二流小説家とか、売れない三流マンガ家とか、
世間はそういう言い方をしたりするけど、
プロの小説家やマンガ家になる段階で、
それなりに高いハードルをクリアしてるもんなんだ。
巨人の中継ぎ、押さえのエース、山口、西村が二流か?
二流、三流、上等じゃん!
...って、これは小説のタイトル。
「このミス」等のランキングで1位を3つも獲った作品として
新聞で紹介されていた。
書店の平積みコーナーでは、そこだけ山が低くなっていた。
ランキングにつられて買っちゃうミーハーが私の他にも大勢いる。
連続殺人があって、ジャンルとしては推理小説なんだろうけど、
あんまりそれっぽくない。
一人称で語られている為、主人公の心情とかの説明が長い。
オーソドックスなミステリーファンとしては、
もっと出来事で話を引っ張って、推理の積み重ねを見せて欲しかった。
新たな連続殺人事件が起こるのも唐突だし、
真犯人がわかるくだりがあっさりしてしまっているような...。
王道、定型ばかり読んで来たからそう感じちゃうのかな。
登場人物のキャラクターは、作者のサービス精神が生きてて良かった。
ちょっと抜けたとこがあって、やや頼りない男性を
個性的な女性陣が支えるというパターンは、読んでいて楽しい。
特に、利発で物怖じしない女子高生クレアが良かった。
作品中で、登場人物達がミステリーもののTVドラマについて
語り合うシーンがあったりして、
作者自身、そうしたドラマからキャラクターの描き方を学んで来たんだろうか。
う〜ん、でもやっぱり、いつものジェフリー・ディーヴァーのような
本格派の方が刺激があって好きかな。
「二流小説家」とは、主人公の現在の仕事ぶりから来るものなんだけど、
それより、ダニエラとテレサとを行ったり来たり、
美人ストリッパーダニエラにふられたら、お次はテレサに目が向くってのが
どうにもなぁ。
女性読者としては、そこんとこ潔癖に見ちゃう?
さすがに、クレアには手出ししなかったが。
「二流小説家」じゃなくて「二股小説家」じゃないのか?