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マンガ家Mの日常
フランスの地方都市アングレームで、マンガの展示が行われており、
50周年を記念して、日本のマンガ家が招待されたイベントが開催された。

フランスは元々「バンド・デシネ」と呼ばれるマンガがある。
マンガと絵本の中間のようなジャンル。
大人向けの複雑なストーリー物も多く、
絵も緻密で、多くは丁寧に彩色が施されている。
サスペンスやSF等、イマジネーションも奥深い。
日本のマンガ程にはストーリーは長期間ではないが、シリーズ物もある。
とにかく画力が高い。
ここまで丁寧な彩色だと、量産は出来ないと思うが、
アシスタント等を雇っているのかどうかはわからない。
逆に、最近のAI技術を導入したら、サクサク作業が進行しそう。

ところが、フランスでも、本国の作品より、日本のマンガへの注目度が高くなって、
日本式のマンガ家を目指す人も増えつつあるらしい。


自分が子供の頃は、マンガの地位は低く、
祖母や両親からは読むのを止めるよう言われていて、
勿論、マンガ家になる等、論外。
同世代の友人達からも、やや白い目で見られていて、
未だにマンガの仕事を平気でバカにする人もいる。

それが…、
海外では、既に高度なカルチャーとして認められている。
隔世の感。

そうなると、マンガの世界にすり寄って来たがる人も増えて来る。
大体においてそういう輩は、お金目的で、根底ではマンガを理解していない。

時代に流される感性しか持ち合わせていない人達は虚しい。


マンガに限らず、何事にも、

時代性ばかり追いかけるのではなく、

人類の長い歴史を見通して、

自分自身が良いと思った事を信じて実行するのが大事。


同時に、本質を見抜く力と、実行する気持ちの強さを育てなければならない。
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「再録」
先に商業誌で公開された作品を、再度掲載する事。
「録画」とか「録音」とかじゃなくて、「掲載」なんだから、
「再掲」とかが正しいような気がするけど、何で「再録」なんだろう。

記憶にある限りでは、
70〜80年代、少女誌が発行部数を増やし、厚手の増刊号が作られるようになった。
それは、新人育成の場でもあった。
ただ、新人の作品を山程並べただけでは売れないので、何かメインが必要。
何本かは人気作家の作品を載せつつ、巻末に再録を掲載。
再録は、月刊誌での人気連載作品を数話まとめたものだったり、
その時期注目されている作家の特集だったり。
新規の読者が連載作品に追いつく為だったり、注目作家の売り出しの為だったり。
まぁ、基本的には、750〜1000ページという分厚さが売りの増刊号を、
経費(原稿料)を押さえて発行する為ってのが理由の第一。

70年代はまだコミックスの発行数が今程多くはなかったので、
読者にとっては、まとめて読める機会でもあった。
でも、コミックスの発行が増えるようになって来ると、
雑誌掲載後に増刊号で再録されると、コミックスの売り上げが減るかもしれないと見て、
再録を嫌がる作家もチラホラ。
おそらく、熱心な読者はコミックスを持っていたいので、
売り上げにマイナスにはならなかったと思う。

初期、初回再録料は、原稿料の50%とされていて、それは結構良い実入りだった。
再録も2回目以降は、回数に従って再録料が下がる。2回目で、20〜30%だったかな。
でも、暫くすると、初回再録料が30%程度に下がって来た。
そして、今回は、およそ15%。
もしかすると、原作料を引かれているのかもしれない。
かなり厳しい数字。

再録は、作家が何も作業をしなくても、再録料が入るので、損は無い。
でも、やはり、もう少し作品に敬意を払って欲しいと思う。

ハーレクインからは、デジタルの印税のメールが来る以外、もうずっと何も連絡は無く、
当時の嫌な事柄をようやく忘れかけていたところだったので、少しモヤモヤする。

夜、見知らぬ番号から電話がかかって来て、
警戒していたら、
ハーレクインの編集長さんでした。
編集部の電話番号が変わったらしい。
変わっていなかったとしても、もう番号は覚えていなかったけど。

「ウエディング・ナイト」が4月発売のハーレクインの雑誌で再録される企画があり、
その為の著者許諾の確認。

コミックスの原稿料だけでは作家は経済的に厳しいので、当時の編集長さんからは、
雑誌への再録でカバーしてもらえるとの話だったのだけど、
その直後、再録を減らす方針になって、再録は1回のみ。
こちらは、働けば働く程、財政的に厳しくなる状態に追い込まれた。

今回、また改めて再録を少し増やすそうで、そのラインナップに入った。
原作が、ハーレクインでも人気作家の1人、ミランダ・リーだから、
推しやすかったのかな。

しかし、相変わらず再録料は低い。
以前は、原稿料の50%が相場だったのだけど、遥かに及ばない。

まぁ、それでも再録は有り難いので、よしとしておこう。

こんな事言ってるから、編集さんに嫌われる。

SNSで(一部で)話題になったらしい話。

少女マンガ雑誌の編集者が、
「打ち合わせで自分が指示した通りに作家がネームを修正して来たらガッカリする。」
と、投稿したら、
そこそこ批判と賛同の両方向からの声が上がったとか。

まぁ、そうだろうなぁ。

この編集さんは、自分が考えたより、更に良いアイデアを出して来て欲しいと願った。
作家はその期待に応えなければならない。

でもね、

一方で、
「何で俺様の言う通りにしないのか!」って、機嫌を悪くする編集者もいるわけで。
そこんところは、作家と編集者との相性とか、信頼関係とかによる。
そして、やはり、
編集者の多くは、自分の意見が通る事を内心では望んでいる。

なので、

作家の側の戦略としては、
他の部分を通す為に、一部で編集者の意見に従って変更する。

そう、ご機嫌取りです。

でもね、

作家として、本気の部分は守り通さなきゃならないから、
そこは頑張って押し通す。

なので、

私は大分編集者に嫌われた。

ところが、

そうやって普段散々たてついていると、
暫く仕事を続けた後には、いくらか編集者の指示に合わせる場面もあって、
そうなると、その編集者は一気にご機嫌になる。
(それが必ずしも良い事ではなかったりもするんだけど。)


まぁ、
打ち合わせって色々難しい。

昨年12月12日にご逝去されていたと、先程ネットニュースで見ました。

「マジンガーZ」のコミカライズ等の仕事をしておられた事から、
永井豪先生の元アシスタントだと思っていたけど、
アシスタントとしては、石ノ森章太郎先生に師事しておられたらしい。 

子供の頃、雑誌の少年マンガに接する機会があまり無かったので、
作品を目にした記憶が少ないけど、
少年マンガらしい溌剌さを表現されておられた。


ご冥福をお祈りします。