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マンガ家Mの日常
原作をもらっても、いつも作品タイトルに首をかしげていたよ。
原題も「妊娠した花嫁と貴族の男」的なドストレートなのが殆どで、
工夫も何も無かった。 悲惨。
タイトルって作品の顔だから、かなり重要なものの筈なんだけど。

これまで描かせてもらった作品でも、
タイトルを見てもどんな内容か見当がつかない。
自分で描いたから作品の内容はすぐ思い出せても、
タイトルが出て来なかったりする。

「絆をもう一度」はタイトルがスゴくイヤだった。
なんだかウェット過ぎるんだもん。
ダメもとで編集さんにタイトルの変更を申し出たけど、やっぱりダメだった。
まぁ、それは仕方無いだろう。

「花嫁」とか「美女」とかってのも古くさいよね。
なんでそんなのにしちゃうんだろう?
せめて、語感のキレイな言葉をチョイスするとか、
邦題つける時にもうちょっと工夫すれば、と思うんだけど、
こういう古くさいのが小説の読者には喜ばれるのかなぁ? 分からん。

結局描かなかったけど、以前原作を読ませてもらった中で
ひとつだけタイトルに感心出来たのがあった。
「嘘つきな薬指」。
セクハラで前の会社を退社を余儀なくさせられたヒロインが
再就職するにあたって、そう言うトラブルを避けようと、
偽の結婚指輪をはめてるっていう設定。
それからの展開に大きな破綻は無かったんだけど、いかんせん話が地味だった。
ヒロイン、ヒーローが美男美女なのはともかく、性格も善男善女でありきたり。
ヒロインが公園でローラースケートをしていて、
暴走したところをヒーローにぶつかって助けられる、とかね、
エピソード全般、古くて退屈だった。
100人作家がいれば、100人思いつくような展開。
と言うか、恥ずかしくて今更そんなの誰も描かないよね。
発表の時期もかなり前だったせいか、その他の小道具的エピソードも古くて
扱いづらい感じだった。
ただ、私よりももっとおとなしめの絵柄のマンガ家さんであれば
上手くはまるかもしれないってのもあって、当時の担当さんにもそう伝えた。
そうしたら、先月原作本を受け取った時に新刊広告チラシも入ってて、
その中にこのタイトルを見つけた。
ああ、どなたか別のマンガ家さんが描かれたのね。
表記が小さかったから、編集部もそんなに注目作として扱ってる訳じゃない。
読んでないからわかんないけど、上手く仕上げたであろう事をお祈りします。



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