忍者ブログ
マンガ家Mの日常
ビジネスマンが美術の勉強をするのが流行っているらしい。

美術が好きな訳では無くて、
海外の大物との面談の際に、美術の話題についていく為だって。

欧米の富裕層は美術のコレクションに長けている。
中世から続く貴族社会がベースになっている。

以前バスキアの作品を125億円で競り落としたと言うIT長者も、
かねてより美術に関心はあったらしいけれど、
同業のホリエモンに言わせれば、海外進出への名刺代わりみたいなもんだとか。
有名な美術品を高額で購入する事で、海外の富裕層に名前を売って見せる。
昔のバブル時代みたいな事にならなきゃ良いんだけど。
欧州の貴族文化から見れば、明らかに成金だと見られている。
子から孫へ、100年、3代くらい継続したら、やっと認められるようになる。

美術を勉強するのは良いけれど、仕事の為っていうのが付け焼き刃的で残念。
知識と鑑賞は少し違う。
好きで楽しむのでなければ、心で作品に接する事は出来ない。
学業と仕事一途で、美術に価値を置かずに成長してしまった。
知識を身につけても、鑑賞する心は一朝一夕では育たない。
タイミングを逃したら、一生芽は生えてこない。

日本では、絵画に対しての価値観がやたらと低い。
そのツケが海外進出のビジネスマンに回って来た。
暫くの間は、付け焼き刃を嘲られ、恥をかく場面もあるだろう。
それでも、もし、こういう流れが、日本の美術教育を高めていく一助になれば、
絵画の世界の扉は開かれていくかもしれない。
ただし、ネットのアーカイブでサクサク見るだけでは無く、
時間をかけて、その足で、多くの美術館やギャラリーをじっくり回る事が必要。
お金を稼ぐ事より、美術が大事だと思えるか?
PR

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック