを辞めたのを、妊娠のせいにするあざとさ。
予定外だったとしても、半分はお前の責任だろうがよ。
「俺の青春は急に遮られた。」って、そりゃ何なんだ、おい!?

おまけに、娘と同じ年のソフィーに向かって
「何もかもから逃げ出したい。」「俺をどこかに連れ去ってくれ。」って...。
はぁ!?
アホか、まるきし、高校生気分から抜けきれない。

駆け落ちも、荷物まとめてウキウキしちゃって高校生の家出みたい。
そこまでしておきながら、ソフィーに対して責任を全うする愛情も勇気も無い。
最悪!!!

キースは正式楽団員になれたら教師を辞めて、
ローレンが実家を離れる年齢になったらN.Y.に移り住みたいと考えている。
妻のメーガンは環境の良い田舎の家で安定した暮らしを続けていきたい。
クッキージャーの売買なんかやって、いかにも家庭的。これもちょっとウザいね。
ラストは結局そのまま家族3人で仲良くやってるから、
キースはおイタの罰で家を出してもらえなくなったんだろう。
楽団員の事はどうなったのかな。
ぬるま湯に浸かったまま、覚悟を決められないヤツに何が出来る?

冒頭とラストで、3人で家族写真を撮る様子が描かれている。
もしかしてこの家族、結構しょっ中こういうトラブルを繰り返して、
その度に、こうして無かったふりをして、
上手くいってる素振りで暮らしてるんだろうか。

ソフィーの人となりについては多くは描かれていないので推察するしかない。
幼い頃に母親を亡くし、父親は叔父夫婦にソフィーを預けた。
叔父もまた音楽家だった。
しかし、昨年病気で他界してしまった。
思うに、ソフィーはファザコン傾向があって、
性的な関係はともかくとしても、この叔父とも微妙な関係だった。
愛する叔父の死で、英国からしばし逃げ出したくなったんだろう。
持参した本は「ジェーン・エア」「愛人ラ・マン」だったりする。
まぁ、だったら、もっと相手を選びなね。
手近なところにばかりお手つきしてると、怖い事になるよ。

幾つになっても青春気分から抜けきれず、ウジウジした無責任中年男の
気持ち悪さがビシビシ伝わって来るという点では、
主演のガイ・ピアースの演技力は素晴らしいって事になるのかな。

原題は「Breathe in」で、直訳すると「息を吸う」。
楽団員のオーディションを控えて緊張を隠せないキースに、ソフィーが
深呼吸して落ち着くよう促すシーンがある。
映画のテーマとしては「落ち着いて人生考えろよ!」って事なのかな?

それにつけても、この邦題は何だったんだ?


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